ご夫婦のどちらかがアスペルガー症候群だったと結婚後に気づき、そのため夫婦関係がうまくいかず、話し合いもできず、話合いにもならず困り果てて家庭内別居になってしまうというご夫婦がいらっしゃいます。
大人の場合アスペルガー症候群とはどのような特徴があるものなのでしょうか?
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目次
1.自閉症スペクトラムの診断基準
アスペルガー症候群は2で述べる特異性を持つ自閉症スペクトラムの1種でコミュニケーションに関する障害の軽度なものです。その診断基準は下記となります。
DSM-5における自閉症スペクトラム(ASD:Autism Spectrum Disorder)の診断基準
以下のA、B、C、Dを満たしていること。
A:社会的コミュニケーションおよび相互関係における持続的障害(以下の3点で示される)
- 社会的・情緒的な相互関係の障害。
- 他者との交流に用いられる非言語的コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)の障害。
- 年齢相応の対人関係性の発達や維持の障害。
B:限定された反復する様式の行動、興味、活動(以下の2点以上の特徴で示される)
- 常同的で反復的な運動動作や物体の使用、あるいは話し方。
- 同一性へのこだわり、日常動作への融通の効かない執着、言語・非言語上の儀式的な行動パターン。
- 集中度・焦点づけが異常に強くて限定的であり、固定された興味がある。
- 感覚入力に対する敏感性あるいは鈍感性、あるいは感覚に関する環境に対する普通以上の関心。
C:症状は発達早期の段階で必ず出現するが、後になって明らかになるものもある。
D:症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている。
(参照:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル)
子供のときにはそういう性格だから、とアスペルガー症候群とは診断されずに、大人になってからアスペルガー症候群であるとわかったという方も多くいます。
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2.大人のアスペルガー症候群
アスペルガー症候群とは知的障害はないものの下記の特異性のある自閉症スペクトラムの一種です。
2-1.コミュニケーション
話し合いをしても相手の言っていることが理解できない。その場の空気が読めない、冗談や例えがわからないなどのコミュニケーションをとることに問題があります。
夫婦であれば思ったことをそのまま口にしてしまうということに拍車がかかることもあります。
そのためどうしてこんなひどいことを私に言えるの?なんて思うこともあるのではないでしょうか?このようなことを引き金に夫婦関係は悪化し家庭内別居や離婚に発展することもあります。
2-2.社会性
人と関わることや他人への関心が持てない、表情が乏しいという特徴があります。このため誤解を受けやすくなります。
2-3.その他
想像力に乏しく、ある分野には非常に優れている、もしくは劣っているなどバランスが悪いのが特徴で考え方が柔軟でなく融通が利かない、こだわりが強いのも特徴です。
これらの特徴からちょっと変わった人と見られる傾向があります。
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3.アスペルガー症候群の夫婦の対処法
今のところ有効な治療、薬物はないため、周囲が理解アスペルガー症候群の特徴を理解して対処することが必要になります。
3-1.コミュニケーション・パターン化・ルール化する
相手の気持ちを読み取ったり、察することを苦手とするアスペルガー症候群ですから、お互いを理解し合うことが必要となります。
そのためには絵や図を用いて話をするのも有効だそうです。
例えば気持ちを書き出し整理しまとめてみるとアスペルガー症候群の方は理解しやすく、この積み重ねによってコミュニケーションを学習し、自信がつき、訓練されていきます。
ある程度の規則性を覚えさせることで、夫婦のコミュニケ-ションが取れるため、パターンを作って、このときはこうしてくれると嬉しいという具体的なことを繰り返し教えてパターン化させると良いようです。
察するということができないので、はっきりと伝えるというのも大事なことです。
また臨機応変でないため予定もなるべく早めに伝えたり、曜日ごとにこれをするといった決まり事をつくっておくとよいでしょう。
3-2.変えようとしない
性格の問題ではなくアスペルガー症候群の特徴であるため、変えようとしたり、その人の人格を否定するような発言はよくありません。
記憶力が良い方もいるので、いやな思いをするとずっと忘れずにいることがあります。
3-3.高い能力を発揮させる
ある分野において秀でているという特徴があるので、この分野で能力を伸ばせるように周囲がサポートすると良いです。
家事の中でも得意なものがあるかもしれません。その役目を決めてルール化してしまうのもよいでしょう。
3-4.言葉ははっきりと明確に穏やかに
これは誰にとってもそうですが、話をする際に感情的になってしまうと、言葉よりも感情が伝わります。そのため穏やかにはっきりと明確に言葉を伝えましょう。
3-5.指示は具体的に
臨機応変や適当ということは苦手なため、曖昧にせず、何事も詳細まで具体的な指示、やり方を教えておくと困ることがないようです。
4.アスペルガー症候群のあるご夫婦が円満に暮らすために
4-1.アスペルガー症候群の特性を理解する
まず第一に2でお伝えしているアスペルガー症候群の特徴について理解しないことには、いろいろなことにイライラしてストレスもたまってしまいます。
アスペルガー症候群の特性を理解して、対処していくことが、夫婦円満には欠かせないことです。
4-2.家庭内別居のような状態・距離を置く
アスペルガー症候群でない側の夫婦にとってはとても負担が多いため鬱やパニック障害、無気力などを引き起こすカサンドラ症候群になってしまう可能性が高くなります。
このため夫婦関係を円満に保つためにも距離を置くということはアスペルガー症候群のご夫婦には必要なことです。
家庭内別居とまでいかなくても自分の時間を確保して一定の距離を保つということがアスペルガー症候群のあるご夫婦が円満に暮らすには必要なことです。
頑張りすぎてしまうのもかえってよくないわけです。何事もほどほどにというのが良いということですね。
4-3.期待をしない
ほかのご主人は、子育てに協力してくれるのに・・これやってくれないかな・・と夫婦ですからお互いの協力を求めるのは当然のことですが、夫婦どちらかがアスペルガー症候群であれば、そこは期待をせず、自分の仕事と割り切ってしまうのが円満に生活するのには必要ですね。
4-4.専門家や同じ境遇の人に相談する
夫婦のどちらかがアスペルガー症候群であると、一般的には話しづらかったり、また話をしてもわかってもらえず、ストレスもたまりますね。
専門家に相談したり、同じ境遇の人たちのサイトもあるようですから、そのような場で、話を聞いてもらって相談に乗ってもらうことも、ストレス解消になると思います。
あまり頑張って無理をしすぎずないでくださいね。
5.まとめ
アスペルガー症候群のご夫婦の場合にはそうでない側の負担が大きくなってしまうのが現実です。特性を理解し、距離を持つことも大事なことです。そのため選択しとして家庭内別居のようなスタイルを取り入れるのも円満に生活するのには必要なことかもしれません。
ご夫婦にあったスタイルを取り入れて円満に生活できるのが良いですね。
こちらの記事もご覧ください。
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