緊張からの朝の吐き気。緊張をなくすには?

緊張しすぎて、朝などに精神的ストレスなどから吐き気がしたりすることありますよね?どうして緊張すると精神的吐き気やその他症状を引き起こすのか?

また緊張を緩和するための方法とはどのようなものが効果があるのでしょうか?

1.緊張からくる吐き気の原因

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精神的、心理的ストレスからの精神的刺激が脳の中枢神経を刺激して吐き気がおこると考えられています。

社会不安障害の可能性もあります。では社会不安障害とはどいうものでしょうか?

2.社会不安障害(対人恐怖症)

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社会不安障害とは以前は対人恐怖症と言われていました。人前で人から注目される場面において話しをしたり、字を書いたり、食事をする際に自分が恥ずかしい思いをするのではないかという精神的不安と恐怖が過剰におき身体症状を引き起こすものです。

これが理由で、会社に行けない、不登校、ひきこもりなどの方もたくさんいらっしゃいます。

ICD10という国際疾病分類にもとづく診断基準を下記引用します。

A.他人の注視をあびるかもしれない社会的状況に対しての顕著な恐怖もしくは不安。例えば、社会的交流(例:会話をする、知らない人に会う)、注視される(例:食事をする,飲み物を摂る)、他人の前で行為をする(例:スピーチをする)。

B.その人は、自分が否定的な評価(例:恥をかかされる、恥ずかしい思いをする、拒絶されることにつながる、他人の気分を害する)を受けるような行動を取ったり、不安症状を呈することを恐れる。
C.この社交的状況はほとんど常に恐怖もしくは不安を誘発する。注:子どもの場合は、社会的状況で泣く、かんしゃくを起こす、立ちすくむ、まとわりつく、遠ざかる、うまく話せないという形で,恐怖または不安が表現されることがある。
D.この社会的状況は回避されるか、そうでなければ、強い恐怖または不安を感じながら耐え忍ばれる。
E.この恐怖もしくは不安は、その社会的状況における実際の脅威に相応しないし、社会文化的兼ね合いからもつり合いを欠いている。
F.この恐怖もしくは不安は通常6カ月以上持続する。
G.この恐怖、不安、もしくは回避は、臨床上著しい苦痛を引き起こすか、もしくは、社会的、職業的、または他の重要な活動領域における機能を損じている。
H.その恐怖、不安、もしくは回避は、物質使用(例:薬物乱用、服薬)または他の医学的状況の生理学的効果によるものではない。
I.その恐怖、不安、もしくは回避は、他の精神障害、例えば、パニック症、自閉症スペクトラム、醜形恐怖症、の症状により説明することはできない。
J.他の医学的状況(例:パーキンソン病、肥満、火傷や外傷により容姿が損なわれている状態)が存在している場合、この恐怖、不安、もしくは回避は、明らかにそれらとは関連がないか過剰である。

表1.DSM-5 300.23 社交不安症(社交恐怖)(ICD-10 F40.10)より

 

3.社会不安障害(対人恐怖症)の症状

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  • 対人緊張 : 人の存在を過剰に意識し緊張をし苦痛を感じる。一番多い症状
  • 赤面恐怖 : 人前で赤面してしまうため注目されることを過剰に意識し、その場を避ける
  • 視線恐怖 : 人が自分に注目している、悪口を言われている気がすると人の視線を過剰にきにしてしまう
  • 発汗恐怖 : 人前に出ると緊張から大量の汗をかいてしまうためハンカチやタオルが手放せない
  • 書痙 : 人前で字を書こうとすると不安と緊張から手が震えてしまう

苦しいのに助けてと言えない

4.社会不安障害(対人恐怖症)の治療

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4-1.投薬治療

  1. SSRI : 緊張する場面で不安や恐怖を取り除き前向きにする作用がある (副作用 : 頭痛、吐き気、眠気)
  2. 抗不安薬 : 不安の感じ方を少なくしたり、感じなくする効果がある(副作用: ふらつき、眠気、脱力感)
  3. β遮断薬 : 降圧薬。緊張に関する身体症状を抑制する。(副作用 : 血圧が下がる。ぜんそくの人は使用不可)

 

4-2.認知行動療法

不安や恐怖にとらわれている認知=ものの考え方(自動思考)を修正して行動変容を促す心理療法。

状態にもよりますが、認知行動療法は1度では効果が期待できず通常15~20回程度受けることで効果が期待できます。

下記は厚生労働省が発行している認知行動療法についての進め方の文書を引用したものです。

1. まずあなたのストレスに気付いて、問題を整理してみましょう 。 問題領域リストの例 ・心理・精神症状の問題 ・対人関係の問題 ・職業上・学業上の問題 ・健康の問題 ・経済的な問題 ・余暇・娯楽の問題 ・その他

2. その問題がどのような状況で起き、その結果どのような感情を引きおこしている のか調べてみましょう。

3. あなたの考え方(自動思考)があなたの感情や行動にどのように影響しているの か調べましょう。

4. あなたの自動思考の特徴的なくせに気付きましょう。

5. 自動思考の内容と現実とのズレに注目して、自由な視点で現実にそった柔らか いものの見方に変える練習をします。

6. 考え方が変わってきたら問題を解決する方法や人間関係を改善する方法も練習 してみましょう。

厚生労働省HPより

 

5.緊張を緩和する方法

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緊張を絶対しない方法というのはまずもってないと思います。しかし緩和する方法ならあります。適度な緊張であれば交感神経が活発化し集中力が高まり神経がとぎすまされます。

5-1.イメージトレーニング

プレゼンなど人前で発表する場合には成功する自分をイメージする。良い方向に行くとイメージすることで緊張がほぐれます。

また練習をしたり、念入りに準備をする。そして何より経験を積むことで精神的にも緊張しなくなっていきます。

5-2.緊張は正常な反応である

緊張は誰でもするものであって、精神的、生理的な正常な反応ですから、そのことを念頭においておく、また緊張を受け入れることも大切ですね。

5-3.深呼吸

定番ですが深呼吸をなんどかゆっくりと行うことで自律神経のバランスが整い緊張がほぐれていきます。

5-4.緊張を和らげるツボ

神門 :不安感が強い時に有効。 イライラした気分を鎮めてくれる効果あり (手首小指側のくぼんだところ)

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画像出典:沢井製薬HP

合谷 : 自律神経を調整する。気持ちを安定させてくれる。(手の甲にある親指と人差し指の間骨の分かれ目)

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画像出典:沢井製薬HP

5-5.自律神経を整える

副交感神経が優位になれば精神的にも緊張が緩和されます。そのためにはリラックスした状態を作ることが必要です。

好きなことをする

これは趣味がある方は趣味の時間を意識して確保すると良いですね。忙しいとつい趣味の時間は後回しになりがちですが、ストレスの対処法には精神的にも好きなことをするのが一番ですから、趣味の時間をぜひ確保してストレスを軽減しましょう。

歌うの好きなかたはお風呂で歌ったり、一人カラオケなんていうのもいいですね。

適度運動やストレッチ

運動は疲労を回復するのに必要な睡眠や栄養と並んで大切な要素の一つです。運動しよう、しなくちゃと思うとそれも精神的にもストレスになってしまいますよね?まずは無理なく続けられるのが理想です。そのためにはジムに通うとか何かを習わないと・・というのでなく手軽に取り入れられるのが良いと思います。

普段エスカレーターを使っているなら、階段を使う。一駅手前で降りて目的地まで歩く。車での買い物を自転車に変更する。これくらいなら取り入れやすいですよね?

朝晩ストレッチをするのもいいですね。た。ストレッチは必ず一か所あたり30秒以上行うのが良いとそうです。30秒以下だとすぐに元の状態に体が戻ろうとしてしまうそうです。せっかくやるなら効果がないと意味ないですから、ぜひ30秒以上やってみてください。

精神的にもストレスになっては意味がないので、自分が気軽に取り入れられるものを対処法として持っておくとよいですね。

時間の使い方を変える

忙しい方もときには残業をしない日を作る。家事や育児においては、たまには家事を代行サービスなど頼む、人に任せる。割り切って時には楽をする。ということも必要だと思います。ある程度のあきらめは必要ですよね。

規則正しい生活

自律神経を整えるためにも朝、決まった時間におきる、決まった時間に寝るなど規則正しい生活を送り、適度な睡眠をとることは大事ですね。また朝陽を浴びることは自律神経を整えるのに有効です。

おきたらカーテンを開ける習慣をつけて朝陽を浴びるといいですね。でも天候や季節によって朝は暗いこともあります。今はこんな便利なものもあります。こういうものもうまく取り入れて適度な睡眠をとり、ストレスに対処していきたいですね。

お風呂でゆっくりリラックスする

忙しいとついシャワーで済ませがちな方も多いと思いますが、たまには好みの入浴剤を利用して、ゆっくりと湯船につかるとストレス解消に役立ち自律神経も整います。また血行も促進され睡眠の質が高まります。

アロマ

アロマはどうでしょうか?今は¥100ショップでも買えますから手軽に試せますよね。

    • ラベンダー : 心と体をリラックスする効果あり。安眠効果も。
    • オレンジスイート : 気分を明るくする・リフレッシュ、リラックス効果
    • カモミール : 鎮静作用があるのでストレス軽減に
    • プチグレイン : 心を落ち着かせる効果があるので不安やプレッシャーを感じている方に

6.まとめ

緊張して吐き気がおきないようにするために、自分にあった緊張の緩和方法をみつけておく、緊張を受け入れることが精神的にも負担が少なくなってよいですね。

こちらの記事もご覧ください。

朝の吐き気、過呼吸(過換気症候群)はどうしておきるの?

 

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