小学生の母子分離不安~2つの原因とは~

小学校になると勉強も始まり出して不登校になると、勉強の遅れなども生じて親は心配になりますね。

不登校において考えられる要因の1つに「母子分離不安」があると考えられています(特に小学生に多い)。

母子分離不安とは文字通り、お母さんから子供が離れることに不安を感じる状態です。

そもそもは赤ちゃんが離乳の際に母親との距離を感じるときの不安が母子分離不安です。

ではその「母子分離不安」の状態とはどのようなことを示すのでしょうか?

下記に具体的な状態を挙げていきます。

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1.母子分離不安とは(小学生以下に多い)

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  • 母親と離れることができない
  • 母親と離れていると落ち着かない(母親がいると安心して落ちつく)
  • 頭痛、吐き気、腹痛、夜尿といった身体的症状があらわれる
  • 赤ちゃん返り
  • 母親の関心をひこうとする、困らせる
  • 母親を独占したがる
  • 今まで一人でできていたことができなくなる
  • 乱暴になる

小学生の不登校や、幼稚園に登園できないなどの母子分離不安は幼い時期によく見られる傾向です。

人見知りも一種の母子分離不安だと思います。

小学生になると環境ががらりと変わることで母子分離不安になりやすいともいえます。

たいていは年齢と共に心が成長することで解消されていき小学生くらいではだんだんなくなってきますが、中には大人になってもその不安(母子分離不安)を抱えて悩んでいる方もいて相談を受けることもあります。

うちの息子も幼稚園に通い始めたころ通園バスに乗るのを嫌がって行きたくないと大泣きして、ダダをこね、仕方なく車で送り届けたり、トイレに入るときでさえ、ドアの前でずっと待っていたという思い出があります。

そのときは母子分離不安という言葉を知りませんでしたが、これも母子分離不安ですね。

ある程度の母子分離不安はどの子供にも起こりうることです。では母子分離不安の原因はそもそも何なのでしょうか?



2.母子分離不安の原因(特に小学生以下に多い)

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2-1.母親と過ごす時間の減少による母子分離不安

生まれてからほぼ毎日24時間、常に子ともと密着して一緒に過ごしてきて、初めて保育園、幼稚園、小学校など物理的に親子が離れ離れに過ごす時間が多くなったことが原因となる母子分離不安。

今まで頼りにしていた母親と初めて離れることになるわけですから、子供としては不安になるのも仕方ないですね。

特に小学生になると今までお母さんとずっと一緒で、幼稚園までは行きも帰りも一緒だったというケースが多いと思います。

しかし小学生になると一人で登下校をするようになります。

なかには習い事も一人で行くようになる小学生もいるでしょう。

そして何より小学生の大きな変化の一つが勉強です。

いろいろなプレッシャーやストレスもあり小学生で母子分離不安になるのも自然なことです。

弟、妹、などが誕生した場合にはそれが原因でこれまでよりもその子供に時間が割かれ、自分と母親と過ごす時間が少なくなります。それによって母子分離不安は起こります。

特に下の子供が生まれたてのころはその子供に母親はかかりきりになりますから、上の子供にとってはこれまで独占していた母親が独占できなくなるわけです。

小学生ともなると、ひときわお兄ちゃん、お姉ちゃん扱いをされ、母親は下の子供に時間をさくことが多くなることもあります。するとよりいっそう母子分離不安が強くなるということもあります。

よく兄弟姉妹ができたときには、上の子供を優先にといいますよね。まさしくこのような心理状態から言われていることです。

小学生であればその子が小学校に登校している間は下の子に関することはできるだけして、上の小学生が帰宅した際には十分に甘えさせてあげるといいと思います。

なんといっても赤ちゃんはその生命が母親に宿り、十月十日この世に生まれてくるまでずうっとお母さんのお腹の中にいたのですから、母親と離れて不安になるのも理解できますよね。

敏感すぎる場合はHSPかもしれません。HSPについてはこちらをご覧ください。

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2-2.母親に甘えたい時期に甘え、依存できなかったことによる母子分離不安

何らかの理由や事情により、本来親子で過ごし愛情を注ぐべき時間が十分にとれなかったことが原因と考えられる母子分離不安。

実質的な子育てを母親以外の人(祖母や、ベビーシッター等)が主に担った場合。

共働きや、母子家庭に多くみられる原因であり傾向かと思います。

幼少期の母親不在は人格形成や情緒不安定と関係があるのか?

母親が子育てをしている場合でも子供が愛情を感じられずに育った場合にも母子分離不安の原因となります。

親としては愛情を注いでいるつもりであってもすべては受け手側の子供のとらえ方によるわけです。

お子様に愛情を感じられないお母さまが子育てをしている場合やネグレクト、お母さまに気持ちや時間的余裕のない場合も母子分離不安の原因となり得ます。

一緒に過ごすことができなかったいr、一緒に過ごす時間が十分に取れないことで本来感じるはずの愛情を受けた実感がなく、十分に甘えられることできなかったなどが母子分離不安の原因になる可能性があります。

ではどのようにしていけばこの母子分離不安を解消させてあげることができるのでしょうか?

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3.母子分離不安の対処法

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十分に甘えさせてあげる

甘えていいんだと思える→お母さんは私のことを受け入れてくれていると感じる(承認欲欲求が満たされる)

→お母さんは私のこと好きなんだという実感につながる。

もう小学生だし、甘やかし過ぎて子供が自立できなくなるのでは?わがままになるのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは逆です。

しっかり然るべき時期に愛情をたっぷりと受けたお子様ほど、自立が早く、自信が持てる子供に育ち、母子が分離した状態でも不安なく過ごせるようになります

小学生はまだまだお母さんに甘えたい年頃です。

小学生になって母親と離れる時間が増え不安なのです。

お子様の求めに応じて甘えさせてあげましょう。

十分なスキンシップ・・抱きしめてあげる。手をさする、頭をなでる等肌に触れる

特に小学生以下の場合はたくさんしてあげてください。

母子分離不安に限らずスキンシップは愛情を受けていると子供が感じられ、その後の自己肯定感にかかわってきます。

小学生以上のお子様でも時には頭をなでるくらいできますよね?

実は高校生の息子にも私はまだ時々しています。

これ以上大きくなると難しくなるかもしれないので、気づいた時からでも遅くはありません。ぜひ実行に移してみてください。

子供がかまってほしい時に十分に応じてあげる

忙しくてもときには今やっている作業を中断して、応じてあげることで愛情を感じることができる。

家事や育児で忙しくて余裕がないこともあると思いますが、そんな時は手抜きしてもよいのではないでしょうか?

子供がかまってほしくてまとわりついても邪険にしたり、叱責したりしない

子供って忙しい時に限ってまとわりついてきますよね。そんな時に「お母さんは忙しいの!」「あとで」なんて怒った口調で言ってませんか? 私は言ってしまってました・・反省です。今からでも意識してみましょう。

ときには家事を代行サービスや献立をセットにして届けてくれるサービスを頼んでお子様との時間や、自分の時間を確保することも良いと思います。



「お母さんはあなたが大好きだよ」ということを伝える

言葉でストレートじゃなくても、それがわかるような言動をするとよいです。

前述スキンシップを行うことでもそれが伝わると思います。

こどもが話をしたいときに耳を傾ける(傾聴)

親はつい自分の都合で、「小学校や幼稚園どうだった?」「楽しかった?」「お弁当おいしかった?」と聞いてしまいますが、忙しいときに話しをされると「あとでね」と言ってしまいがちです。

子供が話出したときに質問攻めにするのではなく、じっくりと子供が話をしたいことを聞いてあげましょう。

小学生であれば親と離れている時間も長くなり、そこで不安を感じているわけですから、学校で出来事など、相槌を打ちながら、話を引き出すように聴いてあげるのが良いと思います。

母子分離不安が原因と考えられる不登校の場合には無理に学校へ連れていくのでなく、まずは上記を実践してみてください。

登校拒否・不登校は無理やり学校に行かせるべきなのか?の記事はこちら

そして母親と一緒に校門まで行ってみたり、小学生の低学年であれば、学校と相談の上お母さまが一緒にクラスにいさせてもらうというのも母子分離不安の不登校には良いですね。

お母さまが廊下から見守ること等から始めてもよいかと思います。

ただお母さんがクラスにいることで恥ずかしいという気持ちがお子様にあるようでしたら、不登校や母子分離不安の問題解決のためには逆効果になりかねないので、そこはお子様の気持ちを汲み取ってあげてくださいね。

さて、実践です。

例えば習い事や(小学校)幼稚園に子供を連れて行って、お教室につきました。

さあここからは一人で・・・という際に子供が「ママともう少し一緒にいたい」と言ったらあなたはどうしますか? ご自分が何かしなければならないことがあったらどうしますか?

A. 「ママは用事があるから」と言って、預けて去る

B.  「じゃあもう少し一緒にいようね。」といって抱きしめたり、手を握る

C. 「あとでね」といいその場を去る

どれが正解かもうおわかりですよね。

ぜひBを選んでください。 何かと忙しいお母さんはつい1をやりがちだと思います。私も実際してました。

でもほんの少しでも子供の気持ちを受け止め、願いをかなえてあげることの積み重ねが重要だと今は思っています。


4.まとめ

子供が小さい時には一日になんども呼ばれる「まま」という言葉。

時には私だって息抜きがしたい。

家事や仕事をこなさなくてはいけないのに、忙しくてうっとうしいと思うことも正直あると思います。

でもその「ママ」と何度も呼ばれ必要とされる時期はほんの数年です。私のことを追い回していた息子もいまや、「ただいま」と帰ってきたら「帰ってこなくていいのに」なんて憎まれ口をたたきます。後で冗談だよと言ってましたが・・

いやでも成長し、だんだんと親から離れていきます。

時間はとり戻せません。今あなたを必要とされているときに、その求めに応じてあげることが大切だと思います。お母さんからの愛情、お母さんと一緒にいることの安心感が根底にあれば子供は自信をつけて巣立っていけるのです。

思春期になれば、こちらがかかわりたくても子供のほうが親を遠ざけます。こうして子供は成長していくのです。

早い子どもだと小学生高学年になれば思春期に入ります。あと少しです。小学生はまだまだ甘えたい年頃です。たくさん甘えさせてあげましょう。

不登校の相談には具体的アドバイスをさせていただきますので、カウンセリングのお申込みはお問い合わせフォームからどうぞ。

こちらの記事もご覧ください

不登校の対応 ~小学生低学年の場合~

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