生きづらいのは病気のせい?それとも生きづらくて病気になるの?

生きづらいと感じていたらその原因は病気だった・・

もしくは生きづらいけど頑張り続けているうちに病気になってしまった。

どちらのケースもあると思います。では生きづらいと感じる病気にはどのようなものがあるのでしょうか?

Yumiri
この記事を書いているのは息子が不登校・引きこもりを経験したから心理カウンセラーとなったYumiriです。

パーソナリティ障害・人格障害

パーソナリティ障害・人格障害ってどんな病気なのでしょうか?

パーソナリティ障害は、大多数の人とは違う反応や行動をすることで本人が苦しんでいたり、周りが困っているケースに診断される精神疾患です。認知(ものの捉え方や考え方)や感情、衝動コントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるものです。注意したいのは、「性格が悪いこと」を意味するものではないということです。
パーソナリティ障害には、他の精神疾患を引き起こす性質があります。パーソナリティ障害と合併したほかの精神疾患が前面に出ることが多いので、パーソナリティ障害は背後から悪影響を及ぼす黒幕のような病気だということができます。

パーソナリティ障害にはいくつかのタイプがあり、アメリカ精神医学会の診断基準で10種、世界保健機構の診断基準で8種があげられています。アメリカ精神医学会の診断基準では大きく分けて、次の3つに分類されています。括弧内にそれぞれの特徴を記します。

  • A群(奇妙で風変わりなタイプ)
    • 妄想性パーソナリティ障害 (広範な不信感や猜疑心が特徴)
    • 統合失調質パーソナリティ障害 (非社交的で他者への関心が乏しいことが特徴)
    • 統合失調型パーソナリティ障害* (会話が風変わりで感情の幅が狭く、しばしば適切さを欠くことが特徴)
  • B群 (感情的で移り気なタイプ)
    • 境界性パーソナリティ障害 (感情や対人関係の不安定さ、衝動行為が特徴)
    • 自己愛性パーソナリティ障害* (傲慢・尊大な態度を見せ自己評価に強くこだわるのが特徴)
    • 反[非]社会性パーソナリティ障害 (反社会的で衝動的、向こうみずの行動が特徴)
    • 演技性パーソナリティ障害 (他者の注目を集める派手な外見や演技的行動が特徴)
  • C群 (不安で内向的であることが特徴)
    • 依存性パーソナリティ障害 (他者への過度の依存、孤独に耐えられないことが特徴)
    • 強迫性パーソナリティ障害 (融通性がなく、一定の秩序を保つことへの固執(こだわり)が特徴)
    • 回避性[不安性]パーソナリティ障害 (自己にまつわる不安や緊張が生じやすいことが特徴)

※ICD-10で該当するタイプの名称を大括弧内に示す。*印はICD-10にないもの。なお、ICD-10では、境界性パーソナリティ障害は情緒不安定性パーソナリティ障害の下位分類のひとつである情緒不安定性パーソナリティ障害境界型と位置づけられている。

厚生労度省 みんなのメンタルヘルスより部分抜粋

パーソナリティ障害・人格障害で生きづらい

パーソナリティ障害・人格障害で生きづらいかたたちの声です。

  • 人と話すことができない
  • 自己否定
  • 自殺願望
  • 診察にいっても結局話すことができず高い診察料を払うだけで終わってしまった
  • 周囲に溶け込むことができない
  • 友達ができてもすぐに離れていってしまう
  • 診断されてから怖くて人と関われなくて孤独
  • 何かしたいのに何をしても疲れてしまう
  • 学校や職場で絶えず迷惑をかけてしまう
  • 自分が壊れていることが自覚できてつらい

パーソナリティ障害・人格障害と診断された方たちは自分がどんな人間で、どのような性格なのか、自分でも何を考えてるのか、なぜそんな行動をしてしまうのかよくわからなくて苦しい、生きづらいそうです。

また病気により上記のことから孤独感、空虚感、自己否定がおき生きづらいと感じてしまっているのです。

一方で、パーソナリティ障害・人格障害の人に対して周囲が感じていること、されたことはというと

  • 職場で次々に相手を変え、付き合うためその人達が結果異動する羽目になる
  • 空気が読めないから微妙な雰囲気になる
  • 悪口ばかりいうので嫌な気分になる
  • 包丁を向けられたこともあって怖い
  • 話のほとんどが嘘もしくは盛りすぎているから本当のところがわからない
  • 配偶者が病気だとわかり離婚を切り出したら暴力を振るわれた

うつ病

病気で生きづらいという方のなかにはうつ病を患っている方もいらっしゃいます。

うつ病とはどんな病気なのでしょうか?

眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。

厚生労働省 みんなのメンタルヘルスより抜粋

うつ病のチェックをしてみましょう

採点方法は いいえ-0 時々-1 しばしば-2 常に-3 ただし質問の2.4.6.8.12に関してはどんな答えであっても0点とします。

10点以下は正常、16点以上はうつ病の疑いがありますので医師に診断を受けましょう。

1. からだがだるく疲れやすいですか
2. 騒音が気になりますか
3. 最近気が沈んだり気が重くなることはありますか
4. 音楽を聴いて楽しいですか
5. 朝のうち特に無気力ですか
6. 議論に熱中できますか
7. くびすじや肩がこって仕方ないですか
8. 頭痛持ちですか
9. 眠れないで朝早く目覚めることがありますか
10. 事故や怪我をしやすいですか
11. 食事がすすまず味がないですか
12. テレビを見ていて楽しいですか
13. 息がつまって胸苦しくなることがありますか
14. のどの奥に物がつかえている感じがしますか
15. 自分の人生がつまらなく感じますか
16. 仕事の能率が上がらず何をするにもおっくうですか
17. 以前にも現在と似た症状がありましたか
18. 本来は仕事熱心できちょうめんですか
合計

SRQ-D(東邦大学方式うつ病自己評価尺度)

うつ病で生きづらい

うつ病の場合には自己否定が強い傾向にあります。

そのため何をしても自分は情けないダメな人間なんだと、思い込み、だから鬱病になったんだ、だから何事もうまくいかない・・と負のスパイラルが渦巻いていまうことがあります。

そのため何もかもうまくいかない、生きづらいと思ってしまうのです。

適応障害

適応障害も生きづらい病気のひとつです。適応障害が進行すると鬱病になるともいわれています。

適応障害とは、ICD-10(世界保健機構の診断ガイドライン)によると「ストレス因により引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」と定義されています。
ストレスとは「重大な生活上の変化やストレスに満ちた生活上の出来事」です。ストレス因は、個人レベルから災害など地域社会を巻き込むようなレベルまで様々です。
また、ある人はストレスに感じることがほかの人はそうでなかったりと、個人のストレスに対する感じ方や耐性も大きな影響を及ぼします。つまり適応障害とは、ある生活の変化や出来事がその人にとって重大で、普段の生活がおくれないほど抑うつ気分、不安や心配が強く、それが明らかに正常の範囲を逸脱している状態といえます。
さらに、ICD-10の診断ガイドラインを見ると、「発症は通常生活の変化やストレス性の出来事が生じて1カ月以内であり、ストレスが終結してから6カ月以上症状が持続することはない」とされています。ただしストレスが慢性的に存在する場合は症状も慢性に経過します。
もうひとつ重要な点は、ほかの病気が除外される必要があります。統合失調症、うつ病などの気分障害や不安障害などの診断基準を満たす場合はこちらの診断が優先されることになります。
いったいどれくらいの人が適応障害になっているかというと、ヨーロッパでの報告によると、一般的には人口の1%といわれています。日本での末期がん患者の適応障害有病率の調査では、16.3%といわれています。
しかし適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されています。つまり、適応障害は実はその後の重篤な病気の前段階の可能性もあるといえます。

厚生労働省 みんなのメンタルヘルスより抜粋

適応障害の場合には鬱病の生きづらさに通ずるものもありますし、何より環境に適応できず生きづらくなってしまうのです。

統合失調症

生きづらい病気の一つに統合失調症もあります。

統合失調症とはどんな病気なのでしょうか?

統合失調症は、幻覚妄想という症状が特徴的な精神疾患です。それに伴って、人々と交流しながら家庭や社会で生活を営む機能が障害を受け(生活の障害)、「感覚・思考・行動が病気のために歪んでいる」ことを自分で振り返って考えることが難しくなりやすい(病識の障害)、という特徴を併せもっています。

多くの精神疾患と同じように慢性の経過をたどりやすく、その間に幻覚や妄想が強くなる急性期が出現します。
新しい薬の開発と心理社会的ケアの進歩により、初発患者のほぼ半数は、完全かつ長期的な回復を期待できるようになりました(WHO 2001)。
以前は「精神分裂病」が正式の病名でしたが、「統合失調症」へと名称変更されました。

厚生労働省 みんなのメンタルヘルスより

統合失調症で生きづらい

  • 世間と自分のずれを感じながらもどうすることもできない。
  • 居場所がない。
  • 人と話がかみ合わない
  • 妄想から被害を受けたと思い込んでしまい人に迷惑をかける暴言を吐いてしまう
  • 記憶力の低下から仕事に支障が出る

まとめ

生きづらいと感じてしまう病気があることがわかりましたね。これらの病気すべてに有効な心理療法のひとつが認知行動療法です。

つまり認知=物事の捉え方を変えることによって生きづらさを解消できる糸口が見つかるかもしれません。

あなたの思い込みや癖づいた思考があなたを生きづらくしていることもあります。

また病気だとわかったことで自分の言動が理解でき、受け入れられて生きづらくなくなる方もいらっしゃいます。

そのためにも自分の生きづらさが病気かどうかを調べておくことは必要ですね。

生きづらさを解消するヒントはこちらの記事を参考になさってください。

こちらの記事もご覧ください。

生きづらいHSPの特徴とは?HSPってご存知ですか?

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