引きこもりは甘えという認識が解決を阻む

まだまだ不登校や引きこもりについて理解ある人は少なく、そして正しくない理解の人が多いなと感じます。

不登校や引きこもりを「甘え」だと思っている人は多いのでしょうが、それは違うのだという認識を広めたいなと常々私は思っています。

不登校や引きこもりが甘えという認識が世間にあるからこそ毎年夏休み明けに不登校の子どもが自殺するのではないでしょうか?

不登校や引きこもりを甘えだと思っている人が多いほど解決しづらい問題です。

とくに家族など周囲の人々が引きこもりは甘えだなどと言ってしまったり、思っているご家庭の不登校や引きこもりは解決ができない、もしくは解決に時間がかかってしまうのです。

なぜ引きこもりは甘えだと思うのですか?なぜ引きこもりは甘えだと思っていると解決が難しいのでしょうか?

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引きこもりは甘えという世間の認識

引きこもり・甘えというキーワードで検索すると、下記のような書き込みを見つけます。

下記は引きこもりについての認識を説明するのによい事例になりますので引用させていただきます。

引き篭もりは病気なのですか?

甘えてるだけだと思うのは私の認識不足ですか?
批判も覚悟の上ですが、ご助言いただけると幸いです。

私の姉は現在27歳ですが、ここ1年以上も職に就かず実家で生活をしています。
仕事を辞めた直後はまだ普通に会話も出来て、まぁ暫く休息してすぐに仕事を探すだろうと私も両親も思っていました。
しかし、徐々に姉の引き篭もりが酷くなり、今では会話すらまともに出来ません。

先日、姉の今後について両親と姉が揉めたらしいのです。
私は実家暮らしではないので、一方的に母から事情を聞いただけなのですが…
母がそろそろ仕事を探したらどうか、と姉に言ったらしいのですが、姉はそれになぜか大激怒し「そんなこと言われなくても分かってる!私だってしたくてこんな生活してるんじゃないし、誰の所為だと思ってるの!」とキレたそうです。
この言い分だと、姉は自分が引き篭もっているのを両親の所為だと言いたいのでしょうか。

それから状況は更に悪化し、本当に必要最低限しか部屋から出てきません
また、先日親戚の葬儀に出席した際にも、始終無言。
こっちは手伝いでバタバタしてるのに、何もせずじーっと座っているだけでした。
あまりの態度に苛々してしまい、「何かしようと思わないの?そんなとこ座ってたら邪魔なんだけど!」とかなりきつめに突っかかってしまいました…
姉は無言のまま膨れっ面で二階に上がっていきましたが、その後、祖母に「お姉ちゃんは病気だから、皆で治してあげなきゃ駄目なんだからね」と言われました。

引き篭もりは病気なのでしょうか?
原因ははっきりとは分からないのですが、特に家庭環境に問題はないと私は思っています。
27にもなって両親に養ってもらって、日々だらだら生活して、私には甘えているとしか思えません…

Yahoo知恵袋より引用

ではこの事例をもとに引きこもりが甘えなのかひも解いていきたいと思います。

ちなみに引きこもりは病気ではありません。

ただなかには鬱病を患って引きこもっていたり、引きこもっていて病気になるというケースはあります。

引きこもりそのものは病気ではありません。

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引きこもりは甘えという認識は誤り

甘えという誤った認識が引きこもりの悪化を招く

不登校や引きこもりは親の適切な対応で変わると常々私は思っているのですが、上記の例はまさにそれを裏付ける内容となっています。

「そろそろ仕事を探したらどうか?」これは引きこもりの方の心傷に塩を塗る行為といえます。

ご家族の気持ちもよくわかりますし正論です。

引きこもって時間が経過しても行動をおこさないとそろそろ何か行動を・・って思いますよね。

私自身最初は引きこもりや不登校に関し理解がなかったので誤った対応をしてしまっていました。

でも引きこもりのお姉さんご自身が言っているようにそんなことは引きこもっている本人が一番よくわかっているのです。

引きこもっていてはいけない、こんな自分は嫌だ。なんとか引きこもりから脱出したい・・だけれどできない

自分でもどうして引きこもりから脱することができないのかわからない・・そんな心境なのだと思います。

例えばあなたが何かしなくてはいけないとわかっているとき、でもなんだかやる気がでない、でもやらなきゃなという時に早くやりなさい!なにやってるの?だめでしょ?なんて言われたらどうですか?

わかってますよと言い返したくもなりませんか?

他にも美容院に行って髪を切ってへんになっちゃったな・・と思っているときにへんだねと言われたら嫌ですよね?

自分が引きこもったことがなく引きこもりの気持ちがわからないというのは当然です。

しかしだからと不用意な発言をしてしまい、そのたった一言でも引きもっている当人は気にしていることなので、傷ついてしまうのです。

引きこもりの方たちに正論は時に凶器ともなってしまうのです。

正論は嫌というほど自分がわかっている。

でも自分でもどうしてできないのか、わからない。

だからこそこの引きこもりのお姉さんは怒り、好きでこの生活をしているわけではないといっているのです。

そしておそらくこの方は引きこもりの原因は親にあると思っているのです。

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引きこもりの無気力

上記の例では引きこもりのお姉さんが葬儀の際に手伝わないことで妹がイライラしています。

妹からすると手伝うべきという気持ちがありお姉さんは引きこもりで甘えているし、怠けている。

何もしていないじゃないと思っているからこそイライラしてしまっているのでしょう。

確かに手伝ったほうがいいと思いますが、でも手伝うべきというのは妹の価値観の押し付けともいえるのです。

不登校や引きこもりの無気力は何もしないんではなく正しくはできないのだと私は思っています。

それはなぜなのか?

自己肯定感が低いからです。

引きこもりになっていること自体を本人が一番罪悪感を感じ、否定しているのです。

好きで引きこもっているわけではないのです。引きこもりは甘えではないのです。

何かをきっかけに引きこもりとなり、心が傷つき、それが癒えず、心の充電が完了しないと引きこもりからは脱出できません。

しかしその充電も引きこもっている家の中で、せめて家族からだけでも理解されたいのに、引きこもりは甘えという認識を持たれてしまっている。

そんな家にいて、引きこもっている人は心の充電ができません。

もしあなたが仕事でミスをして、家に帰ってきたときに、話を聞いてもらいたいと思い家族に話しをしたとします。

そのときに、それはあなたが悪い、あなたのミスだとなんの共感もされず否定ばかりされたらどんな気持ちになりますか?

またそういう時に家で家族がけんかばかりしていたらどうですか?

あなたはリフレッシュして翌朝元気に会社に行けますか?

ここまででわかるように引きこもりを解決し脱出させるためには家族の対応や環境というのはとても影響があるのです。

いつまでも家族が引きこもりは甘えだという言動をとり続けていると、引きこもりは永遠に解決しないかもしれないのです。

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引きこもりは甘えではないと認識してほしい

家族は理解者に

引きこもり当事者は引きこもりであることに罪悪感を抱え葛藤しています。

引きこもったままではいけない、働かなくてはいけない。

働けず引きこもっている自分は情けない、消えてしまいたい・・こんな風に葛藤しているのです。

自分が一番引きこもりという問題を深刻に受け止めなんとか状況を打破しようと思っているのに、家族から理解を得られずに「甘えている」「怠けている」というレッテルを貼られてしまうと、引きこもりは解決できません。

世間はともかく家族だけでも引きこもりは甘えではないと理解し受け入れてあげてほしいと思います。

そうすることで引きこもり当事者も自己受容ができます。

自己受容ができないと、ずっと葛藤し続け自己否定をし最悪の事態にもなりかねません。

まずは引きこもりは甘えなんかではないと受け入れましょう。

決して無理やり外に連れ出したり、勝手に仕事の面談を決めてきたりしないようにしてください。

かえって引きこもりを長引かせ、心を閉ざしてしまう可能性が高まります。

不登校と引きこもりの心理は同じですので、下記記事が参考になると思いますのでよろしければご覧ください。

登校拒否・不登校は無理やり学校に行かせるべきなのか?

正しい対応とサポート

家族や周囲の人々が引きこもりを受け入れて正しい対応とサポートをしていけば、引きこもりは脱出できるはずです。

もちろん引きこもり当事者の努力も必要ですが、それを後押しするためにも家族や周囲の人たちが引きこもりを受容する必要があるのです。

引きこもりの受容ができたら自然と正しい対応もわかってくるはずです。

引きこもりの方々は自己肯定感が低く繊細な心をもっています。

そしてその自己肯定感が低いのは実は環境の影響が大きいのです。

家庭や職場、学校成長してきた過程での環境の影響が大きいと思います。

もちろん生まれながらの気質もあるでしょう。

実際に引きこもりの息子も環境を整え正しい対応をして引きこもりから脱出することができました。

また相談に来られる引きこもりの方も話を聞いていくと、家庭環境や学校、職場環境のせいで自己肯定感が低いのだと感じることが多いのです。

そのため家族の接し方や声のかけ方などは引きこもりを脱出するためには大きな影響を及ぼすともいえるのです。

そして家から出られない引きこもり、部屋から出られない引きこもり。

ここにも差があります。家族が引きこもりをある程度でも受容し理解してくれていれば部屋からは出られるでしょう。

しかし部屋からも出られないというのは、部屋から出た空間が引きこもり当事者にとって安全基地でない、家族を信頼できない、居心地が悪いということです。

裏を返せば居心地の良い家庭、理解のある家族であれば少なくとも部屋からは出ることができ、心の充電が完了すれば引きこもりから脱出して家からも出られるようになるということです。

ご家庭、状況に応じたアドバイスをさせていただいておりますので、興味のある方はカウンセリングをお問い合わせフォームよりお申込みください。

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まとめ

引きこもり脱出するためには周囲の人が甘えという認識を捨てることが必要です。

そして引きこもりを受容することで、引きこもりの脱出への道が開けるといっても大げさではないのです。

よろしければこちらの記事もご覧ください。

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