不登校の対応 ~小学生低学年の場合~

小学生の低学年での不登校の場合には、適切な対応をしていれば長引かずに不登校を解決することができます。

まずは低学年の小学生が不登校になるのはどのようなことが考えられるのか?

そしてどのような対応が適切なのかについてみていきましょう。

低学年の小学生の不登校の主な要因

環境の変化

小学生という新しい環境に適応しなくてはいけない、新しい友達、先生ともうまく対応していかなくてはいけない。

そして小学生になると勉強がはじまり、授業を受けたり、指されたり、低学年でも宿題が出ることがありますね。

このような新しい環境に順応することが、難しい子供もいます。

いままでは何かあれば先生がすぐ駆けつけてくれたようなことも、小学生ともなるとだんだん子供主体になってきます。

その環境にうまく順応できないと不登校になることもあります。

また小学生になったという環境の変化の他にも引っ越しや兄弟が増えた、身近な人との死なども環境の変化ということになり、これらのことから不登校になる小学生もいます。

母子分離不安

小学生の低学年の不登校というとまず思いつくのが母子分離不安です。

ましてや低学年であれば母子分離不安の疑いが強くなると思います。

母子分離不安とは具体的にどのようなことかというと

  • 母親と離れていると落ち着かない
  • 母親がいると安心して落ちつく
  • 母親を独占したがる
  • 頭痛、吐き気、腹痛、夜尿といった身体的症状があらわれる
  • 母親の関心をひきたがる
  • 母親を独り占めしたがる
  • 今まで自分でできていたこともできなくなる(しなくなる)

母子分離不安による不登校の場合にはお母さんがいない学校が不安、怖いという心理状態になり、そのため不登校になってしまうということがあります。

学校が怖いという心理は母子分離不安に限らず、例えば学校でなにか失敗をした、先生に叱られたなど、本人にとって恐怖、不安を感じることがあった場合にも低学年の小学生は「学校が怖い」という言い方をします。

単に母子分離不安が原因の不登校の場合にはお母さんが一緒に登校したり、廊下から見守っているだけで登校できるというケースもあります。

また無意識にお母さんの関心をひきたいために不登校になっている低学年の小学生もなかにはいるようです。


親の不適切な対応

  • 過干渉
  • 放任
  • ネグレクト

おそらく多くの親は幼稚園や保育園までは支度などは親が対応していたのではないでしょうか?

そして幼稚園や、保育園では何かあれば先生がとんできてくれて対応してくれたことも、小学生になると低学年とはいえどもそういう対応は少なくなります。

自主性を育むような対応をしてきた場合には、子供も少しずつ自分で何かに取り組んだり、問題を解決しようとする力を養うことができますが、親が過干渉に常に先回りをしてきた場合には自分で対応できません。

例えば明日の宿題はもうやったの?時間割は揃えたの?という声掛け。

ほとんどの親がしていると思います。

なかには声掛けだけでなく、親が支度をしてしまう場合もあるのではないでしょうか?

親が子供のためを思ってしていることが、子供の自立心を阻んでしまっているのです。

親が常に先回りして育った子供は親のいない学校で過ごすことに不安を覚えます。

そして人間関係などのトラブルがあった場合、親は学校にいませんから、子供はどう対応していいかわかりません。

ネグレクトや放任の場合には、子供は自分は愛されていないと感じてしまうことがあります。

そうすると自己肯定感が育ちません。何をやっても自信が持てず、家にさえ居場所がありません。

そのような子供が学校に行けると思いますか?

残念ながら不登校になってしまうことがあるのです。

友達とのトラブル

今までは友達とトラブルになっても先生が仲裁してくれていたことも、小学生では先生が常に子供たちを見守ってはいませんから、気づくとは限りません。

小学生の低学年であってもできるだけ子供だけで解決させようとするのではないでしょうか?

このような時に前述の親の対応次第では、どのように解決すべきかわからず、困難を乗り越える力が育っていません。

ましてや親が友達の家に文句を言いにいったり、学校にクレームをつけてばかりいたらどうでしょう?

せっかくの困難を乗り越える力を養うチャンスを親が奪ってしまっていることになるのです。

このため友達とのトラブルがきっかけとなり不登校になるということもあります。

低学年の小学生の不登校の対応

ここまで主な小学生低学年の不登校の要因をみてきたところで、どのように対応していけばよいかについて考えてみましょう。

不登校を受け入れる

小学生低学年だけでなく不登校に共通する適切な対応として不登校を受け入れるということが必要です。

「いつになったら学校にいけるの?」「なぜ学校にいけないの?」などというのは子供の心理状態を益々悪化させてしまいます。

なぜなら学校に行けない=自分なので、上記のようなことを言われると不登校の自分はいけないんだ、ダメな人間なんだと自分が否定されていると思ってしまうのです。

不登校に限らずその子供のありのままを受け入れるという対応が自己肯定感を育てるのに役立ちます。

このため無理やり学校に行かせたりしない、学校に行けるかどうかを聞いたりしないというのは特に初期には適切な対応となってきます。

母子分離不安の場合の対応

母子分離不安の解決方法は詳しくこちらに書いておりますが、子供が親と離れることに不安を持つため安心をさせる対応をしてあげる必要があります。

なるべく子供と過ごす時間を増やし、離れていてもおかあさんは自分のことを好きでいてくれている、受け入れてくれている、家で待っていてくれると感じることが必要です。

特に不登校になっている子供の下に弟妹がいるときには、できるだけ不登校の子どもの対応を優先的にしてほしいと思います。

お兄ちゃんだから、お姉さんだからと我慢を強いられてきた場合には、親を独占したい気持ち、見捨てられたような気持があります。

できるだけスキンシップと共に愛情が伝わるような対応をするのが望ましいでしょう。

低学年小学生の不登校の原因に多い母子分離不安ですが、この場合の対応としては、最初は一緒に学校に付き添ってもいいと思います。

そして徐々にいつには一人でいけるようにするという目標をたて、そこからさかのぼって、付き添う時間を少なくするなどすると良いと思います。

場合によっては、養護教諭の助けをかり、保健室登校をするという対応も良いかと思います。

養護教諭の役割についてはこちらに書いております。

保健室登校についてはこちらをどうぞ

自主性を高め困難を乗り越える力をつける

過干渉な対応や放任すぎる対応はあらため、愛情を注ぎながら自分で考えて行動することができるように小学生の低学年であればしていきたいものです。

そのまま適切な対応を行わないでいると、不登校が長期化したり、ひきこもりになる可能性もあります。

小学生の低学年であれば、周囲のとくに親の適切な対応次第で、自主性を高め、困難を乗り越える力を養うことができます。

親が子どものためによかれと思っておこなう過干渉は実は親の理想の押し付けに過ぎないこともあります。

このほうが子供のためだからと思って対応していることをよく考えてみるとそれがわかるのではないでしょうか?

過干渉の影響というのは大きいです。いまから是非あらためて適切な対応を行うようにすると良いでしょう。

自己肯定感を高めるための声掛け

既にお話ししたように不登校だけでなく自己肯定感を高めるためには不登校自体を受け入れ、不登校であっても何も変わらないわが子という認識が必要です。

そしてそれが言動にも反映されるようにすると良いです。

不登校の子どもというのは小学生に限らずみんなとても敏感で繊細な心を持っています。

ふとした親や先生の言動を敏感に察知します。

低学年の小学生であれば、ちょっとしたことがお手伝いできる歳だと思います。

不登校で家にいるなら子どもができる役割、お手伝いを与えできるだけ肯定的な言葉をかけていきます。

お手伝いができたら「ありがとう」ちょっといつもより上手にできたらすかさず褒めてください。

この積み重ねで承認欲求も満たされ自己肯定感が上がります。そうすると子供にとっての社会は学校であるために登校しようと思い始めるのです。

快適な居場所作り

人間には所属欲求というものがあります。家と社会の両方にそれがあるのが理想です。

社会というのは小学生にとっては学校となります。

不登校の場合にはその学校に居場所がない状態ともいえるかと思います。

そのため家での快適な居場所が必要です。

だれでも外で辛いことがあっても帰宅してほっとすることで、エネルギーがチャージできるかと思います。

しかしその家で夫婦喧嘩がおきていたり、姑と嫁が喧嘩をしていたり、もしくは子供のことを叱ってばかり、口うるさく指示を出していたりなどする場合には安心して快適に過ごせる居場所がありません。

前述のとおり不登校の子供に共通しているのは、小学校低学年に限らず繊細で敏感な心の持ち主ということです。

そのため家庭内不和などがある場合には、家族がどうなってしまうのだろうか?叱られるのではないかと不安で落ち着かないはずです。

家の中を皆が安心して快適に過ごせるような対応をするのが望ましいですね。

学校との連携

不登校から登校復帰を果たすためには学校との連携が必要です。

いつでも戻れるように親と先生が連携しておくことはもちろんのこと、不登校当事者の子供と先生とのつながりも必要です。

息子が不登校の最中には私はこの対応をお願いしておりました。

カウンセリングを受けていただく方には随時その状況に応じて具体的な対応策を提案させていただいております。

先生がなにも対応せず、学校との関係が希薄であると子供も学校に戻りづらくなることがあります。

段階、状況に応じて保健室登校をしたり、先生に家庭訪問をお願いするなどしていくと良いでしょう。

先生によっても待っているだけでは何も対応してくれない方も残念ながらいるのが現実です。

待つだけでなく、してほしい対応があれば伝えるのも親の役目だと思います。

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まとめ

小学生の低学年の不登校で考えられる要因や適切な対応についてまとめてみました。

不登校の状況の変化により対応を変えていき、状態がよくなったら登校刺激をして登校を促すことで不登校を克服することができます。

不登校について具体的なアドバイスが欲しい方、話を聴いて欲しいという方ご相談はお問い合わせフォームからお気軽にお問合せください。

こちらの記事もご覧ください。

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