不登校になると原因が何かと考える親が多いと思います。
不登校の原因は高校に限らず学校生活の中に原因があると一般的には考える親が多いのではないでしょうか?
いじめ、仲間外れなど学校生活、友人とのトラブルなどが原因として主に浮かべる方が多いと思います。
確かにそれも不登校のきっかけになったり、原因の1つかもしれません。
しかし不登校の原因というのはそう単純なものではないのです。
たいていは複数の要因が重なり不登校の原因となっています。
では高校生に限らず不登校の原因やその心理について、詳しく書いていきます。
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目次
1.高校生の不登校の8つの原因
前述のとおり高校生の不登校の原因となることは複数の要因が重なるため下記のような原因と考えられることが複数あることが考えられます。
ただし不登校になっている本人は原因は全くわからないというのが本当のところです。
1-1.環境の変化
中学生から高校生となり、義務教育ではなくなります。
そのため高校では、授業も高度化し、単位を意識した授業となります。
選択授業があったり、高校によってはこの先の進路を見据えた専門性の分野の科目があったりと、高校生になると授業の内容、形態もかわります。
進学校の高校の場合などはようやく高校受験が終わって高校生となり一息つける。
高校生活を楽しみたいと思って入学したのに、入学して間もなくクラス分けのテストがあったり、大学受験を見据えた教育が始まったり、自分の想像と違う高校生活がスタートすることもあるでしょう。
そして進学校であればあるほど、入学はできても、中学のときは成績がよくても高校では同じレベルの集まりが高校生となっているためその中で上位をとるのが難しくなります。
高校の課題に追いついていくだけでも精いっぱいで疲弊してしまうことさえあります。
そして高校によっては校則が今までよりも厳しくて、窮屈に感じてしまったり、管理されることを嫌う高校生もいるでしょう。
また中学まで公立だったけど、高校から私立となり環境自体ががらっと変わることもありますよね。
このように思い描いていた高校生活と違ったということなども環境の変化からくる原因ということになります。
その他にも一貫校でなければ、高校になって担任の先生やクラスメイトも変わりますね。
こんなことも不登校の原因構成の1つとなりえます。
高校での生活の変化だけでなく、例えば引越し、親の離婚、近親者との死別、親しい友人が引っ越してしまった、親しい友人が同じ高校ではなくなったなども環境の変化からくる原因といえるでしょう。
1-2.家庭環境・親子関係
高校生に限らず全般的には不登校の原因の根底にあるのは実はこの原因が共通していたりします。
ではなぜ家庭環境や親子関係が不登校の原因となるのでしょうか?わかりますか?
夫婦不仲・家族不和
こちらの記事にも書いておりますが、夫婦仲が悪かったり、祖父母などが同居している場合には家族の中で争いや対立などが合った場合も不登校の原因の一因になりえます。
大人でもそうですが、外で受けたストレスを癒す場所が必要です。それが家庭というのが本来は理想です。
しかしその家庭でもめごとがあったり、頻繁に対立したりなどがあれば、外でのストレスですり減った心をメンテナンスすることができなくなります。
このように家族間の争いごとも高校生に限らず全般的に不登校の原因の一因となってしまうことがあるのです。
親子関係
親が放任すぎたり、はたまた過干渉や子供に過剰な期待もっている場合などにも不登校の原因の一因となります。
放任の場合であれば、子供は親からの愛情を感じることができず自己肯定感を保てなかったり、その寂しさや親の関心をひくために不登校や非行に走ることさえあります。
高校生であればどんなことが良くて悪いかはわかっているわけです。それなのに非行に走る心理というのは、埋められない寂しさが強く愛情を欲しているといえます。
また親が過干渉であったり、威圧的に指示命令するような親子関係の場合には、自分で物事を決められなくなってしまったり、意見を言っても無駄だと思うようになり、次第に無気力となり不登校になることがあります。
我が家を含めご相談にのっていると半数以上の家庭でこのことが不登校の原因の大きな一因ともいえるのではないかと思うほど多いです。
またあまりに厳しすぎたり過干渉の場合には不登校では終わらず、犯罪を犯すケースというのも最近はよく見受けられます。
1-3.希望が見いだせない
大人になりたくない。将来の夢がない、身近な楽しみがない、ひいては希望が持てない・・こんな場合には無気力な不登校になることが多いです。
目標となる大人が身近にいなかったり、周囲にいる大人が文句ばっかり言っていたり、前述の家族不和なども希望を見いだせない原因にもなり、ひいては不登校やひきこもりの原因となります。
母親が父親の悪口ばかり言っていたり、ため息ばかりついていたり、口を開けば疲れたしか言わない、父親は休日はゴロゴロしているなど思い当たることはありませんか?
身近な大人が楽しそうに、幸せそうにしていていなかったら子供は将来に希望が見いだせないというのは想像がつくと思います。
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1-4.人間関係によるトラブル
女子高校生に多いのが女子の友達とのトラブルです。
今まで仲がよかった友達が急に離れていってしまった。
日本では皆同じがいいという風潮があります。
そのため少し仲間とちがったことをして浮いてしまったり、過ちを指摘したら仲間から疎んじられたりするということもあります。
仲間外れにされた。友達の輪の中に入れず学校に居場所がない。
部活の先輩から叱られた・・先生と波長が合わない・・いじめ・・このようなことも不登校の原因をつくる一因となり、また不登校になるきっかけともなるため、友達関係のトラブルなどが不登校の原因と思ってしまう方もたくさんいるのでしょう。
これはあくまできっかけにすぎず、不登校の真の原因でないということもあるのです。
1-5.思春期ゆえの葛藤
高校生も含め思春期に不登校が多いのはご存じのとおりです。
思春期には他人からどう思われているのかと自分の評価を気にする傾向にあります。
ふとしたことから皆に悪く思われていると思い込んでしまったり、自信をなくしてしまったり・・
他者評価を気にする高校生ほど傷ついてしまうことも多くあります。
高校受験で志望校にことごとく入れなかった・・みんなはどう自分のことを思っているのだろう??
将来を考えると不安が襲ってきたりなど思春期ゆえの葛藤とストレスがあります。
このため本人も原因がわからずに不登校になっていることもあるのです。
反抗期の思春期はいったいいつまで?適切な対応は?女の子は違う?
1-6.気質
不登校の子どもはみんな高校性であっても小学生であっても共通して繊細で感受性豊かな心の持ち主です。
そのため他の人からしたら些細なことでもとても傷ついたり、敏感になったりしてしまいます。
同じ家庭環境で育った兄弟姉妹で、不登校になるかならないかはこの違いともいえます。
兄弟姉妹だからといって性格まで同じとは限りません。
また親からしたら同じように育てているつもりでいても不登校の本人に話を聴くと親が兄弟で違う対応をしているということもあります。
親の対応が違うのか、本人の捉え方が違うのか?どちらも不登校の原因の1つになりえることです。
1-7.自己肯定感の低さ
不登校の原因の1つに自己肯定感の低さというのがあげられます。
ありのままの自分に自信が持てず、頑張りすぎて疲弊してしまう。
自己肯定感がないために些細なことをきっかけに立ち直ることができない。
これはこれまでの親子関係が一番影響していると考えられます。
常に上位でないと育てられ、第三者からみるととてもすごい成績や経歴の持ち主であっても自己肯定感が低い方がいます。
順位が上がれば更に上を目指せと親から躾を受け、過剰な期待をされる。
決してほめることがない場合などはこのように自己肯定感が低いといえます。
また親がそのように躾をしていない場合でも子供のプロセスでの頑張りを認めたことがない、結果しかみないなどの場合には同じように自己肯定感が育ちません。
自己肯定感が低いと全てにおいて無気力の原因となったり、不登校やひきこもり、そして自暴自棄になったり、生きていても仕方がないとさえ思ってしまうこともあります。
1-8.発達障害・起立性調節障害・うつ・心身症
朝起きられなくて不登校なのは怠けているのでは?学校に行きたくないからでは?と思っていたら起立性調節障害だった。
不登校になりなんだかおかしいと思っていたらうつだった。
コミュニケーションがおかしい、雰囲気が読めないと思ったら発達障害だった・・・
など、不登校になって初めてこれらに気づき、原因であることがわかることもあります。
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2.高校生の不登校の心理
2-1.学校に行かなくてはいけない
不登校やひきこもりの相談に来られる親御様から受ける質問に多いのが、「何を考えているのかわからない。本当に学校に行くつもりはあるのでしょうか?」と訊かれることが多いです。
不登校の心理としては他の誰よりも本人が一番学校に行かなくてはいけないと思っています。
高校生の不登校であれあば、なおさら学校に行かないと単位が取れない、出席日数が足りなくなってしまつ、卒業できない、一日も早く学校に行かなくてはいけないと誰よりも思っているはずです。
「でもうちの子供は不登校なのに家では元気そうで、明日は行くといいながら、翌朝になると行けないというのですが、本当にそのような心理状態なのですか?」と質問されることも多いです。
はい、本当に行こうと思っています。しかし翌朝になると、起きられない、お腹が痛い、頭が痛い・・など本人の意思に反して学校にいけない、不登校になってしまうのです。
昼夜逆転についてはこちらをご覧ください。
2-2.見守って欲しい
不登校になって、特に最初は親も不登校に関する知識がないことが多いです。
私などは「不登校」という言葉さえ思いつきませんでした。
そのため「学校になぜいけないの?」「明日は登校できるの?」などと問いただしたり、責めたり、執拗に登校するという言葉を引き出そうとしてしまいます。
しかし、不登校の心理として「学校にはいかなくてはいけない」と前述のとおり嫌というほどわかっているのです。
大人でもわかっていることや、やろうとしているときに、あれこれ言われると嫌な気持ちになると思います。
不登校の本人としては干渉しすぎずに見守ってほしいという心理状態です。
2-3.自己否定
何かをきっかに自信を失い不登校となるケースや、自分でもよくわからず不登校になり、それが長期化してくると、心理状態はますます悪くなり、自己否定を始めます。
不登校の自分が情けなくなり、誰にも受け入れてもらえないと感じてしまいます。
そして自分には価値がないと思い始めます。自己否定して自己肯定感がなくなってしまうのです。
ましてや家族からも不登校であることで嫌味を言われたりしたらなおさらです。
不登校本人は人生終わったと思うほどの絶望感さえ感じているケースもあるのですから。
2-4.無気力
前述のように、不登校になることで自己否定をしてしまうと、どうせ自分なんて・・何をやってもダメだ・・という心理状態に陥り無気力になってしまいます。
不登校の原因で無気力と挙げるかたもいますが、最初から無気力でなく、次第に無気力になっていくのです。
無気力の心理というのは威圧的な親などからの押さえつけられや過干渉な親など、自分の意思を伝えても叶わない、前述のように自己否定から無気力になるなど人により至る経緯は違うのです。
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2-5.不安
不登校が続きこの先高校に戻れるのだろうか?
高校生の場合には単位や出席日数が卒業に影響するわけですから、不登校になることで計り知れない不安が押し寄せます。
明日こそ行かなくてはと毎日思いながら、行けない日々・・過ぎていく時間・・長引く不登校・・・
不安や恐怖でいっぱいです。
2-6.居場所がない
不登校になっていざ学校に戻ろうと思っても、その原因や、不登校の長期化などにより、果たして自分は学校に戻ったところで、先生やクラスメートは受け入れてくれるのだろうか?
部活でトラブルがあった場合などは部活には戻れないのではないか・・
そして一番避けたいのが家での居場所がないということです。
不登校で学校に行けないことで、家にいることに罪悪感を感じています。
それを家族が受け入れ、本人もそれを感じている場合には良いのですが、そうでないと本人の心理状態はますます悪化してしまいます。
兄弟などがいて、例えば兄が不登校、弟は登校しているときなどに、弟が「不登校だなんて、お兄ちゃんが学校に行かないなんて、ずるい。さぼってる」などといい、親がそれを「そうよね」などと言ってしまうのは最悪のパターンです。
また祖父母世代などには不登校は理解されずらいので、親が受け入れていても祖父母が不登校を受け入れない発言をしていると、本人はとても辛い状況になります。
自分には学校にも家にも居場所がない・・どうせ誰も自分のことを理解してくれない。
そして前述のような心理状態すべてを持ち合わせているならば、生きている価値がないと思い込んでしまい、自殺に至ってしまう不登校の子供さえいるのです。
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まとめ
高校生に限らず不登校の心理と原因についてお分かりいただけたでしょうか?
決して原因特定は簡単ではありません。しかし原因を特定することよりも適切な対応をするほうがはるかに不登校を解決するのに役立ちます。
不登校の心理と原因がわかればどのように対処していくべきかがわかるはずです。
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こちらの記事もご覧ください。
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わたしは小学生高学年から、不登校で、学校いは楽しい時だけ行ってました今は高校生ですが保健室登校になってしまい教室に戻りずらくてイライラしてる日々です