引きこもりの息子をなんとか自立させ、家から追い出したい。
暴れる引きこもりの息子を家から追い出したい。
親としては引きこもり脱出のために何かできないかと考えを巡らせ、なかなか解決の糸口が見えないまま息子がある程度の年齢になってしまうと、追い出すことを考えると思います。
果たして息子を追い出すことで引きこもり脱出ができ、真の解決ができるのかどうか?
また引きこもりの息子を追い出すことは法に問われるのかどうか?
そのあたりについて私なりの見解を述べてみたいと思います。
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目次
引きこもりの息子を追い出すのは法的にどうなのか?
引きこもりの息子を追い出すことが法的にはどうなのか?
これは息子の年齢がまず一つのポイントになるでしょう。
未成年であれば、いくら引きこもりとは言っても扶養義務があるため追い出すことはできません。
では成人していればいいのかというと、もしも息子さんが、家の登記上の権利をもっている場合には追い出せません。
つまり、成人していて、家の登記上権利をもっていなければ追い出すことは法的には可能といえます。
しかし引きこもりを追い出したいと思っているのが、親でなく兄弟姉妹というケースがあります。
この場合家の権利が親で、親は引きこもりの息子を追い出したくないという場合であれば、いくら兄弟姉妹といえども追い出すことはできません。
法律的には第三者が強制的に追い出すということはできないそうです。
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追い出すことで引きこもりは解消できるのか?
引きこもりの息子を追い出すことがきっかけで、本人がバイトを始めたり、就職したりして自立する例はあります。
しかし一方で無理やり追い出して失敗する例もあり、その見極めはとても難しいです。
なぜなら、本人のメンタルは外から見えないからです。
はたからみると、元気そうでも心に深く傷を負い、それがまだまだ修復できていないこともあります。
追い出すことで失敗する例
引きこもりの原因の一因が精神疾患であるのに、家族がそれに気づかずたんに引きこもりは甘えているという見解だけで息子を追い出すという場合には、無理があると思います。
本人も精神疾患だと気づいていないこともあるため、家族が異変を感じたら精神科なり、診療内科なりに相談するほうが良いでしょう。
最寄の保健所でも相談に乗ってくれますから、引きこもって以来一度もどこにも相談したことがない場合には専門家に相談しましょう。
また突然追い出すのも失敗する可能性があります。
少なくとも追い出す期限に猶予を与え、自立するための心の準備、実際の始動する準備に時間が必要です。
引きこもりは怠けている、甘えているという考えが強い場合にはそもそも引きこもりに対しての理解が乏しいといえます。
息子さん本人も好きで引きこもっているわけではありません。
少なくともそれは理解してあげてほしいと思います。
追い出すことで引きこもりの本格解消ができる例
引きこもりの息子のメンタルが整い、精神疾患もなく、家族とも会話ができ、少なくとも部屋からは出てくる状態であること。
そしてなにかきっかけを見つけて動こうとしている前向きな場合には、追い出すことで本人もきっかけがつかめ動き始めることがあります。
ただこの見極めはとても難しいといえます。
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追い出すことで引きこもりが悪化する可能性
以前テレビで無理やり引きこもりの息子を追い出す支援団体が取り上げられたことがあり物議をかもしましたね。
私個人としては、最終的に追い出すことになるとしても、無理やり強引に追い出すことはしないでほしいと思います。
繰り返しになりますが、好きで引きこもり生活を長期にわたってする人はいません。
引きこもりになるまでの過程で複数の要因があり、本人もこのままではいけないと罪悪感をもっているはずです。
ただ家族の前ではそのような様子は見られないこともあるかもしれません。
親は引きこもりを理解しようとしても、兄弟姉妹が引きこもりの兄弟がいることで、親が苦しんでいることや正義感から、引きこもりの兄弟を無理やり追い出そうとするケースがあります。
無理やり追い出して引きこもりが解消され、自立できればそれに越したことはありませんが、一方で引きこもりが悪化してしまったり、精神疾患を引き起こすこともあるのです。
まず無理やり追い出された場合には、人に対して不信感を持つ可能性が大きいです。
もともと対人不安やほかの不安障害などをもっている場合にはさらにそれがひどくなったりしますし、トラウマとなります。
そうなってしまうと引きこもりを解消するというのはさらに難しくなってしまいます。
無理やり追い出そうとした人が家族であれば、家族との信頼関係は失われ、生きる意味さえ見いだせなくなってしまい最悪の事態にもなりえます。
また親や家族に怨みや不満をもっていたりする場合には暴れるということもあるのです。
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無理やり引きこもりを追い出す前にしてほしいこと
引きこもりになるまでの過程を振り返る
息子さんが引きこもりになるきっかけはありましたか?
いじめやハラスメントなどがあればトラウマになって深い傷を負っている可能性があります。
そして自分の息子に対して生まれてから引きこもりになるまでどのような対応をとってきましたか?
常に先回りして、失敗を回避したり、子供のためと思って実は自分の理想を押し付けたりしていませんでしたか?
息子さんがしたいことがあったのに、それよりこれがいいというような発言はありませんでしたか?
親が思い描く子供の将来への道を敷き、そこから外れるような対応を息子さんがした場合に、怒ったり、暴言を吐いたり、時には手を上げたり、脅迫まがいの言動はありませんでしたか?
引きこもりになる前、子供のころから現在に至るまで、子供が話を聴いてほしい時に聴いてあげてましたか?
話を聴いているときに、途中で遮って、正論や理想論を話していませんでしたか?
これらに多数あてはまることがあるのであれば、息子さんが引きこもりになったのは親にも一因があります。
もちろん引きこもりの原因はそれだけとはいえないでしょう。
しかし親の対応が引きこもりになった大きな要因というケースは残念ながらとても多いのです。
もしあなたの息子さんが引きこもりになったのは親のせいだというような発言があるのであれば、息子さんの中に親への恨み、怒りがあるかもしれません。
実際にこのようなケースは多いのです。
もしも心当たりがあるのであれば、時には謝ることも必要です。
そして息子さんの話をしっかりと聞き、怒りの感情を吐き出させることが必要です。
そうしたらそれまでのことを過去にすることができ、引きこもりから脱して、前に進めるかもしれません。
相談をする
厚労省も引きこもり支援を行っています。
いままで一度も引きこもりに関して相談したことがないのであれば、専門機関や引きこもりの専門家に相談して引きこもりに関して理解を深めるとともに専門家のアドバイスをもらいましょう。
時には第三者が間に入ることで、引きこもりから自立への道へすんなりと踏み出せることがあります。
引きこもり支援を行っている方とお話して聞いたエピソードをご紹介します。
両親どちらとも口も利かない引きこもりの息子さんを相手に、部屋の前から呼びかけ、信頼関係を築こうと何度も足を運んだそうです。
時間はかかりましたが、最終的には部屋のドアを開けてくれて話をすることができたそうです。
そしてその息子さんとようやく話しをすることができ、心開いたときに、話てくれたのは親への怒りでした。
それを支援員のサポートのもと吐き出し、最終的には本人が親へ不満を直接吐露することで変わっていったそうです。
次第に少しずつ外出できるようになり自立への一歩を踏み出したのです。
引きこもりの度合い、本人の心の状態、周囲の対応の仕方により、時間はかかります。
しかし引きこもりの専門家の力を借りたり、専門家のアドバイスのも引きこもりへの正しい接し方を知ることで、少しずつ前進して引きこもり脱出を図ることが可能なのも事実です。
以前引きこもりの相談を受けた親御さんは徐々に引きこもりを理解していき、週2日でも息子が外出するようになってきたときに嬉しいとお話されていました。
その小さなステップを喜ぶ気持ちが大切なのです。
〇歳なら働くべき。とか引きこもりは甘えだという前に、引きこもりにさせたのは親かもしれないという事実と向き合ってみてください。
親にとっては耳が痛い話かもしれませんが、私も息子の不登校、引きこもりを経験したことでたくさんの子供への対応の失敗に気づいてきました。
引きこもりの専門家のアドバイスを受け今からでも正しい対応をしてみてはどうでしょうか?
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まとめ
親が年老いていく一方で引きこもりの息子がなかなか自立できないと、追い出すことを選択する方もいらっしゃいます。
うまくタイミングがあえば引きこもり脱出は成功しますが、危険もはらんでいます。
誤った対応をしないように、引きこもりの支援や専門家のアドバイスを受けてみてはどうでしょうか?
こちらの記事も参考にしてみてください。
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