保健室登校・不登校の実態

中学生であればクラスに一人はいると言われている不登校ですが、実態はどうなのでしょうか?不登校・保健室登校の実態について調べてみました。文部科学省のデータと実例から保健室登校の実態をお伝えします。

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1.不登校の実態

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下記は文部科学省が行った調査の実態です。平成18年度に不登校であった生徒の5年後の状況等の追跡調査を公表しているものです。実態のデータはすべて文部科学省のHPより引用しております。

1-1.不登校の理由の実態

不登校の主な継続理由は、以下のとおり
「無気力でなんとなく学校へ行かなかったため(43.6%)」
「身体の調子が悪いと感じたり、ぼんやりとした不安があったため(42.9%)」
「いやがらせやいじめをする生徒の存在や友人との人間関係のため(40.6%)」
「朝起きられないなど、生活リズムが乱れていたため(33.5%)」
「勉強についていけなかったため(26.9%)」
「学校に行かないことを悪く思わないため(25.1%)」

1-2.利用した支援

  • 学校にいる相談員(スクールカウンセラー等) 34.0%
  • 学校の先生 29.5%、病院・診療所 24.1%
  • 学校の養護教諭 23.6%、
  • 教育支援センター(適応指導教室) 19.7%
  • 民間施設(フリースクールなど)  8.8%

※ 何も利用しなかったと回答した者は 22.5%

全体の8割が何らかの支援を受けている実態がわかります。

1-3.調査時点での実態

○ 20歳現在の就学・就業状況
就業のみ 34.5%、就学のみ 27.8%、就学・就業 19.6%、非就学・非就業18.1%

○ 中学校卒業後の高校進学状況
高校進学率 85.1%、高校中退率 14.0%

○ 20歳現在の就学先
大学・短大・高専 22.8%、高等学校 9.0%、専門学校・各種学校等 14.9%

○ 20歳現在の就業状況
正社員 9.3%、パート・アルバイト 32.2%、家業手伝い・会社経営 3.4%

就業状況の正社員率が低い点と、非就学・非就業が2割弱という実態が気になりますね。

2.保健室登校に関する実態

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保健室の他に相談室のある学校は7割をこえるそうです。下記の実態はすべて文部科学省のHPから情報を収集したものとなります。(平成11年発表)

2-1 学校内に相談室(何らかの形で相談をする所)がある学校の割合

  • 小学校53.2%
  • 中学校87.9%
  • 高等学校77.4%

○このうち、保健室に付随した相談室を持つ学校の割合は、

  • 小学校7.6%、
  • 中学校2.8%、
  • 高等学校13.5%

また保健室内に相談コーナーとして設けられている学校の割合は、

  • 小学校42.4%
  • 中学校31.2%
  • 高等学校32.3%

2-2.養護教諭が児童生徒に対し、友人関係や学習等の悩みなどの「心の問題」のために継続支援した学校の割合

  • 小学校76.6%
  • 中学校87.9%
  • 高等学校91.1%

2-3.養護教諭が、「心の問題」のために継続支援している学校の割合は(調査時点)

  • 小学校46.0%、
  • 中学校75.8%、
  • 高等学校79.8%である。

2-4.一校当たりの「心の問題」のために、継続支援している平均事例数( 調査時点における)

  • 小学校3.0件
  • 中学校3.6件
  • 高等学校6.2件

2-5. 過去1年間に「保健室登校」をした児童生徒がいる学校の割合

  • 小学校37.1%
  • 中学校58.1%
  • 高等学校44.4%

2-6.「保健室登校」をしている児童生徒がいる学校の割合

  • 小学校12.1%(平成2年度7.1%)、
  • 中学校37.1%(平成2年度23.2%)、
  • 高等学校19.4%(平成2年度8.1%)

2-7.過去1年間に学校で把握した心身の健康問題の状況

「過食症」、「拒食症」、「児童虐待」、「精神科疾患」、「慢性疾患」、「いじめ」等に該当する児童生徒の有無について、医師の診断や養護教諭の観察などを参考に回答を求めたところ、「慢性疾患」が最も多く、小学校58.9%、中学校62.9%、高等学校80.6%となっている。次に多いのは、小学校、中学校では「いじめ」であり、小学校29.0%、中学校51.6%である。また、高等学校では、「拒食症」であり、50.8%という実態です。

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3.保健室登校・来室に関する学校種別の実態

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小学校から高校までを通して保健室に来室の理由の背景にあるものは一番は情緒不安定だそうです。次になんと家庭環境。その次はかなり数がぐんと減って心身症の順番となります。他の記事にも何度も書かせていただいておりますが、やはり家庭環境、特に親の影響というのは大きいとあらためて痛感しました。

保健室登校する際には養護教諭が対応を行いますが、養護教諭の意識としてはカウンセリングは養護教諭の仕事と9割の養護教諭が認識している一方で相談活動の満足度は高くないという実態もあるようです。また保健室登校の実態としては小学校、中学校、高校で比較するとだんとつ中学校での保健室登校の割合が多いとのことです。

下記の実態は大阪教育大学の資料を基に記載しております。

3-1.小学生の保健室登校の実態

小学生の場合には不登校の理由として母子分離不安であることが多いです。実例として保健室登校を成し遂げるまで養護教諭の対応を調べたところ実態としてこれからお話しするケースがありました。

乳児の頃は手がかからず保育園に預けようとしたとろ、かなり激しい抵抗があり、断念。小学校にあがり登校するのも母親がついていないと不安で集団行動になじめずに不登校になる。(保育園の際の記憶からの母子分離不安が解消されていないように見受けられる)

養護教諭は母親と話しをすると、母はわが子への不満を養護教諭にぶつける。養護教諭はありのままの子供を受容するように提案。(母親がこの時点で子供を受容できていない)

そこで母親にお願いして一緒に登校し養護教諭が出迎えて保健室登校をしていたが、次第にそれも嫌がり、その後養護教諭が毎日お迎えにいき徐々に信頼関係を築いて保健室登校ができるようになった。最初は母親も同室に滞在してもらうところからスタートし徐々に教室へ復帰する。

3-2.中学校の保健室登校の実態

特定の科目のみ教室で授業を受けられず保健室に来室するようになった女子中学生。次第にその科目が体育であったため養護教諭と一緒に見学をするようになる。

その後本格的に不登校になるが養護教諭は手紙を送ったり、家庭訪問を続け交流を図ったところまた登校するようになる。この頃にスクールカウンセラーとも話をするようになり、本人の行動変容が起こる。

コミュニケーションスキル、ソーシャルスキルに問題があり、人とぶつかることが多いことが浮き彫りとなる。スクールカウンセラーのみでなく学校全体で、彼女の問題行動の際に実態にそったアドバイスをするように取り組み、次第に問題を起こしても以前とは対応が変わり、時間がたってからであっても謝れるようになる。

その後保健室登校したりしなかったりを繰り返しながら教室へ徐々に復帰し卒業式にも参加でき就職し結婚した。

3-3.高校生の保健室登校の実態

希望しない高校への入学で入学式の際も「こんな学校・・」と言い放ち壁を蹴ったりする行動があった男子高校性の例。登校は五月雨式で出席日数を気にして学校にはくるが、頭痛などを訴え保健室に来るようになる。

養護教諭がカウンセリング等を通してこの生徒に学校での居場所がない、寂しいと判断。保健室にきてもいいと言うと次第に頻繁にくるようになった。

養護教諭の見解ではこの生徒の話を聞いてくれるものが家族におらず居場所がないため家族、とくに母親にそれをするように提案しようとしたが、母親は仕事が多忙で、家でも仕事をしている様子であり断念。

保健室に登校した際には話をすることをこころがけ、保健室が居場所になるように生徒の話も聞き、受容することを心がけた。次第に教室で授業は受けそれ以外は保健室で昼食をとったり休み時間をすごし、放課後も自分から進んで勉強をしていた。出席日数はギリギリながらも進級を果たした。

4.まとめ

保健室登校の実態を知ると、養護教諭の保健室登校にあたっての対応というのはかなりきめ細かいなという印象を私は持ちました。このほかにも怪我や病気で一時利用をする生徒も来室するわけですから、御忙しい中とても素晴らしい対応だと思います。でもこのような対応をしてくれるという実態を知ると不登校の生徒にとっては心のケアもしらえますし、保健室登校は心が繊細な不登校の生徒に向いているのではないかとあらためて思いました。

と同時にやはり家庭環境、親の影響というのは大きいためやはり親も適切な対応を心がけなくてはいけないともあらためて思いました。親のできることに関してはこちらに書いていますので、参考になさって下さい。

こちらの記事もご覧ください。

学校に行きたくなる方法を考えてみよう~中学生・高校生の不登校~

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