小学生の別室登校

小学生の不登校は親や学校が対応を誤らなければ早期に別室登校や教室復帰を果たせます。ではどうして不登校になり、どのようにしたら子供の気持ちが満たされ、別室登校や教室復帰ができるようになるのでしょうか?

1.小学生の不登校の原因

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小学生不登校の原因としては個人によりもちろん差はありますが主に下記があります。

1-1.環境の変化(主に低学年)

幼稚園と小学校の環境の違いは大きいですよね。まず登下校が違います。今まではお母さんと一緒に登園していたのに一人で登校し、下校しなくてはなりません。

そして学校では幼稚園のように先生が手取り足取りお世話したり声掛けしたりしてくれません。

あとはなんといっても勉強です。授業を受けるのもじっと椅子に座っていなくてはなりませんし、時には宿題がでたり、時間割を揃えたりと、幼稚園とはまるで違ってきます。この環境の変化についていけなかったり、プレッシャーに感じたりすることが一因となります。

この他にも引越しをしたり、両親が離婚や再婚をしたり、祖父母との同居が始まったりという環境の変化も影響します。この場合には小学生の低学年にかかわらず全学年において、影響があります。

1-2.母子分離不安や対人恐怖症などの不安障害

こちらも小学生の低学年の不登校に多い原因の一つと思われます。小学生になるとお母さんとのかかわりも少なくなっていきます。いくら小学生になったといってもお母さんと離れることで不安ということもあるかとおもいます。不安症というくくりでは対人恐怖症の場合もあります。

1-3.学校でのトラブル

小学生になると学校で授業中あてられることもあります。そのときに答えられなかったり、お友達と上手く関われなかったり・・・ちょっとしたことでも不登校の子供は敏感で戦繊細なため傷ついてしまい、自信をなくしてしまいます。また周りの人が笑ったりした場合には嫌われてると思いこんでしまうこともあります。小学生であればなおさらです。

1-4.親の関わり方

親が過干渉であったり、逆に放任であったりするとそれが原因となって不登校になります。過干渉であれば、なんでも親が指示をだしたり、先回りしてお膳立てするのに慣れているため、小学生になり自分で考えて行動しなくてはいけない場面でできないのです。できないことに対して自信を喪失します。

また言葉のかけ方なども影響します。怒った口調や舌打ちなどは、自分が否定され、ダメな人間だと思ってしまい自信喪失となり、自己肯定感が下がります。

放任タイプの親御様の場合にはお子様は自分は愛されていない、必要のない人間だと思ってしまい、その愛情を確かめるために本人も気づかぬうちに不登校になっているケースもあります。小学生だけでなく親の関わり方は不登校においては最重要だと私は思っています。

1-5.発達障害・起立性調節障害

発達障害は脳の機能の成長に関する生まれつきの障害です。対人関係やコミュニケーションに関して苦手な傾向があります。広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、吃音などがあります。

起立性調節障害は自律神経失調症の1つで、血圧が下がり、血流が悪くなることにより疲労やめまいなどがおき、比較的午後には症状が軽くなるようです。このため学校のある時間帯は元気がないのに夕方などは元気そうに見えて怠けていると誤解されがちです。親は理解をし、受け入れてあげましょう。体内時計を整えるために下記のような光目覚まし時計を使うのもよいと思います。



1-6.家庭内不和

ご家族みなさんの関係性は良好でしょうか?嫁姑の対立があったり、両親が言い争いしていたり、家族の中に物の言い方がキツイ方や舌打ちするような方はいませんか?そのような家庭は寛げますか?お子様は安心して快適に過ごせますか?家の中が安心できて快適でないと、外に向かうパワーが養えません。誰でも学校や仕事で疲れて帰ってきても家でほっとしてリラックスして羽を伸ばしたら、回復して、また次に進むことができます。でも家の中が快適でないと、家にいること自体がストレスになりかねません。

主だった原因は上記です。不登校の子供に聞いてもよくわからないと答える子供が多いです。たいていは原因は1つでなく複数あり、そのため子供も何がというのが明確にわからないということがほとんどです。中でも親の関わり方というのは非常に関係性があると思います。小学生であれば、親の対応次第で比較的早く別室登校や教室復帰を果たせると思います。

ただ原因探しに躍起になって、誰が悪いのか犯人捜しなどに重きをおいてしまうと、家族間でいさかいにもなりかねませんので原因や犯人捜しをするよりも、どうしたら子供が別室登校や教室に戻れるのかを知り、親が対応を変えていくことが大事です。

2.不登校から別室登校・教室復帰のための心がけ

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小学生であれば、親が対応を変えるだけでみるみる子供が変わっていくと思います。具体的に何をどうしたらよいのでしょうか?

  • 子供の現状を受け入れる(受容)
  • 共感する
  • 不登校であっても大切な存在であることを子供に感じてもらう
  • 学校へ無理やり行かせない
  • 時期がくるまで登校を促さない
  • 過干渉をやめる(過干渉タイプの場合)
  • 放任をやめ、子供と関わりを持つ(放任タイプの親の場合)
  • 温かい前向きな言葉がけ
  • 理想を押し付けない
  • 自己肯定感を高める=自信をつける
  • 希望を持たせる

不登校の子供は少子化にも関わらず以前から横ばいです。ということは実質増えているということです。このため学校側でもさまざまな対応、対策をしています。別室登校の前にまずは学校と情報共有はしておきましょう。子どもの状況を伝えておくことで学校から良い提案や指導があることもあります。またできれば家庭訪問をして頂いたり、電話で子供と先生が話すなどしておくと良いでしょう。

学校と子供がつながりを持っておくことは非常に大切です。学校との関係が希薄になると、子供は学校に対して不安が大きくなりますので、是非とも心がけてください。ご相談を受けていて悲しいことに不登校になると学校からは一切連絡ない、ほとんどないということがあるようです。その場合には担任以外の先生にも相談してみることをお勧めします。それでも対応が悪ければ教育委員会に相談してみましょう。

3.小学生の別室登校

市区町村や学小学校により対応は異なりますが、別室登校は希望すればできるはずです。小学生の場合、低学年であれば保健室などが子供は安心するかもしれませんね。まず子供が安心できる先生や、場所(教室の希望)、勉強したい科目などあればそれを学校側に伝えてできるだけ本人の希望に沿う形で行うのが理想です。母子分離不安の場合にはおかあさんも学校まで登下校のみ一緒にしたり、母子分離不安の症状が強い場合には小学生であれば学校にいる間近くで付き添えると良いですね。

小学生でも高学年になると保健室は嫌がるかもしれません。その場合には希望を聞いて学校の対応可能な部屋などで本人の希望を伝えて対応をお願いすると良いと思います。

起立性調節障害や本人が通常の登校時間に登校したくない場合には、午後から登校したり、放課後に登校したりすると良いと思います。

そして何より別室登校ができたら、たくさんほめてあげてください。些細なことでも褒めることを続けていくと少しずつ自信がついていきます。親の言葉がけは重要ですので是非やってみてください。途中で引き返したり、登校しようと思ってもできなかったときには、トライしたことをほめてくださいね。決して「どうしていけないの?」「いい加減にしなさい」などと言ってはいけません。

4.別室登校ができたら

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別室登校ができてきたら、次は教室復帰を目指して不登校から抜け出すことを目指しましょう。そのためには引き続き親は適切な対応をこころがけた上でお子様とクラスメイトと関わりを持てるように学校にお願いしてみましょう。

具体的には、別室登校ができてきていれば、別室登校した際の別室に仲のよいクラスメイトを連れてきてもらって、交流するようにしましょう。

そして、それがある程度できてきたら次は給食を一緒にとることをおすすめします。別室にきてもらうか、子供が嫌がらなければ給食の時間だけ、教室に行きみんなと給食をとれるのが理想です。いきなりは無理でも別室で、友達と交流が持ててくれば、いづ教室にも行けるようになるはずです。

親は焦らずに、子供のペースで前に進のを見守りサポートしてあげてください。ただし過干渉の方は、先回りをしないように気をつけてくださいね。

5.まとめ

不登校の子供に共通しているのは敏感で繊細な心の持ち主ということです。そして別室投稿や不登校から抜け出すため必要なのは自己肯定感を高めることと希望を持つことです。そのために親ができることはたくさんあります。是非これまでのご自分のお子様への対応を振り返り改めるところがあれば是非上記内容を参考に取り組んでみることをおすすめします。親が変わればきっと子供もかわります。焦らずその子のペースで前に少しずつ進んでいきましょう。

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