保健室登校を認めない?ずるい?

保健室登校は出席扱いとして認められないのか?ずるいのか?これは学校にもよりますが、小学校、中学校であれば保健室登校も出席として認められるケースがほとんどです。高校からは学校長の裁量で決められるところもあるようなので、学校に確認が必要です。保健室登校を認めないという先生や同級生の発言もあってなかなか踏み出せない方もいると聞きます。どうして保健室登校を認めないなんて言うのでしょうか?ずるいと思われてしまうのでしょうか?

1.不登校を理解していない

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保健室登校を認めない、ずるいなんて発言をする先生や同級生は不登校を理解していないからです。確かに自分が経験したり身近に不登校の子供がいないと理解できないかもしれません。不登校の親ですらなかなか認め、理解してあげることができず結果不登校が長引いてしまうこともあります。まずは不登校を理解してもらうことが大事です。理解したら認めない、ずるいなんていう発言はできないはずです。

不登校になる子供は先生や勉強、友人とのトラブルなど何かをきっかけに自信を失い学校に行くことができなくなります。行かないのではなく行けないのです。登校しなくてはいけない、明日こそは必ず行こうと前の晩思い就寝し、翌朝になると本人もよくわからない倦怠感、疲労感に襲われ、ときには頭痛や腹痛もおこり、身体がいうことをききません。本人は行かなくてはいけないと思っている意思に反して身体症状がでてしまい起き上がることすらできないのです。

不登校の子供は敏感で繊細な心の持ち主です。そのためXという大事件が起きたときに多くの人は落ちこみ、傷ついてもすぐに立ち直れたとします。不登校になる子供は立ち直れないのです。敏感な感性の持ち主のため人よりも傷つくことが多くそれまでの積み重ねもあり心のエネルギーがなくなってしまった状態のときに不登校になります。

登校できな自分はダメだ、将来どうなってしまうんだろう・・、親を苦しめる自分はダメだ・・・そんな風に自分を責め不安で不安で仕方がなく苦しみ悩んでいるのです。


2.保健室登校を理解する

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2-1.保健室登校の養護教諭の対応

保健室登校というのは、はたからみると教室でなく保健室に登校なんて怠けているだけだ、わがままだと思われ認めてもらえない、認めてくれない先生や同級生もいるでしょう。でも実際には理にかなった登校の仕方です。なぜなら前述のように不登校の子供はよくわからないけれど身体がいうことをきかない状態であり、心のエネルギーが足りていないわけですから、養護教諭のような心と身体の知識を持った専門家が常にいて対応してもらえるというのは非常によい登校の仕方だといえます。

児童・生徒が保健室登校から教室に復帰するにあたって、保健室の先生、すなわち養護教諭の果たす援助は大きな効果がある。その場合、当該児童・生徒本人、児童・生徒の保護者、教職員に対して、カウンセリング技法を導入して援助することになる。養護教諭は医師のように時間に縛られず、無制限に児童・生徒の状況等に応じて援助でき、それは最大の利点といえる。有村による保健室登校経験者への調査では、養護教諭に対して「居場所を作ってくれた」・「いつも笑顔があった」などと好意的な意見が寄せられ、「してほしかったこと」は教師・保護者・周囲の人に対する要望に比べて少なかった。一匹狼となった生徒に巧みに近づいてその言動を監視するのも重要な役割である。

Wikipediaより引用

 

実際に養護教諭にただただ話しを聴いてもらうだけで、安心したという話は多いです。親だとつい先入観や価値観を子供におしつけてしまい、子供の話しを最後まで聞くということができないこともありますが、養護教諭の場合には本人を否定することなく、受容してくれます。そこで安心感を得るのです。その積み重ねこそが不登校の子供にとって自信へとつながります。

2-2.保健室が学校内の安心基地になる

不登校になると教室に居場所を得られていないということも原因のひとつです。そのため学校内にある保健室で養護教諭に話しを聴いてもらい絶対的な安心を得れば学校内の安心基地となり、そこを拠点に提出物を出す、学習する、給食だけ教室に行く等すこしずつ活動の幅や拠点を広げていき教室復帰を果たすリハビリになります。時には先生の手伝いをすることで自分が他の人の役に立つ喜びを得て自信をつけていくこともあります。

3.不登校・保健室登校を認めてください・ずるいなんて言わないでください

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もしも保健室登校なんて認めない、ずるいなどと思っている先生や親御様、同級生の方がこの記事を見てくださったら、認めてあげてください。保健室登校も不登校もずるくなんてありません。本人が一番苦しみ悩みつらい思いをしています。まずは周囲の人が不登校や保健室登校を理解し、認めてあげることで、不登校になっている子供は少しずつエネルギーがたまってきます。不登校や保健室登校を否定せずに受け入れてください。ずるいという発言はすでに傷ついている不登校になっている子供をより一層傷つけるだけのナイフのような言葉です。

いじめや学校内でトラブルがあって居場所がなくなった生徒が毎年命を落とすという痛ましい出来事があります。そんなにつらいなら不登校でもいいじゃないですか?保健室登校でもいいですよね?もっと周囲が本人の気持ちを受け入れ寄り添って、こういう登校の仕方もあると示してあげるという風潮が広まればこのような悲しい出来事は減るはずです。しかし現実問題まだまだ理解されていないというのが実態です。せめてこの記事をご覧になってくださっている方だけでも、認めない、ずるいなんていう発言はやめましょう。

4.周囲ができること

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  • 不登校の子供の気持ちに寄り添う
  • 受容する
  • 否定しない
  • 温かい言葉がけ

人それぞれ感性は違うため不登校の子供の気持ちを100パーセント理解することはできないと思います。でも不登校になるほど学校に登校することがつらいんだ。保健室登校するほど教室に行くのがつらいんだ・・とその気持ちに寄り添う、理解しようとすることはできるはずです。

そして少なくても否定はしない。「なんで学校にこれないの?」「なんで保健室に登校しているの?」これだけで不登校の子供は傷つきます。すでに傷ついている傷口に塩を塗らないでください。行きたくてもいけないのですから。そんな自分を責め続けているのですから。

もし保健室登校を開始したら、ぜひ温かい言葉をかけてあげてください。先生であれば「よく登校できたね」「やるじゃないか」「おはよう」。これだけでもいいです。大げさにほめたりすることはしなくてもいいので、挨拶だけでもお願いします。とくに担任以外の先生方から声をかけてもらえたらうれしいはずです。認めてもらえたと思うはずです。自分は保健室登校していいいんだ。認めてもらえてるんだ。その少しずつの積み重ねが本人の自信につながります。

同級生の方も保健室登校がずるい、認めないなんて言わないでください。ずるくないのです。だって本当は教室に行きたいんです。行かなくてはいけないと思い悩んでいるのです。でも身体がいうことをきかないんです。「あのこ保健室登校なんてずるい?」「保健室登校なんて認められるの?」なんて絶対言わないでください。その言葉ですでに自信を失っている友達がさらに自信を失ってしまい、生きる気力さえなくなってしまう恐れがあります。ときには言葉は凶器にもなってしまいますので、言葉には気を付けて発言したいものです。

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5.まとめ

不登校、保健室登校を認めてください。そして悩んで学校に来れない方に不登校でもいいじゃない。つらいなら。と言ってあげてください。保健室登校があるよと教えてあげてください。ずるいなんて言わないでください。不登校、保健室登校の認知が広まれば自ら命を落とすという痛ましい出来事が減るはずです。そのためにも一人でも多くの人が不登校の子供を受容し、理解してくれることを願ってやみません。

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