機能不全家族の割合は8割とも言われています。
本当にそんなに多いのでしょうか?参考となるデータをもとに探ってみましょう。まずは機能不全家族について、そして機能不全家族が故に起きてしまった事件もあります。
順にみていきましょう。
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機能不全家族とは
機能不全家族とは、「子育て」、「団欒」、「地域との関わり」といった、一般的に家庭に存在すべきとされる機能が、健全に機能していない家庭の問題を指す。
Wikipediaより
機能不全家族とは毒親と置き換えてもよい子供にとって悪影響を与える家族のことです。
どのような家族なのかと言えば
- 暴力・身体的虐待
- 家族の不和
- 性的虐待・暴力
- 精神的虐待
- 親のアルコール依存やギャンブル依存
- 育児放棄(ネグレクト)
- 子供の人格を否定する
- 生活困窮
- 子供を支配をする
- 両親の存在感が希薄
- 人と比較されることや兄弟で差別をされることがある
- 条件つきの愛情提示
- 嘲笑
- 発言の抑圧
- 行き過ぎた躾
- 子供への過剰な期待
このような特徴を持つ不健康な家族、歪んだ家族が機能不全家族です。
機能不全家族の特徴や子供への影響についてはこちらに詳しく書いています。
毒親についてはこちらに詳しくかいております。
機能不全家族の割合
機能不全家族の割合を示す確固たるデータというものはありませんが、さまざまな本には8割と記載されています。これはおそらくその傾向を持った家族も含めての割合だと思います。
まず機能不全家族のひとつにDVの家庭があります。DVの家庭は多いのでしょうか?
内閣府男女共同参画局
平成26年に認知されているだけでも7万件ということは、認知されていないDVがもっとあるはずですから機能不全家族の割合としては意外と多くなるのではないでしょうか?
機能不全家族のが少なくとも7万件あると言えるわけです。
平成23年度の家庭裁判所における婚姻関係事件の既済総件数は6万7,779件,うち妻からの申立総数は4万9,138件,夫からの申立総数は1万8,641件となっている。
妻からの申立ての動機は,「性格が合わない」(43.6%)に次いで「暴力を振るう」(28.8%)が多く,さらに,「生活費を渡さない」(25.3%),「精神的に虐待する」(24.6%)等,夫からの暴力が大きな動機の一つとなっている
内閣府男女共同参画局より抜粋
暴力をふるう、生活費を渡さない=精神的虐待にもなりますし、離婚するほとんどの家族が機能不全家族だったと言えます。
このことからも機能不全家族の割合がある程度わかります。しかし離婚せずに機能不全家族を続けている家族も実際にはたくさんあるでしょうから、あながち8割の家族が機能不全家族というのも嘘ではないのでしょう。
また下記興味深い家族と子供の関わりに関するデータをベネッセさんのHPから見つけました。
Benesse 子育ての楽しさ(日頃のかかわりの頻度別)より
子供を思わずたたいてしまうという方が、よくあると時々あるをあわせると全体の47%にも上ります。
また子供が話かけてきても相手にしないという方がいるということ自体に驚きました。
感情的に叱ってしまった経験は私もありますが、他の項目は該当しなかったので私にとっては意外な割合でした。
上記質問項目のよくある、あるに答えた方は機能不全家族の可能性が非常に高いといえます。こんなアンケートデータからも機能不全家族の割合が見え隠れしていますね。
似たようなデータが川崎市の調査でもありました。
子育てに関する意識調査 平成24年 川崎市
青の点線で囲われている部分に該当するご家庭は機能不全家族、毒親の可能性があります。
殺人事件から学ぶ機能不全家族の連鎖
2002年秋田県でおきた児童殺害事件を覚えていらっしゃいますか?
畠山鈴香容疑者が自分の子供と近所の児童を殺害した事件です。畠山容疑者はまさに機能不全家族で育ち同じく機能不全家族を築き上げてしまったのです。
本人が幼少の頃父親はアルコール依存で、暴力を受けていました。しかし母親は見て見ぬふり。そして学校ではいじめも受けていたそうです。
いじめをさけるために万引きをしてその商品を友達にわたしてなんとかいじめを避けようともしていたとか。
そして若くして結婚し子供を授かるもすぐに離婚しシングルマザーとなりました。
その際に近所の人の話では子供はいつも汚れ服装をしていて、カップラーメンとポテトチップを買いにいく姿が目撃されています。
学校の先生もお迎えに来ないために連絡をしても繋がらず、2度目に電話をすると電源が切られておりとても困った。
また子供もお風呂を入っていない様子だったとのこと。まさに育児放棄、機能不全家族を連鎖して築き上げてしまっていたのです。
機能不全家族の連鎖
さて機能不全家族の特徴や子供への影響についてはこちらに詳しく書いていますように、悪い影響があります。
しかしながら機能不全家族や毒親というのは連鎖してしまうものです。
機能不全家族では躾と称して暴力を振るわれていることがあります。その子供は自分が親になったときに躾をするときには暴力をふるうものと思っているため同じことを繰り返します。
暴力で躾されてきたのですから、機能不全家族の悪い習慣を模倣してしまい、そのやり方しかわからないのです。
また親から愛されなかった機能不全家族の子供の場合には自分の子供に暴力をふるうことで無意識に愛情を求めているというケースもあるようです。
自分が親から暴力を受けてきた際に親が暴力について「お前のせいだ」と言われてしまう機能不全家族の中で育ってきた場合には暴力を振るわれる人が悪いという歪んだ認知を持ってしまいます。
また親が暴力を行いそれを肯定されてきた機能不全家族で育ってきたわけですからそれが正しいと思い込んでいます。
このようなことから暴力をふるうような機能不全家族が連鎖してしまうのです。
暴力に限らず機能不全家族で育った子供は機能不全家族のルールしか知りません。どこかで気づいて自ら修正をしていかない限りは機能不全家族を連鎖してしまうのは言うまでもありません。
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機能不全家族の連鎖を断ち切ろう
自分の家庭が機能不全家族だと気づけばチャンスです。
今ここで機能不全家族の連鎖を断ち切りましょう。あなたが機能不全家族で育ったアダルトチルドレンであれば、生きづらさを感じてきたはずです。(アダルトチルドレンの生きづらさはこちらに書いております。)
同じ思いを自分の子供にもさせますか?
自分が既に家庭を持ち親となっているのであれば毒親になり機能不全家族になっている可能性が高い思います。
毒親を辞めるのです。毒親をやめたい!の記事にも書いていますが、自分で断ち切るのです。
そのためにも自分の行いや自分の育った機能不全家族を客観視してみてください。場合によっては自分の家族を客観視するのです。
何がいけないのか、どうしたらよいのかが見えてくると思います。過干渉であれば放任するくらいの覚悟を持った対応に変える。そしてネグレクトの場合には子供に愛情を持って接する。
ネグレクトの子供の場合には子供が母子分離不安になる可能性が非常に高くなります。また非行に走り不登校になる可能性さえあるのです。
母子分離不安と不登校の関係についてはこちらに書いています。
自分がされて嫌だった仕打ちはしないということが大切です。
また中にはネグレクトな機能不全家族の中で育ったので自分の子供には愛情をたっぷり注ごうと思って接してきたけれど、それが過干渉だったというケースもあります。
全てはさじ加減ですし、相手の受け止め方です。あなたはよかれと思ってしていることが子供にとっては良いこと、嬉しいことなのか?本当に子供のためになるのか?という点をよく考えるようにしてみてはどうでしょうか?
機能不全家族の子供への影響を考え、あなたがどうしたいのかではなく、相手がどう感じるかを考えるようにする。
過干渉と過保護を勘違いする方もいます。その違いについてはこちらの記事に書いております。
過干渉の悪影響についてはこちらの記事に書いております。これらを読めば自分がどうすべきか、機能不全家族の連鎖をとめるべき方法が見つかるはずです。
まとめ
機能不全家族の割合が意外に多そうなことが色々なデータから読み取れましたね。
機能全家族のルールしか知らないアダルトチルドレンは自分も機能不全家族を築いてしまいがちです。機能不全家族の連鎖から起きてしまった事件もありました。
自分がアダルトチルドレンで生きづらさを感じてきたのであればなおさら自分で機能不全家族の連鎖を断ち切りましょう。
こちらの記事もご覧ください。
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