小学生以下の不登校の主な原因の一つが母子分離不安であるといわれています。
しかし小学生以上、大人であっても母子分離不安がおこることがあります。
母子分離不安とはどういうもので、どのような解決法があるのかをみていきましょう。
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目次
1.母子分離不安とは
まず最初に母子分離不安とは、読んで字の如し、母親と子供が離れた状態に不安を感じることです。
母子分離不安というのは少なからず誰しも経験があります。
その多くは乳幼児期で、たいていは成長していくにつれて解決していき小学生になるとかなりその割合は減ってくると思います。
でも適切な時期に母子が密着し関係性が築けていないと、中学や高校、はたまた大人になっても母子分離不安ということもなくはありません。具体的にどんな状態かというと
1-1.主に幼少期
- 母親にまとわりついて離れない
- 母親がいないと泣きじゃくる
- 妹や弟がいる場合には母親は自分だけを見てほしいという欲求
- 母親が外出するのを嫌がりほかの人と留守番ができない
- 収まっていた夜尿が始まる
- 乱暴になる
- 赤ちゃん返り
- 幼稚園や保育園にいけなくなる
1-2.主に中学生~大人
- 母親が旅行などの長期不在を嫌がる
- 母親がいないと不安でイライラする
- 母親がいないと不安で暴力をふるう
- 母親のそばにいると安心する
- 不登校、ニート。
ではどうして母子分離不安はおこるのでしょうか?原因を理解しないことには解決法は見つかりません。
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2.母子分離不安の原因
2-1.主に幼少期
- 幼稚園、保育園、小学校などにあがり物理的に母親と離れる状態になりうる環境の変化
- 妹や弟など自分より下の家族が増えた
- 上記以外の環境の変化(母親の入院や、身近な人物の死など・・)
2-2.共通して考えられること
- 適切な時期に母子の関係性が築けていない
- 母親が過干渉で常に子供を心配する過密着の場合(共依存)
- 母親の育児放棄
- 何かの事情で子育てを母親以外がしていた
- 母親自身が自分の母親と適切な関係性が築けていない場合
- 母親自身が自分の母親から愛情を注いてもらった経験がなく子供との接し方がわかっていない
- 母親が過度な心配症
- 母親が大きなストレスを抱えている場合
母親自身が親との愛着を築けていない場合。
自分が育児と思っていたことが、ミルクを飲ませる、着替えさせる、おむつを替えるなどの単なる世話だけをしていて、抱っこしたり、頬ずりしたり、あやしたり、遊んだりということがないということもあるようです。
母親自身がしてもらった経験がないためにどうしてよいのかわかっていないというケースもあります。
では解決にむけてどのようにしたらよいのでしょうか?
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3.母子分離不安の解決法
人は誰しも最初から自分で自分の世話をすることができません。
一般的には育児を通して母親からの無条件の愛情を受け、お母さんはいなくなってもすぐに戻ってくるという経験から安心を得て、母親から離れることができるようになっていきます。
それが適切な時期に適切にできていないことから母子分離不安になってしまい、不登校や、大人になってからだとニート、出社拒否などにつながってしまいます。
ではどのような解決法があるのでしょうか?
3-1.母子の愛着関係が築けていない場合の解決法
- 子供とのスキンシップ(中学生以上であれば、背中をさする、同室で寝るなど)
- 子供に母親の無条件の愛情を感じてもらう
- カウンセリング
この場合には幼少期であれば、スキンシップがとても有効な解決法です。手をつないだり、添い寝をしたり、できるだけ子供と一緒に過ごす時間を作り、子供が自分は愛されているという実感を持たせることが重要な解決法です。
母親としては十分に愛情を注いで、触れ合っているつもりであっても子供がどう受け止めているかが大事です。
子供が「お母さんは、自分がどんな状態であっても(たとえ不登校や、悪いことをしても等)自分のことを愛してくれている。
大事に思ってくれているという母親からの無条件の愛情を感じるということが解決法としては非常に大事になります。
ときには子供と一緒に遊んだり、中学生以上であれば映画やテレビをみたり、子供が好きなことを一緒にしたり、料理をしたり、ドライブをしたり、子供の好物を作ったりと一緒に過ごして愛情を注ぐことが解決法となります。
家事で忙しい時は献立キットの配送や家事サービスを頼んでみてはどうでしょうか?その時間を子供と過ごすことができますよ。
また何も言わずそばにいて見守るということもよいかと思います。
自分自身が親から愛情を感じずに育ってしまった場合にはカウンセリングを受けてみてはどうでしょうか?
この場合には母親自身の中にインナーチャイルドがいてそこが癒されていないために子供にも愛情を注げないという方がいらっしゃいます。
カウンセラーに話しをすることで、自分と親との問題、自分と子供との問題が整理されて、解決法が見えてくることもあります。
3-2.過密着・共依存の場合の解決法
- 母親がいないと子供はなにもできないという思い込みをやめる
- 少しずつ子供に考えさせ、判断して行動をさせる
- 徐々に子供から距離をとる
- カウンセリング
この場合は愛着関係が築けていない母と子供の母子分離不安とは解決法が異なります。
この場合は一緒にいすぎる傾向にあり、母親があれこれと指示や口出しをするケースですので、解決するには3-1とは逆に少しずつ距離をとっていく必要があります。
しかしこの場合は意外と自分がこのケースだと気づいていないことがあります。
その際にはカウンセリングを受けることをお勧めします。
第三者に話しを聞いてもらうことで、問題が整理され、自分の行いを冷静に判断することができます。
そのうえでまずは今まであれこれと口出ししたり、指示していることをやめてみましょう。過干渉をやめることです。過保護と過干渉は違います。過保護は本人が望むことをやってあげることです。
過干渉は母親が子供のためを思って(子供は望んでいないとしても)先回りをして何かをしてあげることです。
よかれと思ってという免罪符を持つのはやめなしょう。
いきなりがらりと対応を変えると子供はかえって不安になりますから、少しずつ時間をかけて解決する必要があります。
中学生以上でこのタイプの場合には長年の習慣が子供にも親にもありますから、解決するのにかなり時間がかかると思っていたほうが焦らなくていいと思います。
少しずつ親離れ、子離れして、ゆくゆくは自立しないといけないのですから、気づいた時から取り組みましょう。また母親も子供も「母親がいないと何もできない」という思い込んでいることがあります。
その思い込みをやめて子供一人でもなんでもできるようにしていくことが解決につながります。
できないようになったのはお母さんがあれこれとやってしまうからです。
自分で考え判断して行動を起こさなくても快適に毎日が過ごせるため子供は考えることをやめてしまいます。
この悪習慣をあらためていくことが解決するのには肝心です。
さらにこの場合には他の家族との関係性が希薄である場合が多いです。
家族の関係性を図で表した場合に母と子供は距離が近く関係性が密である(図1)のに対して、父親との距離は離れ、関係が薄い場合が多くみうけられます。家族の関係のバランスを見直すことも必要となってきます。
常に母親と何かをするのではなく父親とも一緒にするというように少しずつ変えて、母親がいなくても不安にならないように、母親がいなくても自分でなんでもできる。
母親がいなくても不安にならないようにして解決していきましょう。
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4.まとめ
母子分離不安の解決法は、まずは自分たち親子の母子分離不安が上記のタイプのどちらにあてはまるかを知ったうえで、適切な解決法を選択していくことが必要になってきます。
気づいた時が一番早いときです。その時点までの蓄積の結果の現れですので、子供が大きければ大きいほど時間がかかることをあらかじめ覚悟し、ゆっくりと焦らずに取り組むことで解決していけるはずです。
焦って不安になってしまうとそれは必ずお子様にも伝わってしまいます。このままだとこれから先親が老いても自立できなくなって、不登校の継続、ニート、出社できないなどに繋がってしまいます。
そうさせてしまっているのは親なのです。そこを理解できれば必ず解決に至るはずだと私は思います。
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