夫婦関係の修復は7割失敗の統計があるといいますが、どこにその統計ってあるんでしょうか?
夫婦関係修復は本当に7割失敗なのでしょうか?
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目次
1.夫婦関係修復7割失敗の統計
私が調べた範囲では残念ながら確実なものは見当たらず厚労省が公表しているものに似たものがありました。それは「別居離婚件数及び離婚全体に占める割合」という厚労省発表の統計データでした。
それによると
厚生労働省HPより抜粋
つまり離婚をする年に7割の夫婦は別居をするということになるのでしょう。そうは言ってもこれだけ夫婦関係修復は7割失敗の統計という言葉があちらこちらで言われているからにはそれなりの根拠はあるのだと思います。
また上記抜粋の統計だけ拝見しても人口は増えていないにも関わらず離婚件数は増えていることがおわかり頂けると思います。
年々増えている理由として1997年に山一證券の破たんに象徴されるようにバブル景気の崩壊により、かつては豊かな生活のため無理をしても結婚生活を続けていた夫婦もどちらかが、リストラや事業失敗などにより相手の収入が不安定になることを危惧し、あてにできなくなったことから増えていると推測されます。
いままで専業主婦(夫)をしていた人もパートに出る、正社員として働くようになるなど経済的負担をすることになり、無理して結婚生活を続ける必要がないという想いに至っているようです。
また世界と比較したときに、日本の離婚率は高くも低くもないといった印象の統計データが下記です。
(統計局HPより下記抜粋)
2-18 婚姻率・離婚率 | ||||||||
(単位:1,000人当たり) | ||||||||
国(地域) | 年次 | 婚姻率 | 離婚率 | 国(地域) | 年次 | 婚姻率 | 離婚率 | |
アジア | イタリア | 13 | 3.2 | h 0.9 | ||||
日本 a | 14 | 5.1 | 1.8 | ウクライナ | 13 | 6.7 | 3.6 | |
アゼルバイジャン | 13 | 9.2 | 1.2 | エストニア | 13 | 4.3 | 2.5 | |
アルメニア | 11 | 6.0 | 1.0 | オーストリア | 13 | 4.3 | 1.9 | |
イスラエル b | 12 | 6.4 | 1.7 | オランダ | 13 | 3.8 | 2.0 | |
イラン | 13 | 10.1 | 2.0 | ギリシャ | 13 | 4.6 | f 1.2 | |
ウズベキスタン | 13 | 10.2 | 0.8 | クロアチア | 13 | 4.5 | 1.4 | |
カザフスタン | 13 | 9.9 | 3.0 | スイス | 13 | 4.9 | 2.1 | |
カタール | 13 | 1.8 | 0.7 | スウェーデン | 13 | 5.4 | 2.8 | |
韓国 | 13 | 6.4 | 2.3 | スペイン | 13 | 3.3 | 2.0 | |
キプロス c | 13 | 6.4 | 2.2 | スロバキア | 13 | 4.7 | 2.0 | |
キルギス | 13 | 9.4 | 1.6 | スロベニア | 13 | 3.0 | 1.1 | |
クウェート | 13 | 4.4 | 2.0 | セルビア | 13 | 5.1 | 1.1 | |
ジョージア | 12 | 6.8 | 1.6 | チェコ | 13 | 4.1 | 2.7 | |
シンガポール | 14 | 7.3 | 1.8 | デンマーク | 13 | 4.9 | 3.4 | |
タジキスタン | 13 | 12.0 | 1.0 | ドイツ | 13 | 4.6 | 2.1 | |
中国 | 12 | 9.6 | 1.8 | ノルウェー | 13 | 4.7 | 2.0 | |
トルコ | 13 | 7.9 | 1.6 | ハンガリー | 13 | 3.7 | 2.0 | |
モンゴル | 14 | 5.8 | 1.3 | フィンランド | 13 | 4.6 | 2.5 | |
ヨルダン d | 13 | 10.9 | 2.9 | フランス | 13 | 3.5 | 1.9 | |
北アメリカ | ブルガリア | 13 | 3.0 | 1.5 | ||||
アメリカ合衆国 | 11 | 6.8 | e 2.8 | ベラルーシ | 13 | 9.2 | 3.8 | |
キューバ | 13 | 5.5 | 2.9 | ベルギー | *12 | 3.6 | 2.5 | |
グアテマラ | 12 | 5.6 | 0.3 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | 14 | 4.8 | 0.4 | |
コスタリカ | *14 | 5.4 | 2.3 | ポーランド | 13 | 4.7 | 1.7 | |
ジャマイカ | 12 | 7.5 | 0.9 | ポルトガル | 13 | 3.1 | 2.2 | |
ドミニカ共和国 | 13 | 4.6 | 1.9 | マケドニア | 13 | 6.8 | 1.0 | |
パナマ | 13 | 3.4 | 1.1 | マルタ | 13 | 6.1 | 0.8 | |
バハマ | 12 | 5.4 | f 1.2 | モルドバ | 13 | 6.9 | h 3.0 | |
メキシコ | 13 | 4.9 | 0.9 | モンテネグロ | 13 | 6.2 | 0.8 | |
南アメリカ | ラトビア | 13 | 5.7 | 3.5 | ||||
アルゼンチン | 13 | 2.9 | … | リトアニア | 13 | 6.9 | 3.4 | |
ウルグアイ | 12 | 2.8 | … | ルーマニア | 13 | 5.4 | 1.4 | |
ガイアナ | 13 | 6.2 | … | ルクセンブルク | 13 | 3.2 | 2.1 | |
チリ | 12 | 3.7 | f 0.1 | ロシア | 12 | 8.5 | 4.5 | |
ベネズエラ | 13 | 3.3 | … | アフリカ | ||||
ペルー | 13 | 2.9 | 0.5 | エジプト | 13 | 10.7 | 1.9 | |
ヨーロッパ | モーリシャス | 14 | 7.9 | 1.8 | ||||
アイルランド | 12 | 4.5 | g 0.6 | オセアニア | ||||
アルバニア | 13 | 8.2 | 1.3 | オーストラリア | 13 | 5.1 | 2.1 | |
イギリス | 11 | 4.5 | h 2.0 | ニュージーランド | 13 | 4.3 | 1.9 | |
a 国内の日本人のみ。厚生労働省「平成26年 人口動態調査」による。 b 東エルサレム及び1967年6月以降の占領地の自国民を含む。 c 政府管理地域のみ。 d 1967年6月以降イスラエル軍によって占領されているヨルダン領を除く。登録されたパレスチナ難民を含む外国人を除く。 e 一部地域を除く。 f 2010年。 g 2014年。 h 2012年。 |
それでは統計はここまでとして、夫婦関係修復をめざすためにすべきこと、してはいけないこととはどのようなことがあると思いますか?
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2.統計上多い離婚理由から夫婦関係修復を考える
7割失敗の統計があるとしても3割は夫婦関係を修復できているわけですから、あきらめることはありません。やるだけのことをやってから離婚したり、別居という選択をすればよいのです。
司法統計として離婚理由で一番多いのは「性格の不一致」そして他の理由で多いのはドメスティックバイオレンス(精神的DV含む)や浮気その他男性に多いのが家族との折り合いが悪いというものがあるようです。下記は2014年の司法統計からの抜粋です。左が男性の理由、右は女性です。
1位 | 性格が合わない | 性格が合わない |
---|---|---|
2位 | 異性関係 | 暴力を振るう |
3位 | 精神的に虐待する | 生活費を渡さない |
4位 | 家族・親族と折り合いが悪い | 精神的に虐待する |
5位 | 性的不調和 | 異性関係 |
そこから考えていくと
2-1.性格の不一致を回避するには
不一致ということはお互いの価値観等が違う、気が合わないということなどが考えられます。そうはいっても一度は結婚を決めた相手ですから、良い面があってそこにひかれたはずです。
夫婦になる前の気持ちを思い返しながら、思いやりをもって、相手に気づかうことが大切です。そして男性はできるだけ気持ちを言葉に表し、感謝の言葉や「おいしい」「楽しい」など相手に伝わるような発言があると良いですね。
夫婦だからと言って何も言わなくても全てわかるなんてことは現実にはなかなかないものです。
そして女性は男性を「たてる」「たよる」「ほめる」というのも男性は嬉しいようです。そこを意識した対応をするとよいかもしれません。
また性格の不一致が原因になりうるからといって無理に相手に合わせたり、自分の意見をいえなくなるのはその場はうまくいっても後で、我慢がたまって爆発しかねません。
本気でぶつかるというのも夫婦関係修復には必要なことです。また結婚まえの気持ちを思い起こすために旅行にいってみても良いですね。仕事や家事から離れてゆっくりと時間を過ごすことも夫婦関係修復する良い機会になります。
2-2.異性関係
男性の理由の2位、女性の理由の5位の理由です。この異性関係というのが浮気であるなら、それも繰り返ししているのであれば、夫婦関係の修復というのは困難だと思います。
反省したり、悪いと思わないため繰り返しているのですから病気と思ってあきらめるしかないでしょう。もし次こそ止めると言われても、次おきたときに許せるかどうかはあなた次第です。
2-3.暴力・精神的暴力(DVやモラルハラスメント)
前述の理由の中の、暴力をふるう、精神的暴力、生活費をわたさない。これらは全て共通しています。自分の思い通りにならなければ精神的であれ暴力をふるうということです。
この場合には夫婦関係の修復は難しいと思います。なぜなら、たいていの場合この暴力をふるう夫婦どちらかの方の育った環境がきっと同じような境遇のはずです。
幼いときからそのような環境で育っているので暴力のない家庭というのがわからないんだと思います。それが当たり前で育ってきているわけですからその概念を覆すのは相当の気力体力が必要です。そして変わるかどうかはわかりません。
もし子供がいる場合には必ず影響を受けて育ちます。そして子供もまた自然とDV体質になっていってしまう可能性が高いのです。
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3.夫婦関係修復を目指して
既に2-1で書いたことと重複することもありますが、夫婦関係修復をめざしてできることをお伝えしたいと思います。
3-1.感謝の気持ちを持ち、言葉で表す
結婚して夫婦として長年過ごしていると、存在自体が当たり前の日常になるため、結婚前に一緒にいるだけで幸せだった夫婦も空気のような存在となり、いつもそばにいることに感謝できずにいると思います。
例えば仕事や家事、育児、混雑の満員電車や日ごろの人間関係のストレスなど・・疲れること、いやになってしまうときなどは夫婦それぞれにあると思います。
それを乗り越えられるのはなぜか?お互いのサポートや、そばにいてくれる安心感からではないでしょうか?
例えば専業主婦の奥様とご主人様。俺が稼いだ金で食わしてやって生活ができているんだ!誰のおかげで生活しているんだ!なんて横暴なことを思ったり口に出して言っていませんか?気
付いていないかもしれませんがそれはモラルハラスメントです。
あなたが稼いでいるのかもしれませんが、それは奥様が家を守ってくれているから子供の健康状態やその他家のことを気にすることなく会社に行って仕事ができているんですよね?
また奥様がパートの場合。フルタイムでなくパートで生活をできているのは、ご主人が一定の収入を得られているから。
専業主婦(主夫)の場合はどちらか夫婦一方が安定した収入があり、働かなくても生活できているから専業主婦(主夫)でいられるのです。
夫婦お互いがそれぞれを認め、感謝の気持ちをもっていたら(これから持てば)夫婦関係修復ができるはずです。
家事や育児をして当たり前、お金を稼いで当然と思うのではなく、お互いがいるからそれぞれの役割をすることにより生活が成り立っていることをあらためて感じ感謝をすることで夫婦関係を修復することができます。
また夫婦なんだから言わなくてもわかるだろうという思い込みはやめた方がよいです。結婚するまでの間、異なる環境下で育ってきているわけですから、あなたの当たり前は相手の当たり前ではありません。
どう思っているか、こういうのが好きで、こういうのがいやだと言葉に出して伝えコミュニケーションを取ることは大切です。
3-2.思いやり
夫婦になる前はお互いを思いやり気遣いしあっていたのではないでしょうか?結婚して夫婦になると、思いやることも忘れて甘えてしまうことがあります。
例えば食事に関して「まだできていないの?」「これ飽きた・・」もしくは、食事を作ってもらっても「ごちそうさま」「おいしかったよ」などと言わずに無言で食事したりしていませんか?
毎日献立を考えて食事を準備するのは大変なことです。
その他にもきっと色々とあるはずです。新婚当初ならきっと思いやりをもって心遣いができていたのではないでしょうか?
お互いが生活しやすいように、気持ちよく過ごすためにも思いやりの心を忘れずに夫婦関係修復をめざしましょう。
ただしあまり気を遣ってばかりで自分に言いたいことを言えないというのは片方ばかりが我慢するという結果になってしまうので、言い方等も考えて自分の考えや思いは話したほうが良いですね。
3-3.ほどよい距離感
夫婦お互いが干渉をしすぎても、何も干渉せず、まるでいないよいかのように全て行動は別。というのも良い夫婦関係を築けなくなります。何事も夫婦一緒にというのも疲れてしまい一人の時間も必要ですし、夫婦なのに、何事も別にするというのもなんで結婚して夫婦になった意味がわからない・・と思ってしまいますよね。
お互いが心地の良い距離感を保つというのも夫婦関係修復には必要ですね。よく夫婦は寝室が一緒がいいと言ったりしますが、個人的にはそうは思いません。夫婦それぞれ別の寝室があることで、それぞれの時間がもててリラックスできればそれでよいですし、一緒に寝たいときは一緒に寝ればよいと思います。人それぞれ価値観は違うので、メディアの情報に流されることなく、ご夫婦にあったお互い快適な過ごし方をするのが良いと思います。
3-4.それぞれが常にストレスを解消しておくこと
夫婦間でのストレス以外のストレスを相手にぶつけないように、常にストレスを発散する術をみつけておくことが大切です
夫婦だからといって、なんでもストレスを相手に感情まかせにぶつけていては、最初は我慢して話を聞いてくれていても、長くは続きません。
感情のコントロールをするというのも大切です。
3-5.頼まれごとをされたときの対応
何かを頼まれたけれど、できない場合ってありますよね?そんなときに「できない」と一言で終わるのでなく、「これはできないけど、こうならできるけど、どうかな?」とできることを提案するのはいかがですか?
たまたまみていたテレビで夫婦でも何か頼まれて「できない」と言われるとがっかりしたり、腹がたったりするけれど、提案があると嬉しいという発言を聞いてこれはいいなと思いました。
夫婦それぞれができる範囲で協力し助けあう。これこそ夫婦関係修復の基本ではないでしょうか?
3-6.それでもだめなら一度別居にふみきる
やれるだけのことはやったけれど、なかなか夫婦関係修復まで至らない・・けれど離婚は決断できないということであれば、別居をおすすめします。
別居というと離婚するというイメージを持つ方が多いとは思いますが、別居をすることで夫婦関係修復に至りまた一緒に暮らし始めたご夫婦もいます。離婚する覚悟なら一度別居してみて夫婦の良さを感じられるか試してみるのも良いと思います。
4.まとめ
夫婦関係修復するのに7割失敗の統計というものに左右されずに本当に夫婦関係を修復したいのであれば、問題点を明らかにしそれを改善するためにそれぞれが努力して乗り越えられるかどうかです。
すぐに離婚に向かうのでなく夫婦関係修復のためできることをしてみてそれでもだめなら離婚に踏み切る。でも理由によって夫婦関係修復をするよりもすぐに離婚をしたほうが良い場合もあります。あなたの人生です。後悔のない選択をしたいですね。
こちらの記事もごらんください。
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