思春期外来とはどんなところなのでしょうか?
私が子供のころには思春期外来なんてなかったような気がします。
知り合いが息子さんを連れていったのを聞いたことがあるのですが、実際に思春期外来がどのようなところなのでしょうか?
思春期外来について調べてみました。
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思春期外来とは
主に就学時から18歳までの思春期の子供の思春期特有の問題を扱うのが思春期外来のようです。
ではどのような問題が思春期特有なのでしょうか?
- 情緒不安定
- 統合失調症
- 若年性うつ
- 摂食障害(拒食症・過食症)
- 脅迫障害
- 不登校
- 家庭内暴力
- リストカットなどの自傷行為
- 過敏性腸症候群
- 起立性調節障害
- 適応障害
- 思春期特有の成長が見られない
病気だけでなく本来あるはずの思春期の成長が見られないときにも思春期外来を受診するとよいですね。
例えば男子特有の声変わりや身長が伸びないなど思春期の成長が見られない場合にも思春期外来を受診します。
女子の場合には女性らしい丸みを帯びた体つき成長していきますが、このような思春期の成長が見受けられないなどで受診してもよいでしょう。
友人の息子さんは背が伸びないということで思春期外来を受診していました。
検査をした上で、薬が処方されたと言っていました。
思春期外来での診察
病院によって思春期外来での診察はさまざまだと思いますが、私がうかがった話ではまず診察の際に親子揃って話を聞き、その次に子供、親それぞれから話を順番に聞いてくれるそうです。
こうすることで、子供が思春期特有の悩みなど、親の前では話にくいことも話ができます。
そして、親も子供の前では言いづらかったことや、先生への質問などができます。
最後に親子揃って薬物療法、カウンセリングなどを組み合わせた今後の治療方針について話をしてくれるという手順のようです。
場合によっては教育的なかかわりをするようです。
そして外来の診察だけでなく入院が必要なケースもあります。
思春期外来の入院
思春期外来の入院施設がある場合には下記のようなケースの際に医師が入院が有効と判断した場合には入院することもあります。
- 食事をとらない
- 意味不明な言動
- 自殺企図
- 頻繁な手洗いや不安症状で日常生活に支障がでる
- 適切な養育環境が整わない場合
- 親子の距離(母子分離)をとったほうが良いと判断された場合
- 精神発達の課題が停滞し、入院治療によりその成長を促すことが可能と判断された場合
思春期外来にもよりますが、行事があったり、勉強ができたり、曜日により活動が決まっていたり、学校のようなところもあります。
ただし、本人が希望していないのに、無理やり親の都合で入院をさせてしまうのは、注意が必要です。
それまでの親子関係にもよると思いますが、見捨てられたと思春期の子供は感じてしまうかもしれません。
知人のお子さんは不登校になり、自分から入院を希望しました。
このご家庭の場合には夫婦仲が悪く、父親が暴れることもあり、本人が入院を望み思春期外来を受診しました。
結果的には本人が想像していた入院とは違ったようで、見送ったそうです。
このような家庭環境で、本人も希望するのであれば思春期外来での入院は有効といえるのではないかと思います。
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思春期のうつ病
思春期のうつ病の場合の診断基準は大人と同じものが用いられます。
そうはいっても大人のうつ病と思春期のうつ病では症状の現れ方が違うようです。
大人のうつ病は一般的には抑うつ気分があるのに対し、思春期の症状はイライラしたり、抑うつ状態を人に見せず部屋に閉じこもってしまったり、一人でいたがるということもあるようです。
症状
思春期のうつ病の症状は年齢により異なることもあり、年齢が上がるにつれ、成人のうつ病と同じような症状がでてきます。
思春期の低年齢では身体症状を訴えることが多いと言われています。
思春期のうつ病の症状は主に下記となります。
- 抑うつ気分(イライラしていることもある)
- 元気がない
- キレやすくなる
- 無表情になる
- 無快楽
- 食欲不振、
- 不眠/過眠
- 疲労感
- 無価値感(自己肯定感の低下)
- 集中力の減退
- 希死念慮
- 幻聴
- 体重減少
診察の目安としては、今まで楽しんでやっていたことをしなくなったり(部活、友達と遊ぶなど)、学校に行くのが辛い、または上記の症状が2週間以上続くときには一度診察を受けたほうがよいそうです。
他にも死に関することを口にしたり、「自分はダメな人間だ」などと自己否定するような言葉を口にするようであれば診察を受けたほうがよさそうです。
また思春期外来の診察を受けるかどうか迷ったときには地域の精神保健センターなどに相談をしてみるとよいです。
診察
思春期のうつ病の診断の際に医師は主に下記のことを確認します。
- 服装や外観が年齢相応であるか、清潔度なども含む
- 医師への協力度合い
- 多動でないかどうか
- 感情
- 会話の質、トーンなど
- 思考内容が妄想や強迫的でないか
- その他上記症状について
治療
思春期のうつ病の治療の場合には患者個人の治療に焦点をあてるだけでなく、成育歴を含めた患者の背景や病態の包括的な理解が必要とされています。そのため
・心理および疾病教育と環境調整
・支持的な介入
・家族への支援
なども行っていきます。
投薬治療
- 抗うつ薬
一般に児童思春期のうつの治療にはベンゾジアゼピン系薬物は脱抑制などの副作用が認められることが多く、不安が強い場合でも避ける方が望ましいと言われているそうです。
また薬が切れると激しく気分が落ち込んでしまったり、服用により頭痛や眠気、だるさなどの副作用があります。
医師から処方され、服用する際には副作用や薬物療法以外にどのように治療を行っていくのか詳細に確認しておくのが良いと思います。
抗うつ薬によっては薬を徐々に減らすときに適したものとそうでないものもあるそうですから、そこはしっかりと医師に説明を求めたほうがよいです。
そして同じ効果を発揮する薬でも薬により合う合わないもあり、合わない薬の場合にははたからみると、更に悪化したように感じることもあるといいます。
思春期の本人はもちろん、周囲も影響をうけますので、信頼できる医師のもと診察をうけ、説明を詳細に聞きましょう。
その他の治療
- 認知行動療法
- 対人関係療法
対人関係療法とは1960年代末にアメリカの精神科医・クラークマンを中心に開発された精神療法です。
重要な他者つまり思春期の子供にとっては親のことが多いかと思いますが、その人との現在の関係、コミュニケーションに着目しストレスを解決可能にしてく治療法です。
この治療は科学的にも効果があると言われているものです。
日本にもこの治療を専門にしているクリニックが増えてきています。
この治療によりうつ病だけでなく、日常の対人関係に応用することができ、自己肯定感の向上やストレス軽減に効果が期待できます。
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思春期のうつ病で家族ができること
思春期にうつ病を発した方の多くの家庭において躾が厳しい、過干渉などの共通する点が見られることがあります。
また思春期というのは心身共に成長する段階で葛藤の多い時期、親に反抗する時期でもあります。
思春期や思春期のうつについての理解をしたうえで、本人の意思を尊重し、自己肯定感を育むような対応が望ましいと言えます。
こちらの記事に思春期の対応について書いております。
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まとめ
思春期外来とはどういうところかわかりましたか?思春期のうつの症状やその他気になる症状があれば、思春期外来の診察をうけ、適切な治療を受けることをおすすめします。
また思春期のうつは投薬治療と並行して精神療法をするのが有効です。
その他にも一番影響しあう家族の対応というのも大切です。
是非思春期を理解し見守り適切な対応をして頂きたいと思います。
よろしければこちらの記事もご覧ください。
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