不登校になった当初は何がどうしたの?なんで学校へ行けないの?と原因探しをすると思います。
でもその原因は単純なものではないのです。
たいていは複数の要因や環境などにより原因は形成されていて複雑なものです。
それらを確認し、理解するためにできることは何か?どうしたら保健室登校までできるようになるのかを確認していきましょう。
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目次
1.不登校とは
文部科学省の定義では不登校とは何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校したくともできない年間30日以上欠席したもののうち病気や経済的理由を除いた者としています。
昔は登校拒否という言葉がありましたが、私は息子の不登校を経験やそのほかの経験者やそのご家族の話を聞いていて思うのは決して拒否しているわけではないと思います。
行きたくなくて行かないのではなく、行きたいのにいけないのです。
不登校である当事者本人が誰よりも登校しなくてはいけない・・でも身体症状がでたり、自分でもよく原因はわからなけれど身体が言うことをきかずに学校に登校できず辛い思いをしているというのが本当のところだと思います。
なので本人に「どうしてなの?」と原因を聞いたところでよくわからないというのが実情です。
決して隠したり、嘘をついているわけではないのです。
では不登校の状態になぜなってしまうのでしょうか?複数の要因から形成されている原因を確認していきましょう。
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2.不登校の原因やきっかけ
不登校の原因というのはたいていは1つのことではありません。いろいろな要因が重なり、ふとしたきっかけで引きおこります。
本人もなぜ不登校になっているのか、自分でも原因はわかりません。
2-1.学校生活でのトラブルによる原因やきっかけ
一番多いのはやはり学校生活でのトラブルだと思います。
- いじめ
- 先生に叱責された
- 学力が上がらない(成績不振。)
- 友達に仲間外れされた。
- 友達とトラブルがあった。
- 部活動で先輩ともめた
- 親に非難された
- 受験の失敗
などなど多いのは人間関係でその他のこともきっかけや原因になることがあります。大きな出来事もあれば、他の人からすると些細なことに感じる原因もあります。
2-2.環境による原因やきっかけ
- 親の転勤などで、転校をした
- 両親が離婚した
- 身内の死
- 進学による環境の変化
- 家庭環境に起因するもの(親の性格:過干渉/放任を含む)
中学に入ってから不登校は急激に増えます。
中2病なんて言葉もありますが、小学生までと違って中学生ともなると、周囲も半分大人扱いになりますし、高校進学に向けての準備等もあり、小学生とのギャップに適応ができないことによることが原因ともいわれます。
また家庭環境の影響が原因というのは大きいと感じています。私の身近で不登校になっているほとんどの家庭で夫婦不仲という実態があります。
他にも嫁と姑が言い争っていたり、親子喧嘩が絶えないという場合や親が過干渉、または逆に放任主義ということもあります。
過干渉と放任主義ときくとまるで反対なのにどうしてその相反する2つのタイプの親が原因になりうるのか?とお思いになるでしょう。
過干渉タイプの親というのは、子供のためと思っておぜん立て、先回りをしてしまうことを言います。
「ごはんの前に宿題やりなさい」「もう寝なさい」これは親の経験則から宿題はごはんの前に眠くなる前に済ませたほうがいい。
早く寝ないと翌日辛い等のことを考慮した上で子供のことを思っての発言だと思います。
でも子供は常に「~しなさい」という命令に慣れてしまうと、なぜ~するのかということを考えなくなります。考えなくても親御様が指示を出してくれるからです。
常に危機管理を親がして失敗という経験がないまま育った際に突如自分の身にふりかかる不測の事態に対応ができなくなり、その積み重ねが原因となり自信を喪失したり、無気力になってしまうのです。
そして親は子供のためにと思ってしていることのためもちろん罪悪感もなければ、自分が過干渉であることに気が付いていないことも多いです。
そのような方は是非カウンセリングをお勧めします。お気軽にお問い合わせフォームからお問い合わせください。
よく不登校の原因として「無気力」と書かれていますが、そうではなく、結果そうなるのではないかと個人的には思います。
不登校になる時期に無気力になるため原因と思われるのでしょうが、急に元気だった子どもが無気力になるはずはなく、徐々にエネルギーが枯渇した結果無気力状態なのだと思っています。
また非行なども同じで非行が原因でなく、結果非行に走っているのだと思います。
この場合も環境が主に原因だと私は思います。
よく聞くのが親が放任で自分のことを構ってくれないため意識的の場合もあれば無意識に親の注意をひくためや寂しさから非行に走る。家にいても親がいない。
居場所がない。家出をする。非行に走るというものが多く見受けられます。
一番は保護者が子供が愛情感じるような対応をする。
そして保健室登校をして養護教諭に話しを聞いてもらうことで受容され、居場所ができるというのもとても良いことです。
登校拒否・不登校で家出する理由わかりますか?の記事はこちらです。
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2-3.発達障害による原因やきっかけ
発達障害とは何か?
発達障害(はったつしょうがい、英: Developmental disability、DD)は、肉体的・精神的な不全をもたらす慢性的症状らの様々なグループ(障害者の分類)である。発達障害はその個人の生活において様々な困難をもたらし、特に言語、移動、学習、セルフヘルプ、自立生活などでハンディとなるとされる。発達障害は子どもの発育期に発見され、その人の一生にわたって継続する障害である。
最も一般的な発達障害には以下が挙げられる。
- 広汎性発達障害 (PDD)
- 注意欠陥・多動性障害 (ADHD)
- 学習障害 (LD)
原因については多くは不明である。複数の要素が関係し、遺伝的、胎児期の保健状態、出生時の環境、感染症、環境要因などが挙げられている。
Wikipediaより
広汎性発達障害はコミュニケーション能力や社会性能力に問題があるアスペルガー症候群や、自閉症のことです。
この場合にはクラスメイトとうまくコミュニケーションがとることができないためそれをきっかけに自信を失うため原因となり不登校になるケースが多いようです。
注意欠陥・多動性障害が原因の場合には不注意で集中力が足りない、気が散りやすい、じっとしていられないという特徴を持っているためやはりクラスメイトとトラブルになる傾向があり、不登校の原因となるようです。
学習障害は読み書き、話をする等に問題を抱えていることで学業不振から自信喪失になり、不登校の原因となることがあります。
2-4.神経症等が原因
神経症や統合失調症や不安障害などにより不登校になる。腹痛、めまい、吐き気など身体症状を伴うことを多い。
3 保健室登校を目指して
2であてはまる原因やきっかけがありましたでしょうか?
特に2での環境による原因で、親に該当するところがあれば親が対応を変えていくことで子供は少しずつ変わるはずです。
過干渉が原因と思われる場合であれば、親が指令するのでなく、子供主体に変えていきます。
最初はなかなか難しいと思いますが、意識していくことで変わっていけるはずです。
いくら子供のためだし、このほうがいいと思うことであっても、子供にとってはそれが良いと思うかどうかは子供次第です。
失敗しそうであっても見守りましょう。
若いうちに失敗をして学ぶ経験を積むことで、大人になって挫折してひきこもるということを防げます。
放任が原因のひとつと思われる場合には、子供に意識的に関わり、一緒になにかをする時間をもてるとよいですね。
子供が自分は親に愛されているという実感がもてるのが有効だと思います。
不登校の親というのは共通点があります。詳しくはこちらの記事に書いていますので、ご覧ください。
子供の心のエネルギーが満ちてきたら保健室登校や別室登校を提案してみましょう。
保健室登校も別室登校も基本的に本人の希望通り自由に登校ができます。
登下校時間についても友人に会うのを避けたければ通常の登下校時間をさけたり、午後から登校したりできます。
中学までであればほぼ間違いなく出席扱いになるはずです。
高校以上では学校により扱いが異なります。いづれにしても学校に確認してみましょう。
勉強については学校にもよりますが、基本的にはプリント学習等の自習となりますが希望する教科を補習してくれるところもあります。
勉強についても学校に相談してみましょう。
そして何より保健室登校が良いのは養護教諭が対応してくれるということです。
養護教諭は心、身体ともに知識がありますし、成績に関係ないため話しやすいと思う生徒が多いです。
養護教諭に話しを聞いてもらえることで、安心した。学校に居場所ができた。登校してもいいんだと思えたという不登校経験者の話しがあります。
保健室登校をして養護教諭と話しをして帰ってくるだけでも良いのです。
不登校経験者がのちに振り返った際に保健室登校で一番よかったことは養護教諭と話しをしたことと答える人が多いのも事実です。
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不登校・ひきこもりランキング
4.まとめ
不登校の原因やきっかけを知っておくことは子供が回復するためには必要なことです。
しかし原因を追究しすぎて、夫婦の間で、あなたが悪い、お前が悪いとなってしまうこともあります。
つきつめて考えるよりは、これから子供の心が元気になるためにできることをして、いきなり教室復帰は無理でも保健室登校から始めるなどの柔軟性が必要だと思います。
保護者がやれることについてはこちらに書いていますので参考になさってください。
こちらの記事もご覧ください。
学校に行きたくなる方法を考えてみよう~中学生・高校生の不登校~
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