居場所がないと不登校や引きこもりから抜け出せないかも

引きこもりの方に限らず人間には居場所が必要です。

ただその居場所もただ、居られる場所ではなく、居心地のいい居場所でないと意味がありません。

そして人はなぜ居場所が必要なのでしょう。

居場所があったのに、その居場所で何かトラブルがあったり、居心地が悪くなると引きこもりになったり不登校になる人がいる一方、それを居心地よい居場所に変えることができる人もいます。

居場所がない・・と感じて不登校や引きこもりになったけれど、居心地の良い居場所が見つかり不登校や引きこもりから脱出できることがあります。

やはり居場所は重要なのです。

居場所=居心地の良い場所が必要

息子が不登校になって、引きこもり始めた時に居場所がないためどこか居場所が必要だな、社会とつながる場所がないといけないと思った私は色々と調べてNPO法人が運営しているフリースペースに見学に行きました。

家に引きこもってばかりよりも週に1度でもよいから、居場所があり、そこに出かけることができたら、少しでも刺激を受けていいなと当時の私は考えていました。

その居場所は通いやすいところであればどこでもいいとさえ思っていました。

見学に行こうと誘っても息子は乗り気ではありませんでしたが、しぶしぶ一緒に行ってくれました。

居場所となるところに息子と同じような不登校で引きこもりの子供がいると知ったらきっと行くだろうと。

その居場所にと考えたフリースペースには小学生から中学生くらいのの年齢の不登校で引きこもりになっている子供たちが多くいるように見受けられました。

そしてその居場所を運営しているのは主に年配の隠居されている方々でした。

優しい笑顔と温かい言葉で出迎えてくださいましたが、息子はその雰囲気が合わなかったようで、入ろうとしませんでした。

なんとかその居場所が彼の居場所になるといいと思った私は入ろうと促しましたが、彼は固辞しました。

結果私だけが少し見学するだけで終わってしまいました。

ここで今の私ならわかるのですが、居場所≠行ける場所 じゃないということです。

ただ引きこもりや不登校の子供たちの行ける場所が居場所として必要なのではなく居場所=居心地の良い場所が必要であるということです。

不登校や引きこもりになる人たちはメンタルが弱く、繊細で敏感な方々が多いです。

このためどのような環境でも順応する力が弱い部分があります。

人によっては居心地が悪いと思った場所でも適応していくうちに居心地がよくなり居場所となることがあります。

例えば私の経験ですが、再就職した会社はそれまで働いたことのある会社とはまるで違いました。

皆個性が豊で、自己主張ができる、何かトラブルがあっても適応できる能力が高い方ばかりでした。

そして規模が小さいためなんでも自分でこなさなければいけない環境です。

一方で私はそれまでは比較的大きな会社で働いていたので、PCトラブルがあれば、システム課に問い合わせれば問題ない。

何かトラブルがあっても自分だけでというよりは上司に相談すれば上司が助けてくれるという環境だったので、トラブルを対処する力はあまり養われていなかったといえます。

そして職種もずっと貿易事務をしてきて、職場が変わってもベースの業務は同じ。

しかし今度は全く畑違いの仕事ですし、部署もたくさんないため広く業務を担当しなくてはなりません。

またそれまでは比較的合わせるというタイプの人が多く、自己主張するということもあまりせず、機会もなかったように思います。

そのためストレートに何かを言われるという経験もほとんどありませんでした。

しかし新しい職場ではストレートに物をいう人がいて、自己主張も必要。仕事も全く新しい分野。

トラブルがあってもただ上司に指示を仰ぐのでなく、自分で解決策を練り、上司に打診するということが必要とされていました。

当初私はこの職場は合わない・・まだ試用期間のうちにやめようかな、なんとなく居場所がない・・などと感じ、次第に目が痙攣するようにもなりました。

どちらかというとそれまでの私は人に合わせるタイプで、強く何か言われるとひるんでしまい、言いたいことがあっても我慢してため込む性格でした。

今までの私だったら、ここでめげて会社に行けなくなっていたかもしれません。

でも私は変わりました。息子を生んでからは少しずつ強くなってきたと自分でも思っていました。

職場では強くなろうというよりもとりあえずこの目の前の仕事を覚えようと。

地道に仕事に取組みそれでもだめなら辞めようと思っていました。

しかしある時からそこが居心地のいい場所になったのです。

居場所になるのには3つのポイントがありました。

  1. 仕事ができるようになった
  2. 自分の意見が言えるようになった
  3. ありのままの自分をだせるようになった

職場であるからには仕事ができなくてはいけません。

これは最初教える側だった方も私がある程度のレベルにまでなった時に、私にも意見を求めてくるようにになり、認められていると感じたのが大きかったと思います。

それがあったので意見も言えるようになり、自分をさらけ出すことができるようになったため最初は居場所がないと感じていた職場が居場所になったのだと思います。

引きこもりの方の居場所も同じことが言えると思います。

  • 自分がありのままでいられ認められる場所
  • 否定されることなく受け止めてくれる場所
  • 安心していられる場所

引きこもりの方が居心地が良いと感じられる居場所は上記のような場所ではないでしょうか?

では実際にどんなところが居心地の良い場所といえると思いますか?

ブラックな引きこもり支援団体の見分け方

引きこもりの居場所

自分がありのままでいられる場所というのはありのまま=引きこもりの事実を隠すことなく、認め受け入れてもらえる場所です。

引きこもりであることを否定されることなく、非難されることなく安心していられる場所が居場所です。

たとえばあなたのご家庭はどうでしょうか?

家族が引きこもりである家族を受け入れ、否定せず、引きこもり前と同じように接してくれたら引きこもりの本人も居心地がよいと思います。

しかし引きこもりになったことで、家族から下記のような発言があったらどうでしょう?

  • 「いつまで仕事もせず(学校にいかず)家にいるんだ」
  • (引きこもり・不登校の兄弟に対し)「お兄ちゃんは家にいてずるい」という兄弟姉妹
  • 「働かなくて親にご飯食べさせてもらっていいよね」という働いている兄弟姉妹
  • いつまで甘えてるんだ
  • 何楽しているんだ
  • 何を考えているんだ
  • いつになったら働くんだ
  • いつになったら学校にいくんだ
  • このままでいいと思っているのか?
  • 働く気はないのか?

などなど引きこもりを否定する発言。

このような発言をされると引きこもりの方々は家にすら居場所がないな・・引きこもりの自分は認められないんだなと感じると思います。

引きこもりの年齢によっては働くのが一般的な年齢という場合もあり、働くのはごく自然なことと思いがちですが、それは引きこもりの本人が痛いほどわかっているのです。

そんな正論をぶつけられたら、ますます自己否定してしまい、家は決して居心地のよい場所とは言えなくなり、居場所がないと感じてしまうのです。

時に正論は引きこもりや不登校の子供には傷つけることになってしまう傾向があるのです。



居場所ができれば、引きこもりから脱出できる

引きこもりにはならず家に居場所がない、親からの愛情が感じられないと感じて非行に走り、家に帰らない不登校の子供もいます。

外に居場所を求め仲間とつるみ、非行に走ることで一体感を得て寂しさを紛らわすのでしょう。

また仲間と同じことをして仲間から認められることで自己肯定感を保っていると考えられます。

人間は誰でも居場所が必要です。

たいていは家と社会=学校や職場そして習い事など人によってもことなりますが、家のほかに社会での居場所があると思います。

引きこもりの場合には社会での居場所がないわけです。

そのため少なくとも家が本人にとって快適で安心して過ごせる居場所となることが望ましいです。

時にはそれば叶わず家が居心地が悪い場合には、家族とは一切コミュニケーションをとらず、家族がいる間は部屋からもでない。

引きこもりには家にすら居場所がないんだと感じてしまっているのではないでしょうか?

そして居場所がないことが耐え難い、引きこもりの自分を否定する家族のいる家に居場所がないと感じた引きこもりの方は意を決して外に居場所を見出そうとすることがあります。

ひとまずネットカフェなどを居場所にしようと試みますが、お金が底をついてホームレスになってしまったという方もいます。

なかにはネットカフェを居場所とすることで、その代金を稼ごうと日払いの仕事などにつき、そこから定職について引きこもり脱出に成功する方もいます。

いづれにしても居場所を探しているわけです。

できれば家が居場所となり、自己肯定感が高まり、社会での居場所を見つけるのが好ましいですが、前述のように居場所がないと感じ、必要に迫られて社会での居場所を見つけ引きこもりから抜け出せる方もいます。

不登校が前向きな経験に。乃木坂・白石麻衣さんも不登校だった。

居場所提供している団体もある

一般的には社会での居場所が仕事や学校という方が多いわけですが、引きこもりや不登校の場合にはその社会の居場所がないわけですから、そこにつながるための居場所が必要な時もあります。

いきなり仕事をしたり、学校に行くのは抵抗があっても、引きこもりや不登校を支援する団体が提供するフリースペースなどに行くことが次の社会への居場所=職場・学校につながることもあります。

そのような場所では同じ悩みを抱えた引きこもりや不登校の方が集まる居場所ということで、引きこもりの方でも参加するのにハードルが下がるようです。

実際に参加した引きこもりの方々は同じ悩みを持つ仲間と話すことができ、安心感を得たり、頑張ろうと思ったり、前向きになれたという方が多いです。

居場所提供しているところではどんなことをしているかというと

  • ゲーム
  • 相談
  • イベント
  • カラオケ
  • 創作活動など
  • ランチなどが取れるカフェ
  • マッサージ
  • 音楽活動など

引きこもりは男性が多いことから女性の引きこもりの方は参加しづらく居場所がないと感じるという意見もあり、女性の引きこもりの方を対象とした居場所を提供する団体もあります。

今は引きこもりだけどゆくゆくは働きたい。

でも不安という方は厚生労働省が委託した全国の若者支援の実績やノウハウがあるNPO法人、株式会社などが実施している地域若者ステーションを利用してみるのもよいと思います。

支援対象者は下記の通りです。

「働きたいけど、どうしたらよいのかわからない・・・」、「働きたいけど、自信が持てず一歩を踏み出せない・・・」、「働きたいけど、コミュニケーションが苦手で・・・不安」、「働きたいけど、人間関係のつまずきで退職後、ブランクが長くなってしまった・・・」など、働くことに悩みを抱えている15歳~39歳までの若者の就労を支援しています。

厚労省HPより

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まとめ

人間には居場所というものがあることで安心感や自己肯定感が保てています。

居場所ということを日常あまり気にして過ごすことはないと思いますが、実は大事で、居場所がないと感じたときにその大切さを感じるのかもしれません。

居場所となるはずの家庭に問題があると、さまざまな問題が起こるのです。

引きこもりの方にとって家だけでも快適で安心して過ごせる居場所であってほしいなと思います。

親向けの引きこもりの方への対応についてアドバイスしております。

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