程度の差こそあれ、だれでも自分を責めたり、自己否定したりという経験はあると思います。
でも自己否定が強ければ強いほど生きづらさを感じ、悩み、何もする気になれないほど自信を失ってしまう人もいます。
ではどのようなカウンセリングや心理療法を受けたら自己否定を克服し、自己肯定感をあげることができるのでしょうか?
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目次
1.自己否定するということ
自己否定をするというのは自分のことを好きになれないということ、自分を否定するということですが、好きになれない、否定をするというのは何か基準や理想があるということです。
その基準や理想から外れた時に自己否定する自分が嫌いだという気持ちが発生します。最初は●●ができないなんてダメだな・・そんな自分は嫌だな・・という程度だと思いますが、その否定する感情が強くなると自分という人間がダメだと人格そのものを否定するようになってしまうのです。
最初はあることがらにおいての理想の自分と現実の自分との違いを感じて自己否定していたものが全てのことにおいて自分という人間ははダメだと自己否定=人格否定するようになってしまいます。
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2.自己否定の基準の形成
生まれつき自己否定をするという人はいません。小さい子供が自信ないとは言わないように最初は無垢で、基準もなにもありません。その基準は育った環境から生まれてくるものです。
特に家族の影響は大きいです。生まれてすぐに接するのが親、家族という社会です。幼い時に叱られた記憶、失敗した記憶、経験、褒められた記憶や経験などからその基準が少しずつ形成されてきます。
例えば勉強ができてお母さんが「よくできたわね」と褒める→勉強はできると褒められる→できないといけないという具合に少しずつ経験から作っていきます。この変換のされ方は親からの影響だけでなく、本人の性格にも起因します。
もし親が常に100点でなければいけない、100点をとったら何でも買ってあげるなどとはっぱをかけたりした場合には100点を取れなかったときには、望まれている要求に応えられないことで自己否定がおきます。
ましてやそのことに対して、親から「あなたはダメね」などと人格そのものを否定するように言われたら、自信を失い、自己否定してしまうのは明白ですね。
特にこの条件付きの愛情はあまり良いとは言えません。その条件がなければ勉強もしなくなる可能性があります。
ただし同じ親から育っても兄弟がみな同じ性格ではなく、受け止め方、感じ方が違うため必ずしも上記のような変換をしてしまうとは限りません。
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3.自己否定を克服するためのカウンセリング・心理療法
3-1.心理カウンセリング
カウンセリングの基本は受容と共感ですので否定をされずに話を聞き、共感をしてもらうことで自己否定を効果はあるはずです。
カウンセリングによって自分自身の話をすることにより、自分の中の問題に気づくというのはよくあることです。
自己否定するに至った経緯を話することで、カウンセラーが気づきを与えてくれて、自己否定してしまった原因がわかり、なぜそのように思って自己否定してしまうのかを分析することにより、克服するヒントが与えられるはずです。
3-2.インナーチャイルドセラピー
インナーチャイルドとはうちなる子供つまり自分の中にいる子供ということです。
具体的には自分の子供の頃を思い浮かべその当時の体験や記憶や思い浮かぶ感情や想い、そして自分と向き合い癒していくものです。自己否定してしまう場合にはインナーチャイルドが影響している考えられます。
これは誰にでもあり、過去の経験や感情が今の自分に影響していて自己否定を始めさまざまな悩みをもたらしている場合があります。過去のトラウマとなる出来事があった場合にはそれがつらい経験のため封印していることがあり、実はそのことが今の自分に悩みもの元だったりします。
親に愛されなかった子供の場合には愛されようと無意識に頑張りすぎてしまいます。しかし頑張っても頑張っても親から愛された実感がない。自分は愛されない人間なんだ。ダメな人間なんだと自己否定してしまう。
この場合あくまで本人の感覚であり、親は子供を愛していることもあります。
第三者からみると優秀なエリートコースを歩んで順風満帆にに見える人でも、自分はまだまだだ…と自己否定を続け、努力をし続け、十分な成果が上がっているとしても自分では肯定できず自己否定してしまうという人もいます。
このカウンセリングでは、まずは自分の中にいるインナーチャイルドにアプローチをし、潜在する無意識を顕在化していく。そして顕在化されたものを癒し解消していくことで、意識に変化が現れます。
自分の中のインナーチャイルドを癒し、自分はありのままの自分でいいと受け入れられるようになれば、今まで抑圧していた感情が解放され、気持ちも変わり、問題は問題でなくなり自己否定も克服できるでしょう。
インナーチャイルドが今の自分の物事の解釈の仕方や受け止め方に影響しているのです。
3-3.ヒプノセラピー(催眠療法)
ヒプノセラピー(催眠療法)は心理カウンセリングの技法のひとつで、表面意識レベルにとどまらず、心の深いレベルでのカウンセリングを可能にするものです。
1958年には、米国医師会(American Medical Association)、米国心理学会(American Psychological Assciation)、英国医師会(British Medical Association)は、催眠を有効な方法として認めています。
催眠状態は、心理学では変性意識状態、あるいはトランス状態と呼ばれ、心の奥深くの潜在意識(無意識とつながる状態です。 その状態のときでもしっかりと意識があり、自分の言うことも分かり、覚えています。
心の大部分は無意識=潜在意識です。潜在意識にはすべての記憶があり、それは様々な感情と結びついています。
自分の経験の記憶が悲しいもの、苦しいもの、辛いもので、心の奥が傷つき癒されないままになっていると、そのことに意識のエネルギーが使われ、なかなか心が晴れません。
いつも心がむなしさを感じます。
人との関係が楽しいものになりません。人生が楽しいと感じられませんし、物事がなかなかうまくいきません。現実的な出来事にいつも振り回されて暮らす状態から抜け出すことができません。
あるいは特別にトラウマなどはないけれど、なんだか人生や物事が望むように進んでいないと感じるときは、顕在意識と潜在意識がうまくコミュニケーションが取れていない状態になっています。
自分のことは、実はよくわからないというのが現実です。
ヒプノセラピーで心の中を整理し、あるいは心の傷をしっかりと癒してあげましょう。自分でも気づかなかった潜在意識の思いをもっと感じ取り、自分の夢や生きる目的を知り、望む自分になり、望む未来を手に入れることができます。
日本ヒプノセラピー協会HPより抜粋
ヒプノセラピーにより心の中が整理され、傷が癒えれば自己否定も克服できるはずです。
3-4.認知行動療法
認知行動療法とは認知=その人のものの見方や考え方を変えることによって行動変容を促すものです。
認知療法・認知行動療法とは、人間の気分や行動が認知のあり方(ものの考え方や受け取り方)の影響を受 けることから認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって精神疾患を治療することを目的とした構 造化された精神療法です。
精神科の治療方法としての認知療法・認知行動療法は、1970 年代に米国の Aaron T Beck がうつ病に対する 精神療法として開発したものです。
その後、認知療法・認知行動療法は、うつ病はもちろんのこと、不安障害や ストレス関連障害、パーソナリティ障害、摂食障害(神経性大食症)、統合失調症などの精神疾患に対する治療 効果と再発予防効果を裏づける優秀なエビデンスが多く報告されてきたことから、欧米を中心に世界的に広く 使用されるようになりました。
また、精神疾患以外でも、日常のストレス対処、夫婦問題、司法や教育場面の問 題、などその適用範囲は広がりを見せています。 わが国では、とくに 1980 年代後半から注目されるようになってきました。
それとともに、わが国での治療効果 の検証も進み、厚生労働科学研究費補助金(こころの健康科学研究事業)「精神療法の実施方法と有効性に関 する研究」を初めとした研究でその効果のエビデンスが積み重ねられてきています。
厚生労働省HPより
認知が変わることで、物事の考え方が変わるわけですから、自己否定の克服だけでなく、自分の世界観が変わり、気持ちも明るくなれるでしょう。
4.まとめ
いかがでしたか?自分が試してみたいカウンセリング・心理療法はありましたでしょうか?他にも自分で自己否定を改善するために取り組めることもあります。
そちらについてはこちらをご覧ください。
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