情緒不安定というだけで病気とは限りませんが、病気の可能性もあります。
思い浮かぶのはパニック障害やパーソナリティ障害といった病気でしょうか?
また女性であればPMSの症状として情緒不安定になることもあります。
情緒不安定の症状が出る病気やPMSについて確認してみましょう。
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情緒不安定の症状がある病気
パニック障害
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。とくに、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。厚生労働省 みんなのメンタルヘルスより
パーソナリティ障害
パーソナリティ障害の定義は、「その人の属する文化から期待されるものより著しく偏った内的体験および行動の持続的パターンであり、ほかの精神障害に由来しないもの…」とされています。 (世界保健機構の精神疾患の診断基準(ICD-10)やアメリカ精神医学会の診断基準(DSM-IV-TR 2000)による)。
これを「パーソナリティそのものが病的である」と解釈したり、いわゆる「性格が悪いこと」と混同したりしてはいけません。パーソナリティ障害は、心理学的な意味のパーソナリティとも、一般的な意味の「個性」に近いパーソナリティとも性質が異なるものです。この障害は、治療によって徐々に改善することが期待できる精神疾患です。
パーソナリティ障害にはいくつかのタイプがあり、アメリカ精神医学会の診断基準で10種、世界保健機構の診断基準で8種があげられています。アメリカ精神医学会の診断基準では大きく分けて、次の3つに分類されています。括弧内にそれぞれの特徴を記します。
- A群(奇妙で風変わりなタイプ)
- 妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)
- 統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
- 統合失調型パーソナリティ障害* (会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)
- B群 (感情的で移り気なタイプ)
- 境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)
- 自己愛性パーソナリティ障害* (傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
- 反[非]社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
- 演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)
- C群 (不安で内向的であることが特徴)
- 依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
- 強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴)
- 回避性[不安性]パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)
※ICD-10で該当するタイプの名称を大括弧内に示す。*印はICD-10にないもの。なお、ICD-10では、境界性パーソナリティ障害は情緒不安定性パーソナリティ障害の下位分類のひとつである情緒不安定性パーソナリティ障害境界型と位置づけられている。
これらのパーソナリティ障害の共通の特徴としては、発達期から(遅くとも思春期から成人期早期から)その徴候が認められること、認知、感情、衝動コントロール、対人関係といったパーソナリティ機能の広い領域に障害が及んでいること、その徴候が家庭や職場など広い場面で見受けられるなどを挙げることができます。
厚生労働省 みんなのメンタルヘルスより
パーソナリティ障害の中でも境界性パーソナリティ障害や回避性パーソナリティ障害が情緒不安定な症状が出やすいといえます。
うつ病
眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
薬による治療とあわせて、認知行動療法も、うつ病に効果が高いことがわかってきています。早めに治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、無理せず早めに専門機関に相談すること、そしてゆっくり休養をとることが大切です。厚生労働省 みんなのメンタルヘルスより
うつの情緒不安定はこちらにも書いております。
情緒不安定から病気が疑われる場合には、医師の診察を受け、治療をしましょう。
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情緒不安定になるPMS
生理前にイライラしたり怒りっぽくなったりなど情緒不安定になることを「月経前症候群」(PMS)といいます。
PMSは生理前後一週間におきる身体的、精神的状で情緒不安定になることがあります。
PMSは女性ホルモンバランスの急激な変化が影響していると考えられており、原因は解明されておりません。
排卵後に卵巣から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンの影響が原因の1つとされており、またビタミンB2やマグネシウムの欠乏も考えられます。
セロトニンの低下、ビタミンの欠乏ストレス、生活環境・社会環境の変化や生真面目で神経質な性格の人がなりやすいともいわれています。
具体的なPMSの症状としては
PMSの身体的症状
- 乳房のはりや痛み
- 頭痛
- めまい
- 肩こり
- ニキビ
- 肌荒れ
- 便秘
- 下痢
- 倦怠感
- 腹部のはり
- むくみ
- 体重増加
- 過食
- その他
PMSの精神的症状
- 気が短くなりイライラする
- 不眠
- 眠気
- 怒りっぽくなる
- 気分が落ち込む
- 集中力の低下
- 抑うつ状態
- 摂食異常(拒食、過食)
ではPMSからくる情緒不安定の対策はどのようにしたら良いのでしょうか?
PMSの情緒不安定対策
PMSは精神的な影響が大きく、ストレス症状を悪化させてしまいます。
あまりにひどい場合には婦人科に相談してピルを処方してもらって効果的だったという意見もありますので、一度医師に相談してもよいでしょう。
またPMSに限らず情緒不安定の根底にあるのはストレスだと言っていいでしょう。
そのため、ストレスの解消、軽減につとめることが情緒不安定の解消には必要になってきます。
またストレスがかかった状態というのは交感神経が優位になってしまい自律神経のバランスが崩れてしまいます。
自律神経のバランスが崩れると情緒不安定だけでなくさまざまな不調をきたすと考えられています。
原因不明の情緒不安定や下痢。自律神経を整えれば改善?の記事はこちら
情緒不安定を改善するためのストレスの解消方法などについてはこちらの記事に書いてますので参考になさってください。
まとめ
情緒不安定とひとことでいってもPMSの場合もあれば、パーソナリティ障害や、パニック障害など病気の場合もあります。
心配なときは病気であれば治療をうけられますし、医師の診察を受け不安を解消しておきたいですね。
またさまざまな不調の原因はストレスであることが多いです。ストレスをためない工夫、自分に合うストレスを解消する方法を見つけて日々平穏に過ごしたいですね。
こちらの記事もご覧ください。
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