不登校になり、別室登校ができたとしてもテストや成績の扱いはどうなるのか?
中学生以上であればこの先の進学を考えると当然きになってくるところです。
教師はどのように成績の評価を扱うのでしょうか?
まずは不登校の定義について確認をしていきましょう。
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目次
1. 不登校の定義
そもそも不登校の定義とは
不登校児童生徒とは何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しない、あるいはしたくてもできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち病理的・経済的理由によるものを除いたものとしています。
文部科学省では不登校の定義を上記のように定義しています。
2.不登校・別室登校の際のテスト·成績の評価
全く学校に行けないのであれば、テストも受けられず、教師としては成績のつけようがないのが本当のところです。
でもテストだけ受けられたり、別室登校ができて提出物を出していたら、話は変わってきます。
全てのテストが受けられなくても受けることのできる科目があれば、少なくともその教科は成績がつきます。
また不登校でも別室登校を続ければ、別室でテストを受けられる可能性もありますし、提出物を出したりすることができるので最低の評価、成績にはならない可能性があります。
本人が成績を気にしてテストを受けよう、勉強しようと思えば学校以外でもオンライン学習などに取り組むのも一案です。
参考までに下記は文部科学省のHPにある不登校の対応の在り方についてというものです。
不登校児童生徒の学習状況の把握と学習の評価の工夫
不登校児童生徒が適応指導教室や民間施設等の学校外の施設において指導を受けている場合には,当該児童生徒が在籍する学校がその学習の状況等について把握することは,学習支援や進路指導を行う上で重要であること。
学校が把握した当該学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合には,当該学習の評価を適切に行い指導要録に記入したり,また,評価の結果を通知表その他の方法により,児童生徒や保護者,当該施設に積極的に伝えたりすることは,児童生徒の学習意欲に応え,自立を支援する上で意義が大きいこと。
なお,評価の指導要録への記載については,必ずしもすべての教科・観点について観点別学習状況及び評定を記載することが求められるのではないが,児童生徒の学習状況を文章記述するなど,次年度以降の児童生徒の指導の改善に生かすという観点に立った適切な記載に努めることが求められるものであること。
文部科学省HP
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3.教師の評価
ここで余談ですが教師の評価は不登校の生徒がいるいないで変わるのか?というとなんともいえないようです。
事実「不登校」を悪のようにとらえている教師もおり、せっかく登校しようとしても他の生徒がいない時間に登校させようとしたり、最後の卒業式だけでも参加しようとしたのに、これを拒否する教師や学校もあります。
不登校に関してこのような態度をとる教師や学校はきっと「不登校」というものを悪ととらえ、ないものにしたい、実際の教師への評価基準はともかく、評価に影響が出ないようにしたいために行っている対応だといえます。
そして実際に教師の方に話を聴くと、不登校がクラスにいるいないは評価に関係がないといいます。
これらの話を総合すると、教師の評価に不登校は関係ないと言われていても、保身のために不登校に対して良くない感情を持つ親や教師も少なからずいるため、評価を気にした対応を行う教師もいるというのが本当のところのような気が致します。
4.不登校の生徒や親からの教師の評価
悪い評価になる教師
担任の教師が不登校の原因になっている場合もありますよね。
そんなときにはどうしても不登校側の生徒、親からの評価は低くなってしまいます。
ましてや不登校になってからの対応が悪い教師であれば元々の評価は良くても評価が下がるのが普通ですね。
実話としては不登校の原因は教師でなかったのに、不登校に対して教師が理解がなく、登校を無理強いしたり、何度も家庭訪問して登校を促したりする場合には、不登校の生徒や親側からの評価は低くなってしまいます。
良い評価を得る教師
- 常に状況を把握するように適度に連絡をくれる教師
- 不登校の子供の心情に寄り添ってくれる教師
- 保護者の要望もきいてくれる教師
では話を戻して、不登校の際の成績等の評価について、別室登校の場合にはどのように評価してもらうのでしょうか?
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5.別室登校の成績を評価してもらうには
やはり多少なりともよい評価をしてもらい成績をつけてもらう場合には教室にはいけなくても、テストだけは受ける。
別室登校して課題に取り組む、出席日数を稼ぐというのが入り口としてはよいと思います。
かと言って本人の心理状態が満たされず、まだ別室登校やテストを受ける状況にないのに、無理に別室登校させたり、成績のためにテストを受けさせるというのはタブーです。
良くなるものもよくなりません。ではどうしたら、本人の気持ちが満たされて、別室登校できたり、不登校から抜け出すことができるのでしょうか?
6.不登校の心理状態を知る
不登校になる子供は好き好んでしているわけではありません。本人が一番辛く、登校しないと行けないと思っています。
しかし、身体が言うことをきかないのです。前日は明日登校しようと思っていて支度をしても、翌朝にはめまい、頭痛、腹痛、吐き気、倦怠感等に襲われ動けないのです。
本人も原因に関してはよくわかっていないことがほとんどです。いじめなどが原因だと思っていても、それはきっかけにすぎなかったりします。
本当の原因は複数あり、本人も気づいていないことが多いです。
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7.不登校の原因
7-1.学校のトラブル
学校で授業中にあてられたときにうまく答えられなかった、先生と相性が合わない。先生の発言に傷ついた。成績が思うように上がらない・・などなどいろいろと考えられます。
7-2.友人とのトラブル
友達から仲間外れにされた。いじめにあった。友達の発言に傷ついたなどが考えられます。
7-3.環境の変化
両親の離婚、引っ越し、祖父母の同居。身近な人の死去などが考えられます。
7-4.家庭内不和
夫婦喧嘩、嫁姑の対立、家の中に不穏な空気は流れていませんか?いさかいのある家庭ではくつろぐことができません。
7-5.母子分離不安や対人恐怖症などの不安症
母子分離不安や対人恐怖症などの不安症がきっかけでおこることが多々あります。母子分離不安の解決にはこちらをご覧ください。
7-6.発達障害
発達障害は脳の機能の成長に関しての障害です。コミュニケーションや対人関係において苦手な傾向があります。広汎性発達障害(自閉症やアスペルガー症候群)、学習障害、注意欠陥障害、があります。
7-7.親の過干渉もしくは放任
これが一番深くかかわりがあるのではないかと思います。相反する2つのタイプですが、過干渉の場合にはお子様は引きこもdり傾向に、放任の場合にはお子様は非行に走る傾向にあります。過干渉の場合には親が先回りをして、子供のためにという名目で、ああしたほうがいい、こうしたほうがいいと指示をし、親の敷いたレールに子供は乗ります。でも突如起こった脱線に対処できないのです。なぜなら常に親が先回りしたり、解決をしてきたから。
放任の場合には子供は愛情を感じられないため親の愛情を試そうとしたり、外に気持ちが向く傾向があります。
8.別室登校・不登校を脱するためにできること
まず原因を知りそれを解消することも大事ですが、例えば学校でトラブルがあり、それが解消されても登校できないというほうが多いです。なぜなら原因はそれだけではないことがほとんどです。不登校の子供は自信を喪失しており、自己肯定感が低いです。
8-1.2つの重要なこと
- 自己肯定感を高める
- 希望を持つ
この2つが重要です。そのために親ができることはどのようなことがあるのでしょうか?
8-2.親ができること
- 子供のありのままの現状を受け入れる
- 家の中を居心地のよい空間にする
- 前向きな温かい言葉がけ
- 先回りしない
- 理想を押し付けない
- 本人の意思を尊重する
- 役割を与える
- 感謝する
- 放任タイプの場合には子供と過ごす時間を意識的に作る
- 過干渉タイプの場合には先回り、お膳立てをやめる
親が子供が不登校であってもその状態を受け入れ、「不登校であっても大切なわが子」であることに変わりないと本心から思えれば大丈夫です。
成績がよくない、学校に行かない、いうことをきかない子は私の子じゃない。などと条件付きの愛はやめましょう。「~できない自分は親から嫌われている」と思いさらに自信を失います。
成績がよくない子はだめですか?子供が生まれるまえを思い出してください。
誰でもきっと{テストの成績の良い子供が生まれますように}とは思っていなかったはずです。
健康で無事に生まれることだけを望んでいませんでしたか?
元気になって子供がテストの成績がよくなりたいと自ら思えば勉強もして成績も上がることでしょう。成績よりなにより子供自身が大切ではないでしょうか?
家の中で暴言を吐く人はいませんか?舌打ちする家族はいませんか?家族が争っていませんか?怒った口調で話したり家の中がピリピリしていては子供は安心してくつろぐことができません。
学校でいやなことがあったとしても、安心して羽を伸ばせる家庭であれば、エネルギーもチャージされてまた翌日頑張ろうと思えるものです。
家の中が家族それぞれにとって居心地のよいようにするのが理想です。口調や言葉に気を付けて接する。
これができてくると家族だけでなく他人とのコミュニケーションもよくなるはずです。
役割を与えるというのはなにかお手伝いをさせてみるのはどうでしょうか?使った食器は自分で洗う。お風呂掃除をしてもらう。できたらきちんと感謝の言葉をかける。人の役にたつという実感を味わうと自信が持てます。
この積み重ねができていけば自己肯定感が高まります。
放任タイプの親御様はぜひ子供と意識的にかかわってみてください。
子供は自分を見てほしいんです。愛してほしいのです。これはいくつになっても同じです。自分のベースに親からの絶対の愛・安心感があってこそ自信が持てます。
子供の好きな料理を作る。一緒にテレビを見る。でかける。できることから少しずつ取り組みませんか?
過干渉タイプの親御様。このタイプがもっとも多いかと思います。「時間割そろえなさい」「宿題やったの?」「早くしなさい」「~しなさい」「この学校がいいと思う」・・・親としては子供のためを思って言っているのになぜいけないの?と思われることかと思います。私自身がそうでした。
でもそれって本当の愛ですか?今のまま何もかも先回りして、お膳立てして生活していって子供は果たして自立できるのでしょうか?
子供の人生は子供のものです。親の最大の役目は乳幼児期はお世話ですが、ある程度育ってからはいづれ自立するためのサポートをすることだと今は私は思っています。
もともとはよい学校に入り、良い企業に就職させれば子供は幸せになれると思っていました。でも果たして本当にそれが幸せなのか?良い企業に入ることだけが幸せではないですよね?子供が望んだ人生を送れるようにサポートしてあげる。
あくまで本人の意思を尊重する。これが大事だと思います。親の言う通り勉強してよい成績をとって、よい学校に行き、就職や、結婚まで親が世話をして、順調に親が敷いたレールに乗ってきた人ほど挫折をしたときに立ち直れず引きこもりになってしまいます。
いづれは自立できるように挫折も必要です。その挫折は年齢が若いうちにたくさん経験することで強くなっていきます。いつまでも親が先回りをして、挫折しないようにしていてもいづれ先回りはできなくなります。それでは遅いのです。ぜひ今日から先回りはやめませんか?
本人がテストの成績を気にしだして勉強をしようと思えば自発的に勉強するはずです。その際にまだ外に出られない、外にでると疲れるということであれば、下記のようなオンライン学習を勧めるのも一案だと思います。
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9.まとめ
不登校や別室登校した際のテスト、成績について気になるのは当然です。
少しでもよい評価や成績をとお考えであれば別室登校をして提出物を出し、定期テストを受けることをお勧めします。
しかしそれは本人が望めばの話しです。子供が望んでいないのに、成績ありきで親がお膳立てをして無理に別室登校をさせるのはお勧めできません。
早く不登校を脱したい、別室登校をさせたいとお考えであれば、ぜひ今から親ができることから取り組んでみてください。親の対応が変わってくれば、時間はかかっても子供も必ず変わってきます。子供を信じてあげましょう。
不登校を解決するためには、親が定期的にメンターとなる信頼できるカウンセラーや相談者を見つけ、定期的に相談することが有効です。
あなたに合うカウンセラーをぜひ見つけてください。
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