不登校は中学生で発生する確率がとても高いです。今やクラスに1人という状況です。不登校になってある程度状態が落ち着いてきたら、学校への復帰へ向けてまずは別室登校から始めるとハードルが低くてよいかもしれません。中学生の別室登校とはどんな登校の仕方なのでしょうか?またそもそも不登校の定義、別室登校の定義とはどういうものなのでしょうか?
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目次
1.不登校の定義
不登校とはどういう定義なのでしょうか?文部科学省によると
何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席したもののうち病気や経済的理由によっるものを除いたもの
文部科学省HPより抜粋
と定義しています。
2.別室登校の定義とは
別室登校とは文字通り教室ではない、別の部屋に登校するということです。特に定義はなさそうですが、保健室登校を含む教室復帰に有効なものとWikipediaには記載があります。
中学生であれば保健室よりは、別室がよいかと思います。ただ中学校によっては保健室登校という名前で、教室で過ごせない子供たちが過ごせる部屋を用意していたり、保健室の1室を、不登校の子供向けに開放していたり、とくにそういう部屋はなくても子供に合わせて部屋を開放してくれるという中学校もあります。
3.別室登校の前に
まず別室登校の前にお子様が別室登校できる状況であることが大前提です。決して親や先生主導で、別室登校を無理に進めることはお勧めしません。ではどのような状態であれば別室登校に踏み切れるのでしょうか?
3-1. 別室登校が可能な子供(中学生)の状態
- 身体症状が出ていない
- 状態が安定している
- 暇だと言い始めた
- 言動が以前より明るくなってきた
- 外に出るようになってきた
- 学校の話題を口にするようになってきた
- 家で勉強をするようになってきた
- 昼夜逆転がなくなってきた
- ゲーム依存が緩和されてきた
上記の項目の半数以上あてはまれば別室登校できる可能性が高いです。
3-2.別室登校の準備
3-2-1.中学校との情報共有
不登校になって中学校からの連絡や対応に不満を持つ親御様は意外と多いです。これは中学校自体が不登校に対して情報や知識不足であったり、先生の温度差にもよると思います。
いくら対応が悪いとしてもお子様の学校復帰に向けて中学校とは情報共有をして、連絡は定期的にとっておきましょう。できれば、先生と子供が交流があるのが望ましいです。家庭訪問をして頂いたり、子供がそれを拒否する場合には電話でも、手紙でもよいです。中学校の先生が子供に関心を持ち続けているということ。
そしていつでも学校に行ってもいいんだと思える安心感を与えるためにも、継続した働きかけが必要だと思います。子供によってはその交流自体を拒むこともあるかもしれませんが、先生からの一方通行でもよいので、働き続けてもらえるとよいと思います。学校との接点がまるでないと、学校へ戻れる可能性も低くなってしまいます。
学校へ行っても迷惑かもしれない・・先生に嫌われているかもしれない・・見捨てられたのかもしれない・・という不安感が強くなるからです。不登校になる中学生に共通しているのは、繊細ということです。気にしなくていいと言われても気になってしまうのです。その不安を取り除く意味でも中学校とのつながりは重要です。
連絡を密にしておいて、別室登校できる可能性が出てきたら、先生と相談して、どのような別室登校が可能なのか、どのように対応してほしいのか要望を伝えておきましょう。
3-2-2.子供への情報提供
別室登校というものがどのようなものであるか、在籍している中学校ではどのような対応ができるのかを伝え、本人の希望も聞いておきましょう。その上で、いつから行くかはあくまで本人の判断に従って下さい。決してせかしたりしてはいけません。本人が決めるというのが重要です。中学生ともなると勉強のことが気になるとは思いますが、まずは学校へ行けるかどうか、学校へ登校するという目的で取組ましょう。
3-2-3.別室登校実現へ向けて
子供が制服を学校の象徴と捉えていることも考えられ、抵抗がある場合があります。事前に制服に袖を通してみましょう。その上で中学校までの通学路を歩いてみることをおすすめします。
私立などだと、バスや電車通学ということもあるでしょうから、実際に電車やバスにのって登校してみましょう。登校する際はお子様の状態に合わせて本来の通学時間、もしくは時間をずらしたり、週末に行くのも良いですね。
また実際に登校しようとして、家から出られないということもあります。もしくは学校まで行っても正門から先に入れないかもしれません。もし事前の登校が果たせなかったら、どこからが不可能なのか、どうしてできないのかを考えてみる必要があります。
それはお子様から聞き出したり、問いただすのではなく、状況から親御様が探ってみてください。まだ何かに対して不安や恐怖、自信がないことが考えられます。その場合はまずは挑戦してみたことを褒めることが大事です。決して溜息をついたり、責めたりしてはいけません。そしてその不安をできるだけ排除してあげることが必要になります。
別室登校の前に市区町村によっては適応教室やNPO主催のフリースペースなどもありますから、そこから始めてみてもよいですね。たいていの不登校の子供はずっと家にいるだけで外出自体をあまりしないケースがほとんどです。
登校しようと準備できるだけでも状態が良くなってきていると考えられます。別室登校すると言いだしても実現までに時間がかかることもあります。そこで親は行くといったのにいつ行くのかしら?と思うのですが、不登校の子供は行きたいけど、行けないんです。
心が、体が言うことを聞いてくれないのです・・ここはしっかりと理解してあげてほしいです。行きたいけど、不安なんです・・どう思われるのか心配なんです・・私たち親が思いつかないことで悩んでいる場合もあります。できるだけ不安を取り除き、自信を持たせるような働きかけをするようにしましょう。
どのように対応してよいかわからない方はご相談にのります。お問い合わせフォームよりお気軽にどうぞ。
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4.別室登校開始したら
4-1.先生にお願いすること
別室登校ができたら、先生にお願いしてほしいことがあります。それはクラスの生徒と、不登校の子供との交流です。事前に不登校になっている生徒の希望を聞いて、友達との交流する機会を設けてもらいます。これは教室復帰に向けてもかかせないことになります。不登校の生徒本人が希望する形で、希望するクラスメイトと交流できるのが一番よいです。まずは別室に希望するクラスメイトに来てもらい、徐々にならして、最終的には本人が教室へ行けるようになるのが理想です。実際に私の息子は別室登校した当初は先生が息子の希望するクラスメイトを別室に呼んで下さり、慣れてきてからは息子本人が教室に自ら赴くようになっていきました。友人と交流ができるようになれば、本格復帰に向けて一歩前進ですね。中学生ともなると勉強も気がかりだと思います。お子様の学習意欲や、理解度に合わせて先生に対応をお願いすることが必要です。学校ではそこまで手厚くは対応して頂けない場合には個別塾がおすすめです。塾の先生に子供がどこまで理解していて、どこからがわからなくなっているのかを伝えてお子様に合う指導をして頂くのが良いと思います。ただし、これはあくまでお子様主導で行って下さい。別室登校と同時に塾となるとかなりハードルが高くなってしまい、どちらも疎かになってしまう恐れがあります。お子様の状態や学習意欲のバランスをみて進めていきましょう。まずは確実に登校できる状態になることが目標です。
4-2.ご家庭で取り組んでほしいこと
別室登校が開始できたら、今まで以上に家の中を快適にしてください。快適にって掃除なら毎日してますと仰るかもしれませんが、そういう問題ではなく、不登校の子供にとっての家という空間が寛げる、休める場所であるかどうかということです。
おそらく別室登校できるくらいの状況であれば、家の中は快適だとは思うのですが、あらためて意識してみることをおすすめします。ずうっと家にいた子供が別室登校をするというのはとても勇気のいることで、気力、体力ともに消耗します。
親が想像する以上に疲弊しているはずです。ですので、家で心と身体のエネルギーをチャージして、また登校できるように、はたまた本格復帰できるように是非ともサポートしてあげて下さい。
別室登校ができると、親としては更に次にステップ、本格復帰というのが頭に浮かぶと思います。ましてや中学生ともなると、進路のことなどが気になりますよね。でも焦らないでください。ようやく一歩踏み出したので、次の一歩はお子様のペースに合わせて、お子様の判断で行いましょう。
5.まとめ
別室登校が開始できると親は本格復帰に向けて期待してしまいますよね。自然な気持ちだと思います。でも焦らないでください。本人の気持ちを重視して、本人の判断を優先に本格復帰へ向けて進めていきましょう。
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