過干渉とはどういうものかおわかりになりますか?
過干渉と過保護って同じようで違います。
でも過干渉と過保護の明確な線引きは難しいですよね。
また過干渉になっている親は自分の子供への対処が過干渉であるとわかっていないことが多いものです。
心理カウンセラーとなり、かつては過干渉だった経験から正しい対処法と、親が過干渉の場合の子供としての対処法を考えてみました。
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目次
1.過干渉とは
字のごとく干渉をし過ぎることですが、そうはいっても私は子供に干渉なんてしてないし、大丈夫よと思っていませんか?
しかしよくよく確認していくと誰でも母親であれあば、意外とやっているものだと思います。
例えば、
- 翌日の学校の支度を手伝う
- 宿題はしたのかと必ず確認し、やるまで声をかけ続ける
- 子供が希望していない習い事をさせる
- 進路について○○レベル以上でないといけない
- 朝起こす
- ~をお風呂の前にやったほうがいいよなどの指示だし
- ~するほうがあなたのためだと思う
- 勉強を教えたり手伝う
- 結婚相手はこういう人がいいと決めつけた発言
- 就職は大企業でないといけない
- etc・・
このほかにも最近は母親が会社に欠勤の電話をしたり、退職の手続きをするなんてこともあるようですが、まさに過干渉です。
上記に挙げた朝起こすのも過干渉なの?って思いますよね。
でもいつまで母親だからといって起こし続け目覚ましの変わりをしますか?常に先回りして子供が失敗しないように準備をしたり、声掛けをするのですか?
母親だけでなく親の役目の一つとして「子供を自立させること」というのがあると思います。
翌日の支度を社会人になってまで手伝いますか?手伝いませんよね?ではいつからやめるのでしょうか?
子供のため、躾だからと思ってしていることが親の理想を押し付けているだけだったり、子供をコントロールしようとしてないでしょうか?
ただ親には子供に対しての責任がありますから、ある程度の干渉や口出しというのはもちろん必要ですし躾は必要です。
それを踏まえて話をすすめていきますね。
そもそも躾とは
社会生活に適応するために望ましい生活習慣を身につけさせること。基本的生活習慣のしつけが中心になるが,成長するにつれて,家庭,学校,社会などの場における行動の仕方へと,しつけの内容が拡大していく。
コトバンクより
ということです。とらえ方によってはいろいろと口出ししてもいいのではないか?とも思えてきますが、そこは匙加減ですね。
我が家の主人は躾に厳しい人で食べ方の作法など、事細かくできるまで口出ししていました。
まさしく過干渉だと私は思います。
食事の最中なんどもなんども「肘」「背筋」なんてよく言ってました。
これでは食事が楽しくないですし、子供もその時間が苦痛になったり、父親に対して萎縮したりしてしまいます。
躾と称して過干渉になりがちだったり、度を越してハラスメントになったり、人によっては手がでてしまったりすることもあります。
なぜなら自分の思うようにしたいから、相手が自分の思い通りにならないと、感情的になり大声を出したり、手を挙げたりしてしまうのだと思います。
過干渉の怖いところです。
暴言・罵倒・馬鹿にするモラルハラスメントな毒親は話が通じない
2.過干渉に育てられた子供たちのなれの果て
これからお話しするのは過干渉に育てられた子供が大人になってどうなったかのお話です。
その1
母親がなんでもかんでもやってくれるというのが当たり前の環境で育った男性は、結婚してもなんでも奥様が(女性が)やってくれるのが当たり前と思ってしまいます。
奥様が残業で仕事から帰ってきたところ、旦那様はすでに数時間前に帰宅。ソファに寝ころびテレビを見ながら、食事もすでに済ませていました。
帰宅後もろもろの家事をすませ、ようやく奥様が座り夕食を食べる頃、旦那様はお風呂に入りました。そして数十分後「おい!」と怒鳴る声が・・
驚いた奥様は何事かと思い浴室へ行ったところ「タオルも下着もないじゃないか!」と鬼の形相・・確かにこの奥様は常に下着もタオルも旦那様がお風呂に入る前に常に準備をしていました。
この場合には旦那様の過干渉の環境での育ちと、奥様も手取り足取りやってしまっていた(奥様がある意味過干渉だった)ためにこのようなことが起きてしまったというわけです。
実はこれ主人のことです。
その2
ある母親は中学受験を目指す子供に勉強の仕方を手取り足取り教え、常に一緒に勉強し、テスト前にはテスト問題を考えたり、暗記しなくてはならない箇所を隠すようなものを作成したりしていました。
その子が高校生になり、そろそろ自分でさせないと・・と思った母親は手伝いをしなくなりました。
その結果テストはとても悪い成績・・それを指摘した母親に向かって「おかあさんがやってくれないから、できなかった」という言い訳を子供はしたそうです。そしてなんと大学に入ってまでお母さんはやり続けているとか・・(現在進行中)どうなるのか心配です。
その3
自分から中学受験を希望している娘。娘の希望で塾に入りました。塾での成績が不振のため父親は子供のやる気を引き出したく次のテストで成績が上がらなかったらやめさせると宣言。
そのテストで良い成績が取れなかった娘は気持ちを切り替えて受験はあきらめ、残りの小学校生活を有意義に過ごそうとしていた矢先に「このままやめたらもったいないじゃないか」と父親が言いだし、娘を説得(中学受験をしたいといわせるようにうまく誘導)して中学受験をしました。
当初は自分から中学受験をしたいと思っていた娘も後日の発言のなかで「親に敷かれたレール」を歩かされてきたと言っているようです。
どれも実話です。ここまで読み進めて頂いてどのようにお感じになりますか?
どの親も自分の子供のためによかれと思って過干渉になってしまったのです。
しかしこのような言動をするように育ってほしいとは両親は願っていなかったと思います。
こうならないようにするにはどのような対処の仕方が適切なのでしょうか?
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3.親の子供への適切な対処法
3-1.傾聴する
親は当然のことながら子供より長く生きているため、さまざまな経験の中で失敗や成功を学んでいます。
そのため子供が失敗しないようにするためについつい先回りし、過干渉をしてしまいます。まずは子供の話を聴く。子どもがどのように考えているのか、どうしたいのか?
子供の話に耳を傾けましょう。
この時についつい「でもこれは~したほうがよい」「この方が失敗がない」などと親は自分の意見や、想いを口にしてしまいがちですが、これはやめるとまでいかなくてもほどほどにしておきましょう。
そして話は絶対にさえぎらないように。
3-2.受容する・子供の意思を尊重する
子供の話を聴いた上で、それを受け入れる。子どものありのままを受け入れる。これがとても大切です。このときに前述のように、それよりこうしたほうが良い。
それだとだめだという意見を言ってしまいがちな親も多いと思いますが、そうすると子供は否定された気持ちになってしまいます。
実はこれはとても怖いことです。
なぜかというと、親がこのほうが上手くいくから、このほうがいいと口出しを常にしていると、どうせ意見を言っても無駄だ、自分の意見を聞いてもらえない。
自分はダメな人間なんだ・・とどんどんマイナス思考になってしまう可能性があるからです。
子供の意思を尊重し、たとえそれで失敗したとしてもそこから学ぶのです。
大人の私たちも失敗した経験からたくさんのことを学んでいますよね?その経験から子供によかれと思ってアドバイスをしてしまうと、子供は失敗を学ぶ機会を逃してしまいます。
親の過干渉は子供の経験を積むチャンスをつみとってしまっている行為なのです。
3-3.子供を信じて待つ
私自身過干渉で、息子が初めて出かけるような場所だと、事前に路線図や時刻を調べてしまったり先回りをする母親でした。
また自分でやるほうが早いというのもあって、すぐ先回りして、やってしまっていました。待つということができなかったのです。
しかし息子の不登校を機に一切先回りをやめ、息子を信じて待ちました。すべて子供主導に方向転換しました。もちろん親としてすべきことはして
そこから不登校からも抜け出し、進路も自分で決め、学校にも起こさなくても、自分で目覚ましをセットし、自分で起きて毎日登校するようになり、自発的に勉強もするように変わったのです。
時間はかかるかもしれませんが、やはり本人を信じて待つという対処法はとても大切なことです。
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4.親が過干渉の場合の子供の対処法
あなたの親は自分が過干渉だということに気づいていないかもしれません。
そして過干渉という行為があなたに悪影響を及ぼすとは思っておらず、むしろ子供のためと思ってしていると思います。悪気はないのです。おそらく・・
そのため親の過干渉に対してはいったん受け入れるという対処をする。
そして次に自分が思っていることははっきりと主張し、あなたが親の言っていることが正しいと思わなければはっきりとその旨を伝えましょう。もちろん嫌であれば嫌だとはっきりと伝えましょう。
なかには親が厳しくて、怖くて言えないという方もいるのではないでしょうか?でも怖いからといってそのまま親の過干渉を受け入れ続けてしまうと、将来的には疲れ果て思考能力がなくなってしまったり、自分でも理由がわからず無気力になったり、それが過ぎると不登校やひきこもり、鬱病などになる可能性もあります。
反発をするのでなく、自分の意見や想いはきちんと冷静に伝えるというのが良い対処法だと思います。
あなたの人生なのですから、あなたの意思に沿って、行動しないと後で後悔しかねません。ある程度は受け流すということも一つの対処法になります。
特に進路などの問題は親が理想が強すぎたり、あなたのためといいながら、自分が果たせなかった夢や理想を無意識に託してしまっている場合もあります。
自分の夢があれば、それはきちんと親に伝えたほうがよいです。たとえそれを親に反対されたとしても、どうしてそれをしたいのか感情的にならず、冷静に話をすることです。
それでも話ができないほど、親に対して萎縮してしまう、怖くてとても話せないときには、信頼できる、先生や、行政が窓口相談できるところに相談してみてはどうでしょうか?
話を聞いて貰うだけで、どうしたらよいか自分で問題に気づけることもあるし、アドバイスを貰える可能性があります。
以前女子高生から、親の干渉に関しての相談にのったことがありますが、DV もありやはり、怖くて言えないと仰っていました。
児童相談所に相談してみるように勧めましたが、その後どうしたのか連絡がなく今でも気になっています。
あなたが困っていたら是非私で良かったら話を聞くのでお問い合わせフォームからメール送ってくださいね。
誰にも話しませんから、安心してください。
ちなみに東京都でこんなのあります。↓18歳以上を対象としたお悩み相談です。このようなものを利用してもよいですね。
http://www.wakanavi-tokyo.net/sp/
5.まとめ
親の過干渉は子供の将来に大きく影響します。不登校や引きこもり、鬱にさえなりかねません。
親は子供に対して適切な対処をし、子供も我慢し過ぎずに自分の意見を述べるという対処をしていくのが、よいと思います。
子供の人生は親のためのものでなく、子供の人生ですから悔いのないように生きましょう。
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