登校拒否と不登校は定義に違いがあるのか?留年する?人数は増加傾向?

登校拒否って最近は聞くことが少なくなったような気がしますが、不登校と登校拒否って定義は違うのでしょうか?登校拒否のイメージはわきますか?

私のイメージでは30年くらい前に登校拒否という言葉は不良などが学校に行くことを拒否して、非行に走っているような状態を登校拒否という印象ですが、皆さんはどのように感じますか?

登校拒否と不登校の言葉の定義づけってされているのでしょうか?

登校拒否と不登校の違いについての定義の歴史と言葉の違いや人数、また留年について調べてわかったことなどをまとめてみました。

1.登校拒否と不登校の歴史

不登校、登校拒否という言葉が生まれる前には学校に行けない状態を「学校恐怖症」と称していました。

これについてはアメリカのA.M.ジョンソンが1941年に論文を発表しました。日本においてこのような学校恐怖症にあたる事例が報告されたのは1950年ごろのことだそうです。

今でいう不登校の状態が歴史的に現れたのは文献で米国のブロードウィンが1932年ごろ「怠学」という研究の中で発表したのが最初のようです。

学校恐怖症という言葉が登校拒否や不登校を表す最初の言葉となりますが、学校恐怖という言葉がさすように必ずしも学校が怖いというだけではなく、その根底には母子分離不安があり必ずしも学校が怖いわけではないと考えられていたようです。

母子分離不安と不登校の関係についてはこちらに書いております。学校が怖いについてはこちらをどうぞ。

日本では1950年ごろから注目されるようになり、学校恐怖症→登校拒否→不登校という呼び名に変わったという歴史があるようです。

2.登校拒否と不登校の定義の違い

 

文部科学省の定義では、不登校とは「なんらかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により登校しない、あるいは登校したくともできない状態にある年間30日以上欠席した児童のうち病気や経済的理由によるものを除いた者」としています。

歴史的には登校拒否が不登校という言葉に変わったということで、意味合いとしては登校拒否も不登校も同じ扱いをしていますが、定義の違いとしては、以前は登校拒否と聞くと登校できる状態にあるにも関わらず本人の意思で拒否して登校しないという意味で使っていたと思います。

しかし不登校という状態を調べていくうちに本人は登校したいと思っているにも関わらず登校できない状態の生徒がいるために不登校という言葉に変えてまとめたようです。

このため登校拒否といえば以前は不良などが学校に登校しない状態を定義しており、現在でも自分の意思で行かない人たちを登校拒否という言葉を使うことで不登校との違いがわかると思います。

医師によっては親が圧力をかけて無理やり登校させようとしてもできない状態を不登校と表しているようです。

しかし人によっては登校拒否というのは体がに拒否が出るほどの拒否反応を示している状態を表すという方もいらっしゃいます。そのため登校拒否と不登校の違いというのは厳密に定義づけはされていないのだと思います。

ただ言葉の変遷からたどると登校拒否と不登校の違いというのは歴史で呼び名が登校拒否から不登校と呼ぶようになっているので、現在はまとめて不登校として扱っているようです。

違いはあるようでないのかもしれません。

3.登校拒否・不登校の人数

さて、登校拒否・不登校の人数はどうなっているのでしょうか?文部科学省発表の登校拒否・不登校の人数は下記の通りです。

ここ数年で若干ではありますが、登校拒否・不登校の人数、割合が増えていることがわかります。

登校拒否・不登校の人数は1クラスに1人いる計算となります。

H27年度 文部科学省学校基本調査より

4.登校拒否・不登校は留年か?

登校拒否・不登校で気になることの一つに留年があると思います。

公立の中学の場合には、たいていが留年せずに進級ができます。

私立の場合には留年について対応がわかれるところですが、知っている限りは2つのパターンがあるようです。

1つは中学は義務教育のために進級させる。もう一つは進級させずに登校拒否・不登校の学年終了時に公立やその他の学校への進学を勧めるというものです。

息子のいた私立では留年の心配はありませんでしたが、友人の子供の在籍していた私立の中学では、登校拒否・不登校となって数か月たったころには、公立に行くように促されたようです。

ましてや学年の変わり目には進級させられないと言われたようです。結果的には交渉の末留年することなく、公立に行くこともなく進級させてもらうことができました。

中学であれば交渉次第でなんとか留年せず卒業することはおそらくほとんどの場合は可能でしょう。

ただし高校となるとそうはいきません。学校によっては保健室登校や、別室登校、フリースクールなどに通った日数を出席日数としてカウントしてくれる学校もありますが、そうでない学校もあります。

この点については学校長判断によるようですので、学校に訊いてみると良いでしょう。

出席日数がなんとかなってもテストを受けて単位を取得するというハードルが残ります。留年するかは単に出席日数だけでなく、科目ごとの単位なども関係してきますので、このあたりも学校に確認する必要がありますね。

登校拒否・不登校の親の4つの特徴や家庭環境と8つの原因

5.登校拒否・不登校の心理・状態とは

不登校の定義は前述のとおりですが、実際に不登校や登校拒否の心理とはどのようなものなのでしょうか?

ここではあえて登校拒否と不登校と同義で説明したいと思います。

登校拒否や不登校というのははたから見るとなぜ学校に行けないの?行かないの?となかなか理解しづらいものです。

あえて登校拒否・不登校の状態であるという場合もありますが、登校拒否や不登校状態になっている生徒のほとんどが、きっかけはあったにせよ、本当の原因や自分がどうして学校に行けないのかわからないという状態です。

登校拒否・不登校の生徒は実は誰よりも登校しないといけない・・だけれども登校できないと思ってしまっています。

正直本人にもわからないのです。大きくわけると不登校・登校拒否には3つのタイプがあります。

非行型

  • 体の反応はないものの、登校できず、人によっては自分の意思で登校せずにいる
  • 家にはあまりいることなく、外出をしている。家に居場所がないこともある
  • 生活習慣の乱れから学校に行く時間帯に活動できない
  • 自分を認めてほしいという強い思いがある
  • 親への愛情を求め逃避している

無気力型

  • 学校に行けなくなったきっかけはあるにせよ、それは原因ではなく自分でもよくわからないが学校に行けない
  • 登校しようとすると頭痛、吐き気、腹痛などの身体症状がでる
  • 真面目で繊細な子供
  • 家から出られないが家では元気そうにみえる
  • 今までできていたことができなくなる

発達障害

  • 広汎性発達障害
  • 注意欠陥障害
  • 学習障害

発達障害の場合には特定の科目ができない、人とのコミュニケーションがうまくとれないことで人間関係においてトラブルを生みやすいこと、また周囲が発達障害に理解がないことが多いため孤立したり、好奇の目で見られてしまうことがあります。

発達障害の登校しぶりについてはこちらにも書いております。

すべてのタイプの登校拒否も不登校も基本的には誰よりも登校しなくてはいけない、でも登校できずに非常につらい思いを抱えながら自分自身を責めている状態です。

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6.まとめ

登校拒否・不登校の人数は今や1クラスに1人の割合です。 20年前と比べるとかなりの差がありますね。

登校拒否と不登校の違いについてきちんとした定義はありません。しかし時代の流れで登校拒否から不登校へと名前を変えてきたことは事実です。

また登校拒否というと、自分の意思をもって登校しないと定義づけしている方もいれば、体が拒否反応を示すのが登校拒否だと仰る方もいらっしゃいます。

いづれにせよすべてを含めて現在では不登校という言葉で統一されて使われていて登校拒否と不登校の違いはなくなっているようです。

留年については中学の場合はほぼ心配ありませんが、高校の場合には学校により対応も異なりますので確認しておくと良いでしょう。

別室登校から卒業を目指すにはこちらをご覧ください。

保健室登校のメリットとデメリットについてはこちらに書いております。

保健室登校が良い理由についてはこちらが参考になります。

 

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