保健室登校の具体的な事例

今回は保健室登校の具体的な事例についてお伝えしていきます。保健室登校して本当に成果があるのか?保健室登校後どのようになっていくのかに関心があるかと思います。まずは保健室登校の事例を見ると不登校の子供の心情がわかるとともにどのような対応が適切なのかがわかります。まずは保健室登校についての説明からしてききましょう。

1.保健室登校ってどんな登校なの?

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保健室登校(ほけんしつとうこう)とは、児童・生徒が学校には登校するものの、教室でなく代わりに保健室で過ごすことをいう。保健室通い(ほけんしつかよい)とも称される。日本学校保健会が1997年(平成9年)に発表した『保健室利用者調査報告書』によると、「保健室登校とは,常時保健室にいるか,特定の授業に出席できても学校にいる間は主として保健室にいる状態」と定義されている。森川英子によると、この語の初出は1977年(昭和52年)刊行の杉浦守邦の著書『養護教諭の実際活動』(東山書房)である。

不登校問題調査研究協力者会議の調査によれば、2001年(平成13年)度に調査した保健室登校をする者が存在する日本の学校の割合は小学校で12.3%、中学校で45.5%に達した。日本学校保健会が2004年(平成16年)に行った同様の調査では、中学校の9割に保健室登校の生徒がいる。

wikipediaより

登校時間についても勉強時間についても基本的には自由です。クラスメイトと会いたくないのであれば登校時間をさけて保健室に登校すればよいのです。また起立性調節障害等朝起きられないという時には午後から登校しても大丈夫です。保健室登校をして部活に出るというのもありですよ。

勉強については自習が基本ですが、学校や先生によっては保健室登校している人たち向けの授業をしてくれたり、個別に指導してくれたプリントを配布してくれたりします。試験を受けることも基本的には可能なはずですが、学校によっても異なるので、確認してみてくださいね。

保健室登校の対応は基本的には担任の先生ではなく養護教諭が行います。では養護教諭の役割とは?

児童・生徒が保健室登校から教室に復帰するにあたって、保健室の先生、すなわち養護教諭の果たす援助は大きな効果がある。その場合、当該児童・生徒本人、児童・生徒の保護者、教職員に対して、カウンセリング技法を導入して援助することになる。養護教諭は医師のように時間に縛られず、無制限に児童・生徒の状況等に応じて援助でき、それは最大の利点といえる。有村による保健室登校経験者への調査では、養護教諭に対して「居場所を作ってくれた」・「いつも笑顔があった」などと好意的な意見が寄せられ、「してほしかったこと」は教師・保護者・周囲の人に対する要望に比べて少なかった。一匹狼となった生徒に巧みに近づいてその言動を監視するのも重要な役割である。

Wikipediaより

では保健室登校について一通りわかったところで、事例を挙げてみましょう。

2.保健室登校の事例について

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下記の事例は実際に私が聞いた話と公的機関や教育機関が調査し公開している事例集に記載のあったものを交えてお伝えいたします。

2-1.保健室登校の事例 中学生女子

中学1年の終わりから不登校となり、教室に入れなくなる。家庭環境としては父親が、お酒を飲むと暴れる、暴言を吐く等があり、父と母は不仲である。家にいる時にはゲームやアニメを楽しみ自分で絵を描くことが好きである。

ある時保健室登校の存在を知り、保健室に登校をしてみると、養護教諭が話しを聞いてくれることに安心を覚え以後保健室登校をほぼ毎日するようになり、数か月後部活にも出るようになった。部活での活動は好きな様子で活動日にはかかさず出席し、夏休みの間も部活には出ていた。

部活でのトラブルでいったんまた不登校となってしまったが、養護教諭と話しができることで、保健室登校は再開し、その後自分の好きな学校を自分で見つけそこへの進学が決まった。

この女子は部活を通してやりがいを見つけ、また部活で友人を見つけたことで、部活が居場所となったと思われます。保健室登校をして部活に出るというのもありですね。

2-2.保健室登校の事例: 小学生低学年女子

母親は個人事業主で仕事が忙しく、また該当女子も手のかからない子供であったため母子の関わりが薄かった。妹がいるが、妹は母親に甘えていた。姉である該当女子はいわゆるいい子であった。小学生になり腹痛や頭痛を訴えるようになり徐々に不登校になった。当初母親は無理やり登校させようとしたが、激しい抵抗にあい、やむなく帰宅することを繰り返す。

養護教諭と連携のもと母親が付き添って保健室登校を開始、養護教諭と話しをしたり、支援センターでのカウンセリング、遊戯療法等により母親へ対する抑圧された気持ちを解離すことができるようになる。また保健室登校時に養護教諭が他の児童と該当女子の橋渡しをしてほかの児童との関係を深めるようにした。タイミングをみて担任から学級復帰するよう誘い、徐々に学級に復帰できるようになった。

この事例の場合には母親と子供とのかかわりというものがカギとなっていました。母親は相談をすることで、自分の対応を見直し、母子関係が改善され、また子供も良い子で居続けず自分の感情を開放することができたことにより、不登校から脱したという事例です。

2-3.保健室登校の事例: 小学生中学年から高学年(女子)

母親が引きづって無理やり学校に連れてきていたが激しい抵抗にあい、途中までしか来れないということが頻繁にあった。その後母親と一緒になんとか保健室登校ができるが、母が帰ろうとすると泣き叫び、別れることができない。母親に保健室に付き添ってもらうようにし、母親の付き添い時間を徐々に短くしていった。一方母親は養護教諭から支援センターに相談にいくように促される。

母親は相談にいくと母子分離不安であることを告げられ、子供に対して乳幼児のように接するようにアドバイスを受ける。徐々に子供の状態も変わり、母親が連れて来た際に養護教諭が下足箱までお迎えに行くと母親と別れることができるようになった。

該当女子の他に保健室登校をする人が増えてそちらの対応を養護教諭が行っていると保健室から逃げてしまうということが頻発した。他の該当者が教室に戻れるようになると落ち着いてきた。長期休暇の際も養護教諭がいるときには学校へ来ることができた。

だんだんと保健室登校する毎日が日常となり、機会をみて担任と養護教諭がクラスメイトとかかわりを持たせるように仕向ける。徐々に保健室登校から教室に行ける日が増えてきた。このころ教室に行くことで学習の遅れを自覚するようになり、保健室にも突然来なくなった。

そこで養護教諭が自宅までお迎えに行くと再び保健室に登校ができるようになった。このころ担任が該当女子と交換日記を始める。その提案がうれしかったようでだんだん学校に居場所を見つけた様子であり校外学習にも参加できるようになった。6年生になっても毎日教室には登校できなかったが、中学では無遅刻無欠席となったとのこと。

この事例も2の事例と同じように母親と子供の関係性がカギとなっている事例です。他の生徒の対応に養護教諭が追われていると逃げるというのは自分に興味を引きたいために起きている行為ですので、母親からの愛情不足の分を養護教諭に求めていたことが窺えます。母親も対応をあらため養護教諭も受容し続けたことが解決に至ったという事例です。

2-4.保健室登校の事例:高校生(男子)

友人とのトラブルをきっかけに自信を失い不登校気味になったところを養護教諭からの誘いを受けて保健室登校を開始。養護教諭は受容をこころがけ、該当男子の話しを傾聴することを繰り返した。保健室登校をし続けることで、他の生徒が養護教諭と話しを聞く機会も多々あり、そのなかで、辛い思いをしているのは自分だけでないことに気付く。

保健室登校において必要な単位の学科を勉強し、先生も個別学習に応じてくれて、徐々にやる気がでるようになる。個別指導のおかげで好きな科目や得意科目もでき自信に繋がっていき教室へ復帰できるようになった。

この事例は保健室登校での先生の指導によってやる気が出て自信もつき復帰できたという事例です。

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3.まとめ

保健室登校の事例をみていると、不登校の子供に共通している自己肯定感の低さや家庭環境の影響というものをあらためて実感しますね。適切な対応についてはこちらの記事にも書いていますので参考になさってください。親の対応の仕方というのは子供に影響を及ぼしますので重要です。ぜひいまからでも適切な対応を心掛け1日も早く不登校から脱せるとよいですね。

保健室登校はあなたの意思で自由にできます。部活だけの登校でも大丈夫です。自分に合った登校のスタイルをみつけてそこから始めてみてはいかがでしょうか?

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