文部科学省発表の不登校の原因と 統計

文部科学省発表の不登校の原因や統計について調べてみました。

どんなことが不登校の原因とされているのでしょうか?

H28年不登校に関する調査研究会議の資料から読み解いてみます。

Yumiri
この記事を書いているのは息子が不登校・引きこもりを経験したから心理カウンセラーとなったYumiriです。不登校ひきこもりを解決する方法をTwitterでもつぶやいてます。

 

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不登校の定義(文部科学省)

不登校とは

何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは、社会的要因背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席したもののうち、病気や経済的な理由による者を除いたものとしています。

では文部科学省の統計上、不登校の生徒はどのくらいいるのでしょうか?

不登校数 全体に対する割合
小学生 27,583人 0.5%
中学生 103,247人 3.0%
 高校生  79,425  1.5%

 

H27年度 内閣府 若者白書より

統計からもわかるように不登校は中学生で急に増えることが明確にわかりますね。

では文部科学省の統計では不登校の原因はどのようなものとされているのでしょうか?

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不登校の原因となる要因

文部科学省の統計資料から不登校の原因について抜き出してみました。

他の記事にも書いていますが、不登校の原因というのは特定できず、さまざまな要因の組み合わせだと感じています。

文部科学省の統計でも原因について明記はされておらず要因という記載の仕方のものが多く書かれています。

 H26年度 児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査より抜粋

要因 小学生(該当人数/割合%) 中学生(該当人数/割合%)
友人関係をめぐる問題(いじめを除く)  2903  11.2  14910 15.4
 教職員との関係をめぐる問題  855  3.3  1520 1.6
 学業不振  1825  7.1  8975 9.2
 進路にかかる不安  118  0.5  1616 1.7
 クラブ活動、部活動への不適応  42  0..2  2139 2.2
 学校の決まりをめぐる問題  162  0.6  1786 1.8
 入学、編入、進級時の不適応  573  2.2  2780 2.9
家庭の生活環境の急激な変化 2738 9.2 4508 4.6
 親子関係をめぐる問題  4391  19.1  8520 8.8
家庭内不和 1232 4.8 3538 4.6
病気による欠席 2366 9.1 7548 7.8
 遊び・非行  239  0.9  8190 8.4
無気力 5947 23 25877 26.7
不安など情緒的混乱 9327 36.1 27276 28.1
意図的な拒否 1489 5.8 4743 4.9
その他 1391 5.4 1306 1.3
不明 411 1.6 1254 1.3

上記統計の中で割合の多い要因・原因について緑字にしてみました。

主な不登校の原因についてどうして原因になり得るのかをピックアップして詳しくみていきたいと思います。

登校拒否・不登校の親の4つの特徴や家庭環境と8つの原因。

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不登校の原因について解明してみる

友人関係をめぐる問題(いじめを除く)

統計で比率の高い不登校の上記原因。なぜ友人関係の問題が不登校の原因になるのでしょうか?

小学生でも中学生でも友達とのトラブルというのはありますよね。

それを乗り越える力があるかどうかというのが不登校の原因になるかならないかの違いと言えます。

同じ出来事があっても乗り越えられる子供とそうでない子供との違いはなんでしょう?

例えば親がいつまでも子供の喧嘩などに関与して、問題を排除したり、話しを親同士でして解決をしていた子供の場合には、解決する力を養うことができません。

一般的に過干渉の親というのは危険を親が排除して、子供のためにと問題解決してしまいます。

このような境遇で育っていると、友達関係以外でも何かトラブルがあったときにそれを乗り越える力が備わっていません。

親が子供のためにと失敗を回避し経験させないからです。

そのために同じ出来事が起きても不登校になる子供とそうでない子供がでてきてしまうのです。

親子関係をめぐる問題

前述の過干渉な親の場合も不登校になる原因といえますが、その他にどのような親子関係が問題になると思いますか?

過干渉と被る部分もありますが、支配する親、威圧的な親、ネグレクトな親などが不登校の原因になることがあります。

また機能不全家族毒親についても不登校の原因になりえるでしょう。

たとえば子供のことを支配したい親や威圧的な親の場合には子供は自分の意思表示をしても叶わず親の思うようにされてしまうため、あきらめて次第に無気力になるか、反抗するかのどちらかです。

それが進行してひきこもりになってしまうケースもあります。

不登校の理由に無気力と書かれているのは、探っていくと親子関係が影響して無気力になっているということもあるのです。

そして反抗するほど元気があれば不登校の上、非行に走ることがあります。

親子関係の心理的特徴が思春期に及ぼす影響

不安など情緒的混乱

こちらにも情緒不安定について書いておりますが、 情緒不安定とひとことに言ってもさまざなな不安が不登校の子供たちにはありそれが原因ともなりえます。

そもそも不登校の子供たちは「学校に行かなくてはいけない」と思っており、登校しようという気持ちはあります。

けれども行けない状態なのです。

そのためこのままいけなかったら自分の将来はどうなるのだろう?という不安や、親を傷つける、迷惑をかけるのではないかという不安。

小学生であれば、母子分離不安など親から離れる不安というのも不登校の原因の1つになるでしょう。

また人が怖い、学校が怖いという不安をもっている子供たちもいます。

人が怖い・・学校が怖い・・学校に行きたくない場合の本人や周囲の対処法

文部科学省の取り組み

不登校への理解も徐々に広まり、文部科学省の取り組みとしてもただ単に登校させるということが目的ではないようです。

不登校の時間をストレスを軽減するための休養時間や進路選択のための自分を見つめる時間としても捉えられています。

不登校の生徒が自ら進路を主体的に考え、社会的に自立することが必要であるとしています。

教育関係者においては一人一人の課題や立場に寄り添い支援することが重要だとしています。

ただ実際問題、文部科学省の取組とは裏腹に心無い教師がいるのが現実です。

不登校のことで相談に行っても不登校の子どもは来るなと言わんばかりの対応をしたり、卒業式だけでも出たいという申し出を断る学校もあるようです。

なかには不登校を病気だと決めつけている先生もいらして、診断書の提出を求めらえるケースもあります。

このあたりの不登校や不登校の学校での対応の現状を文部科学省でも理解し、不登校の児童や親をサポートするシステムができると良いなと個人的には思っております。

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まとめ

文部科学省の統計に基づいて不登校の原因について探ってみました。

必ずしも統計にあるようなきっかけが不登校の原因とも限りませんし、原因だと思っていたことがきっかけに過ぎないということもあります。

大切なのは不登校の原因、要因を理解した上で、適切な対応をしていくということです。

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