学習障害や自閉症がある際に保健室登校は向いているのか?

学習障害とは発達障害の一つです。発達障害や自閉症は不登校の原因の一つにもなります。発達障害で不登校になっている場合、怠けていると誤解されたり、軽度であれば周囲が気づかないこともあり不登校になってから気づくということも多くあるようです。発達障害とは、そして学習障害、自閉症とはどういうものなのでしょうか?また学習障害や自閉症の場合には保健室登校は向いているのでしょうか?

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1.発達障害について

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発達障害(はったつしょうがい、英: Developmental disability、DD)は、肉体的・精神的な不全をもたらす慢性的症状らの様々なグループ(障害者の分類)である。発達障害はその個人の生活において様々な困難をもたらし、特に言語、移動、学習、セルフヘルプ、自立生活などでハンディとなるとされる。発達障害は子どもの発育期に発見され、その人の一生にわたって継続する障害である。

最も一般的な発達障害には以下が挙げられる。

  • 広汎性発達障害 (PDD)
  • 注意欠陥・多動性障害 (ADHD)
  • 学習障害 (LD)

原因については多くは不明である。複数の要素が関係し、遺伝的、胎児期の保健状態、出生時の環境、感染症、環境要因などが挙げられている。

Wikipediaより

2.学習障害とは

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学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。

文部科学省HPより抜粋



 3.学習障害の種類

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3-1.読字障害

  • 似た文字の区別がつかない
  • 内容がわからない
  • 文字や行を飛ばして読んでしまう
  • 読むのがとても遅い

3-2.書字障害

  • 作文が作れない(文章を長くかけない)
  • 書き写すことができない

3-3.算数障害

  • 数の大きい、小さいがわからない
  • 簡単な計算であっても暗算できない
  • 計算にとても時間がかかる

4.学習障害の治療

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学習障害は脳の中枢神経の異常が原因と考えられていますが、はっきりとした原因は解明されていません。先天性の遺伝要因と環境要因が相互に作用しておこるものと考えられています。

医学的に解明されていないため確立した治療はないそうですが、「療育」によって軽減されることがあるようです。療育とは社会的に自立することを目的として行う教育(保育)と医療のことです。

学習障害の場合には家族が理解し支援を行うこと。周囲が認めることと個人のペースに合わせた学習を繰り返し行うことによって改善されることがあるようです。焦らずにゆっくりとその子のペース、その子にあったやり方でということが重要です。

5.自閉症とは

自閉症(じへいしょう、Autism)は、社会性の障害や他者とのコミュニケーション能力に障害・困難が生じたり、こだわりが強くなる神経発生的障害の一種。先天性の脳機能障害とされるが、脳機能上の異常から認知障害の発症へといたる具体的なメカニズムについては未解明の部分が多い。時に、早期幼児自閉症、小児自閉症、あるいはカナー自閉症と呼ばれる。

一般的には、広汎性発達障害における自閉症スペクトラムのうち、いわゆる従来型自閉症や古典的自閉症と呼ばれるもの(あるいはスペクトラムピラミッドの頂点に近いところに位置している状態, たとえばアスペルガー症候群が除外される)を、単に「自閉症」と称することが多い。

 

Wikipediaより

 

症状としては

言語の発達の遅れ、対人面での感情的な交流の困難さ、あるいは全くの無関心、反復的な行動を繰り返す、行動様式や興味の対象が極端に狭い、常同的に奇声を発する、手をひらひら動かす、極度の自己中心的思考になる、物を列や幾何学的に整然と配置する、被害妄想を持つ、ストレスによる他害行為などの様々な特徴がある。

なお、自閉症の症状は人によってかなり異なり、以上の特徴が当てはまらない場合もある。

長期に渡り社会的相互作用に障害を抱えている社会的コミュニケーションの不可能状態が続いている

Wikipediaより

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6.学習障害・自閉症の場合の保健室登校

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学習障害の場合は勉強ができないというレッテルをはられてしまっているため、勉強を嫌いになっており、自信を失っています。そのためマイペースに勉強できる環境が必要です。勉強についてはわからないから嫌いになっているので、その子のペースでゆっくりと取組み、わかるようになってくれば勉強を好きになります。できたという達成感の積み重ねで自信を取り戻してきます。これは学習障害でなくても同じことがいえますよね。

また自閉症の場合には他の子供と比べると心の発達がおそく幼いため自我の成長が遅く、自我が発達すると自分の心の状態に合わせた要求をすることになります。そのため集団行動よりは保健室登校のように自由がきき養護教諭が対応してくれる登校の仕方をするのは一案だと思います。

自閉症の場合にはクラス替えや担任の変更など新しい環境になるときに不安が増す傾向があります。保健室登校を続けることは養護教諭がクラスが変わっても変わらなければ保健室が学校内の安心基地となることができます。

そのため学習障害や自閉症の子供にとっては個人のペースで取り組める保健室登校は最適な登校の仕方と言えます。まず保健室登校は養護教諭が主に担当をしてくれます。養護教諭の役割とは

児童・生徒が保健室登校から教室に復帰するにあたって、保健室の先生、すなわち養護教諭の果たす援助は大きな効果がある。その場合、当該児童・生徒本人、児童・生徒の保護者、教職員に対して、カウンセリング技法を導入して援助することになる。養護教諭は医師のように時間に縛られず、無制限に児童・生徒の状況等に応じて援助でき、それは最大の利点といえる。有村による保健室登校経験者への調査では、養護教諭に対して「居場所を作ってくれた」・「いつも笑顔があった」などと好意的な意見が寄せられ、「してほしかったこと」は教師・保護者・周囲の人に対する要望に比べて少なかった。一匹狼となった生徒に巧みに近づいてその言動を監視するのも重要な役割である。

Wikipediaより

実例として家に居場所のない生徒が養護教諭と交換日記等でコミュニケーションを図り、少しずつ信頼関係が生まれ、自分を受容してくれる人がいる、学校に居場所があると思うようになり、安心して保健室登校できるようになったというケースがいくつもあります。

不登校の場合には不登校そのものがなかなか理解されず、怠けていると誤解を受けることも多々あります。そのうえ学習障害や自閉症があるとさらに理解してもらえず、受容もしてもらえないことで自己肯定感が低くなっています。まずは親が受容することが大切ですが、養護教諭にも受容してもらえることで自信を取り戻すことができます。

学習面においては本人のペースに合わせて個別指導をすることで少しずつできるようになり、達成感を得るようになり、自信がついていきます。

たとえば事前の勉強の準備をご家庭で親御様も手伝っておき、学校でわかるまで繰り返し補習を受けるというように本人の特性に合わせた指導をうけられるようご家庭と学校とで情報を共有し協力していくと良いようです。学校に希望を伝えて対応を一緒に考えて貰いましょう。

8.親ができること

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  • 本人の気持ちに耳を傾ける(傾聴)
  • 受容する
  • 本人ができることはどんどんさせて得意なことを作る
  • 簡単なお手伝いなどをさせて、できたことを褒める・評価する
  • 勉強ができないことを認め「どうしてできないのか?」という発言は避ける
  • 他の人と比べない
  • 聞くことが苦手なタイプの場合には図にかいたり、文字に表して伝えるなど工夫をする
  • 字を書くことが苦手の場合にはマス目のあるノートを使う

その子のタイプに併せて苦手なことがわかりやすく取り組めるような工夫をすることと、自信を持たせるために達成感を得られる取組が大切だと思います。また親御様も本人同様に子供の学習障害によって悩み辛くどうしていいかわからないこともあると思います。そんな時には発達障害を支援する専門機関の助けを借りたり、カウンセリングを受けたりして少しでも負担を軽くできるようにしましょう。

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9.まとめ

学習障害も自閉症の場合にもその子の特性を理解し、受容することが大切です。その上で学校と情報を共有し、その子にあった取組み、支援をしていく必要があります。保健室登校も無理に親御様主導で進めるのではなく、本人の意思と要望を確認した上でするのが良いと思います。保健室登校ができない場合には家以外の居場所を探してみると良いでしょう。フリースペースやフリースクールなどに通ってから保健室登校をするというのも良いと思います。自閉症の場合には適応教室などを利用するのもよいと思います。勉強に関しても学習障害や自閉症に理解のある塾もあるので勉強をして自信をつけてから保健室登校をしてもよいでしょう。繰り返しになりますが、いづれにしても居場所や勉強場所を決めるのは本人主体で行うというのが大切です。

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